7 デカすぎる!
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今日2話目投稿!
階段を降りるとそこは、幅15メートル程あり天井が見えない程高さがある通路になっていた。
「あれって、絶対ボス部屋だよな」
「やっぱあるんだなボス部屋」
「倒せるかな?」
『上の階層に居たあのデカい魔物だったりして……冗談よ!』
通路の先には幅10メートル程あり高さが30メートルはありそうなデカい扉が見えていた。
ダンジョンはどうやら10層ごとにボスが居るようだ。
此処が最初のボス。
今までの魔物を見てきて思う。
今の俺達に倒せるのか?
ラノベ知識だと最初のボスは大した事無いのが定番だけど、ゴブリンさえあの強さだったしなぁ。
此処でゴブリンの上位種とか出てきたらヤバいんじゃね? って感じだな。
だが、どんなボスかは確かめないとね。
今後の為にも。
しかしその前に!
ボス部屋の前には必ずと言って良いほど宝箱があるのがゲームの定番!
ゲームじゃないけど。
なので扉の手前にある左右の通路を先ずは確かめる。
「先に左から確かめよう」
「確かに、ボス前はアイテムがあるってのが定番だな」
「そうなの?」
『そうそう、回復アイテムがあるのが定番だよね~』
そんな話をしながら左の通路を皆で進んでいく。
暫く進むと、突然目の前の景色が変わった。
「ん? ボス階層のエリアか?」
でも、ボス部屋は目の前にあったしな。
「あれ? 周りが洞窟になってるぞ?」
「本当だね、幻術かな?」
『ねぇねぇ、此処魔力が凄い濃いんだけど』
通路を進んでいると景色が洞窟の中に変わっており、先には光が入り込んでいる。
「とりあえず進むか」
そう言って光へと入っていくと、そこは荒野だった。
緑が全く無い砂漠のような砂や赤い岩肌。
俺達はどうやら崖の途中に出たようだ。
「これはまた広そうなエリアだな」
「デカい山だな」
「凄い乾燥してる~」
『だから魔力が濃いんだって』
先程からなっちゃんが魔力が濃いと言っているのは間違っていない。
現在の地上でも魔力は十分あるし、ダンジョン内になると更に濃くなる。
別に人体に害は無いけどね。
そして此処はダンジョン内よりも魔力が濃い。
もしかしてあれはボス部屋じゃなくてこっちが本命なんじゃね?
このエリアの何処かに本当のボスが居るとか……探すの大変そう。
しかし目の前にある山が滅茶苦茶デカい。
岩肌は硬そうで表面がツルツルしてる。
ん? ………………いやいやいやいや、えっ? マジっすか?
「あぁ……えーっと、これは山じゃないぞ」
「いや、山だろどう見ても」
「変な形してツルツルしてる山だよね?」
『うわぁ~……居るんだ、こんなのが』
俺達の目の前にあるのは山じゃなかった。
これは、生物の骨である。
俺達が立っている場所は崖の途中だが、目の前にあるのは間違いなく生物の骨だ。
最初変な形した山だなぁと思ってたけどあのツルツルした表面は、どう見ても骨その物である。
なっちゃんに上空から確かめてもらうとやはり生物と思われる骨だった。
『あの一番高い所が背骨の中心っぽい感じだったよ』
って事は、この生物は山とほぼ変わらないサイズという事だ。
生きていた頃に会えば確実に殺されてるな!
って、これはダンジョンのオブジェか。
焦った~。
「まあ、ダンジョンのオブジェとしては面白いな」
「確かに」
「こんな生物が居たら他の生物が全部食べられちゃうよ」
『ダンジョンって凄いね~』
俺達がそんな話をしていると、おっちゃんが一言。
『此処ってダンジョンじゃないだろ?』
止めて!! 聞きたくない!!
咄嗟に俺とユウと由奈は耳を塞いだ。
『周囲の魔力が洞窟に吸い込まれていってるぞ?』
ぐはっ!!
俺は四つん這いになり項垂れた。
そうだよ! 此処はダンジョンの中じゃないよ!
出た瞬間に気が付いたさ。
魔力が洞窟に吸収されているのなんて。
だがそれは何かの間違いだと思いたかった。
だって、ダンジョンじゃなけりゃ此処は『異世界』って事になるんだから!!
しかしちょっと待て。
確かにダンジョンから異世界に行けるとは分かっていたが、それは『最下層』からだろ!!
まだ『10階層』のダンジョンから何で異世界に行けるんだ?
もっと下りないといけ…………。
「あっ、そうか!!」
「何だ!?」
「どうしたの?」
『異世界かぁ』
俺は勝手にラノベ知識で『ダンジョンは深い』と思っていたけど、地球のダンジョンって出来てまだ『日が浅い』んだよな。
そういう場合は、大体が『最下層は浅い』んだったぁ!!
クソッ!! 俺とした事が何たる不覚!!
そんな事にも気が付かないとは……まあ、さっさと戻れば大丈夫か。
「なるほどなぁ……って事はやっぱ此処は異世界なのか?」
「へ~、此処が異世界なんだね」
「そんな事より、さっさと戻るぞ!」
俺達は来た道を戻る。
しかし……。
「なんでダンジョンに戻れないんだよ!?」
「この洞窟がダンジョンだからじゃね?」
「えっ、ここの最下層まで行かないといけないの?」
『此処のダンジョンはどれだけ深いんだろうねぇ』
そうだった……ダンジョンの『最下層』からじゃないと異世界に行けないんだった。
マジかぁ……此処って結構成長してるんじゃね?
どんだけ時間掛かるんだ?
いや、俺は不老だから良いけどさ。
由奈はどうなる?
戻る頃には三十路とかになってたら可哀想過ぎるだろ!
とりあえず世界の図書館で此処の事を調べないとな。
そして1時間後。
此処がとんでもない世界だという事が分かった。
この世界に『人は居ない』のが1番ヤバい。
いや、人は『居た』って言った方が正しいな。
既に人類が滅んで3千年以上は経っている。
そして滅んだ理由が魔物である。
ダンジョンから溢れた魔物と、魔力溜まりから生まれた魔物によって人類が滅んだ。
ダンジョンを放置した結果、人類は滅んだのだ。
あんなデカい魔物まで生まれりゃ、そりゃ滅びるよね! って話だ。
この世界の事が大体分かったので、俺達はダンジョンへと潜る事にした。
何処かに人が居れば商売しに行くんだけど、居ないんじゃしょうがない。
さっさと地球に戻りましょうかね。
こうして俺達の成長した異世界ダンジョン攻略が始まった。
読んで頂きありがとうございました。
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