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6 異世界への行き方。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告誠にありがとうございます。

通路を進んでいると前方にある右側の本屋から、黒いローブに全身を包みフードを被って顔が見えない者が出てきた。

俺達は足を止め観察する。



「あれは……魔物だな」

魔力が人とは違う。

魔物がこちらへ床を滑るようにスーッと向かってくる。

「ホラー要素が強いダンジョンだな」

「普通なら逃げる場面だなこれは」

「以前の私なら泣きながら逃げてるよ、警備員の時もね」

また仲間を呼ばれると面倒なので、俺がさっさと倒す事にした。



魔物はこちらに向かいながら自分の周囲に火の球を作り出した。

「魔法!?」

魔法を使う魔物は初めてだ。

しかし……。


俺は右手を前に出し掌を魔物に向けると魔術を発動させた。

するとその瞬間、魔物の周囲に魔法陣が展開し囲む。



エアロック!



これは囲った範囲を真空にする魔術である。

戦闘にも火事の時にも使える魔術だ。

死体を綺麗な状態で狩りたい時に使おうと思って神社ダンジョンで作った。



囲った中の空気が無くなり、魔物が展開した火の球は四散したが、魔物は何ともないようだ。

「普通の生物じゃないのか」

アンデッド系か?

酸素を必要としない魔物って事はラノベ知識によるとリッチ的な魔物か。


魔法陣が消えると魔物はこちらへと更に向かってきたので、俺は刀に魔力を流しながら抜き様に横一閃!


「GYUOOOOO~…………」

すると魔物は低い呻き声を上げながら魔石を残し、霧のように消えていった。


収納してリストで確認すると『アルトの魔石』となっていた。

もしかしてあの魔物はメスだったのか?

んなまさかね。

フードの中は真っ黒で顔は見えなかったし、って言うか顔があったのかさえ分からん。




その後、数体のアルトを倒しながら下層へと向かった。

4階層から6階層までは本屋が並ぶエリアで、7階層からはショッピングモールの3階へと出た。

ややこしいよね。


階段を降りるとモールの通路のようになっており、進むとモールにあるような吹き抜けになっていた。

「ゴーストタウンのモールみたいだな」

「スゲー静かだ」

「1階から外に出られるみたいだよ」

そう言って由奈が柵から下を覗いて指さす。


俺達も見ると確かに光が入ってきてる。

これはあのエントランスと同じ感じかな?

吹き抜けから見上げると青い空が広がっている。

地下駐車場ダンジョンの時も思ったが、これは頭が混乱するから止めてほしい。

一瞬地上に戻ってきたのかと思ってしまう。



階段を探して1階へと下り正面出入り口から外へと出ると、そこは地上と似た場所だが全然違う。


「あれも魔物なのか?」

ユウが『あれ』を見て聞いてくる。

「認めたくないが魔物だろうなぁ」

「もしかしてあれを狩るの?」

『止めた方が良いんじゃない?』

『あれは人間には無理だと思うよ?』

『洋介なら大丈夫だろ』

おっちゃんの俺に対する信頼は何処から来るの!?



モールを出た周辺は畑が広がっている場所で、遠方に高いビルや住宅街が見える。

しかし、その街の中にビル程ある足がえーっと……6本あって胴体の幅がビル4つ分程あり茶色い長い毛で覆われている。

顔は此処からじゃ分からないが、胴体や足、あのデカさからして頭は小さいように思える。


流石にあれは狩れないぞ。

いや、根源魔導を使えば行けるかもしれないが、魔力消費を考えると1発で仕留めないとこちらがやられる。

なので今は手を出さない方向で行く事に決めた。




死霊組に下りる階段を探してもらっている間、俺は世界の図書館で異世界への行き方を調べていた。

ユウと由奈は魔力制御の訓練中。


ん~……これは違うか。

ダンジョンから調べた方がいいかな?

異世界で調べるとパラレルワールドも含まれるから情報が多いのなんのって。

しかし、パラレルワールドがあるんだと知れた事にテンションが上がったのは言うまでもない。



そして1時間後。


「はぁ~、情報が多すぎる」

おかげでパラレルワールドへの行き方は分かってしまった。

世界の図書館によるとパラレルワールドはタイミングと自身の周波数? を合わせないと行けないらしい。

後は外からの要因で行ける事もあるとなっていた。

まあ、パラレルワールドは行かないので別にいいんだけどね。



すると目の前になっちゃんが現れる。

『見つけたよ~、あっちにあるビルの2階にあったぁ』

「ありがとね、随分疲れてるようだけど? 死霊だよな?」

『死霊でも疲れるの! まさか下りる階段が2階にあるとは思わないじゃん!』

まあ、確かに。

流石ダンジョン。



という訳で俺達は下層へと向かった。

7階層から9階層までは同じように地上周辺のようなエリアになっており、下りる階段もビルやコンビニのトイレだったりと色々だ。

毎回死霊組に探してもらい、俺はその都度世界の図書館で異世界の事を調べていた。

そして9階層の階段を調べてもらっている間、俺達はファミレスの中でドリンクバーで入れたジュースを飲みながらまったりしていた。



俺は世界の図書館で調べている最中だが、此処で驚く事が分かった。

それは、異世界は幾つもあるという事と異世界への行き方である。


行き方はやはりダンジョンから行けるようで、最下層まで行くと異世界へと繋がっている空間があるらしい。

しかし『ダンジョンによって繋がっている異世界は変わる』と言う事だ。

つまり、現在地球にある無数のダンジョンはその数と同じ異世界へと繋がっていると言う事だ。



異世界どんだけあるんだよ!?



しかもだ……繋がっている先の異世界が人が生きられる世界とは限らないと言う事。

行った瞬間に死ぬのだ。

恐ろし過ぎるだろ。


世界の図書館によると、地球より遥かに技術や科学が進んでいる世界もあると言うのだ。

まあ、そりゃそうだろうと思うが、その世界へ行ければ地球も発展するだろうな。

確実にこっちが侵略されそうだけど。



本当に色んな世界があるようで、いずれ行ってみたいと思う世界もあった。

俺の憧れファンタジーな世界だ!

空に浮いている島や、大きな魔物! は、今目の前にも居るけど!


7階層から9階層までずっと、あのデカい魔物しか居なかった。

あれ? 何の為にダンジョンに入ったんだっけ?

……あっ、身体を作るために魔物を狩りに来たんだった。

なのに素材になりそうな魔物と出会わないのは何故!?

もうあのデカい魔物を狩ってみるか?


いやいやいや、今の俺達には無理だな。

頑張れば行けなくもないが、今は頑張る時じゃない!!

良い感じの魔物に出会えると信じて進むしかないよね。




その後、2時間程して階段を発見し俺達は下りていく。

良い感じの魔物が居ますように~。

読んで頂きありがとうございました。

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