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4 警備員。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告誠にありがとうございます。

ダンジョンを探してもらうと、近くのショッピングモールがダンジョンになっていると言うのでそこへ皆で向かった。


ちなみに、今の所自衛隊のヘリが何処に行ったのかは分からない。

街中を歩いてきた所では見かけなかった。

人も全く居ないし何処に行ったのやら。




到着すると広い駐車場を見渡すが生物の影が全く無い。

ダンジョンに入る人は居ないのかな?


看板を見ると色々店が入ってるようだ。

100均まである。

中はどうなってるのかねぇ。

ワクワクしながら正面入り口から入ると、中は普通に荒らされている状態だった。


「あれ? 此処ってダンジョンだよな?」

『違う違う、此処の地下がダンジョンになってるんだよ』

なっちゃんがそう言う。

地下か。

では行きますか!





店内の左右に階段があるようで俺達は左側の階段へと向かうと、2階へ上がる階段と地下へ行く階段を発見。


「確かに下はダンジョンだねぇ」

周囲の魔力が吸われている。


下りるとレストラン等がある食事処の階層で、色んな食事専門店が通路の左右に並んでいた。

此処は既にダンジョン内のようだ。

ズラッと並んでいる店に全て電気が点いている。


「マジか、滅茶苦茶良い匂いまでしてくるんですけど」

「ダンジョンだから食い放題?」

「ダンジョンが作ってくれるのかな?」

そんな話をしながら通路を進んでいると、約100メートル前方にある交差点の右から警備員の服を着た人? が出てきた。



コツコツ革靴の音を立てながら歩いているそれは交差点の真ん中で立ち止まり、こちらへと振り向いた。


「キモッ!!」

見た瞬間俺は思わずそう言う。

「確かにあれは気持ち悪い」

「変な魔物しか居ないのかなぁ?」

『あんな魔物も居るんだね』

『はぁー、へんてこな生き物だねぇ』

『見た事無い魔物だな』

と、それぞれが口にする。



警備員の格好をした人ではなく魔物は、服以外は全て真っ黒でギョロリと白目に黒い瞳だけがある顔だった。

某名探偵のアニメに出てくる犯人さんや、龍の球のアニメに出てくる神殿に居るミスターのようでもある。

しかしこいつは目しかない。

体型もスラっとしているし目と服以外は真っ黒だ。

しかも常にギョロギョロ目が動いているのは本当に気持ち悪いぞ!!



一瞬カルマかと思ったがあいつらはメタリックだからな。

こんな真っ黒じゃないし目も無いはず。

新しい魔物か。

ホラーゲームに出てきそうな魔物だな。



警備員は首を傾げながら早歩きのように近づいてきた。


「よし、俺がやろう」

と、ユウが前に出た。

「油断するなよ」

「ああ、分かってる」

「パパ頑張って!」

すると警備員はいつの間にか手に黒い警棒を握っていた。

こいつも未来から来た系か!?



細長い手を振り上げ、鞭のように振り下ろしてきたのをユウは身体を反らし躱す。

「結構速いな」

ユウがそんな事を呟いた。


確かに鞭のように動く手先が速い。

しかし……。


ユウは軽く腰を落とし構えると、奴がまた振り下ろしてきた手をギリギリで躱し、1歩踏み込み懐に入ると奴の胸に右の拳を打ち込んだ。

ドゴッと鈍い音がすると奴は5メートル程吹っ飛び床に転がる。


すると、ホラー映画のようにヌルっと起き上がり傾げていた首を真っ直ぐに戻す。

「何だ?」

その瞬間、真っ黒で何も無かった口元が大きく口裂け女のように開き、奇声を発した。


「GYUAAAAAAAAA!!!!」

「うるせぇ!」

「何だこいつ!?」

「気持ち悪い声!!」

皆で耳を塞ぎ我慢していると、暫くして奴は静かになった。

口元はまた真っ黒に戻っている。



「なんちゅう攻撃だ」

「今のは効いた」

「超音波攻撃かな?」

いや、それなら音は聞こえないだろ。

すると今度は頭を傾げるように左右へカクカクと揺らし始めた。



「なあユウ」

「どうした?」

「あいつはさっさと片付けた方が良かったかもしれないぞ」

「どういう事?」

俺は顎で警備員が立っている通路の奥を指した。


「ゲッ、マジかよ」

「うわぁ……気持ちワル」

『早く逃げた方が良いんじゃない?』

『由奈ちゃんが危ないよあんた!』

『む、大丈夫だろ……洋介がおる』

おっちゃんの期待が重いんですけど!!



魔物が居る通路の先から、警備員の魔物が大量に走ってくるのが見えていた。

さっきのは仲間を呼ぶ声だったのかよ。

まあ、こうなりゃ仕方がないなぁ。


「今回は俺がやる」

そう言って今度は俺が前へと出た。


「すまんな、早く仕留めればこうはならなかったのによ」

「気にすんな。初めて会う魔物なんだから、特徴が分からなくて当たり前! 後は任せろ」

「今回は私でも無理そう……先生よろしくお願いします!」

「おう!!」

『ヨウ君が先生?』

コラそこ! 笑うな!




さて、今回は毎晩考えていた最強の根源魔導をお見舞いしてやろう!!

漫画やアニメなら此処でそれっぽい呪文を唱えるんだろうけど、あいにくと魔術も魔法も魔導も呪文は要らないのでサッとやっちゃいます。


魔力を右手に集めイメージすると掌を前に向け発動させる。



根源崩壊ルートコラプス!!



すると、掌からピンポン玉サイズの光の球がスッと静かに飛んでいく。

光の球は魔物の横を通り、通路を走ってきている魔物達の間を飛び、数体の魔物の身体を通り抜けていく。

最後の魔物を通り過ぎた所で俺は掌をグッと握り締める。


その瞬間、光の球は弾け飛び全ての魔物が同時に弾ける。

通路の壁や天井、床までも少し消し飛ぶが、直ぐに元に戻っていった。



「なんつう魔術を作ってんだよ」

ユウさんや、魔術じゃありませんよ。

「凄い……」

『あれは霊体にも効くよ!? コワッ!』

ああ、死霊でも消滅するだろうなぁ。

『はあー、ヨウ君凄いねぇ~』

『ほら、ワシの言った通り洋介がおれば大丈夫だろ?』

おっちゃんの信頼が凄いんですけど?



今回の根源魔導は形ある生物の根源を崩壊させる根源魔導である。

触れていない魔物が何故弾けたのか?

それは光の球の光に触れた生物を崩壊させるからだ。

放射線が効かない魔物にもこの光は効くだろ!


だいたい光の球から半径2メートル程の範囲で撃ったからこれで済んでるが、範囲を広げると核攻撃以上の兵器になる。

でもこの魔導、滅茶苦茶魔力を消費するので連発は不可能だ。


ちなみに今の1発で魔力を2万程使った。

範囲を広げればもっと消費する事になる。




前回のスタンピードを見た時から何か良い魔術を考えていたんだが、どうしても魔術や魔法だと威力と魔力のつり合いが取れなくてね。

そこで根源魔導を習得したのでじっくり考えて作ったのだ。

またあの時の様なスタンピードが起きた時の為に。



将来、他国への抑止力になるかもね。

核以上の兵器として。

俺はやらないけどな!!

読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 警備員さん、米花町にお住まいですね。
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