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25 生き方。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

おかげ様でモチベ上がりますっ!!

誤字脱字報告誠にありがとうございます。

お昼を食べ終わった俺と由奈は、さっそく探索へと出かけた。


ちなみに、ユウは一度も戻っていない。

あの野郎、死霊のくせに帰りが遅いとは何やってんだか。

もしや殺されたのか?

いや、既に死んでるか。




通路を見ると少し進んだ所に交差点があるのでそこまで行ってみる。

見通すが通路に魔物の姿は無い。


「先ずは右からマップを埋めていこうか」

「うん」

警戒しながら俺達は右へと進んだが、右の通路は暫く進むとT字路になっており、どちらも行き止まりだった。



直ぐに戻り次は左の通路を進むと右の壁に障子があったので開けてみた。


「あれは何だろうか?」

「ん~、犬?」

いや、犬にしては大きすぎると思うんだが?


障子を開けた中は、体育館程の広さがある畳が敷かれた部屋だった。

天井も10メートル程あって広い。

その中央に大きな獣が丸まって寝転がっている。

具体的な大きさは軽トラ程のサイズと言えば分かるかな?

一瞬遠近感が混乱した程だ。



きつね色をしているが、あれは……。

「狛犬?」

「狛犬って神社とかに飾られてるあの像だよね? 大きさも色も違うけど?」

いや、だってあの頭にあるフサフサの毛と眉毛のようなフサフサがどうしてもそう見えるんだよね。

此処神社だし。


俺達はそっと障子を閉めた。



いきなりあのサイズの魔物を由奈ちゃんに倒させるのは無理そうだったので、他の魔物を探す事にした。

通路を更に進んでいくと右へ行く通路が見えてくる。

そこで俺は魔力を感知した。


「あの角に魔物が居るから注意するように」

「はい」

俺が先に行ってどんな魔物か確認をする。



何だあれは……犬? ってさっきとは違う。

いや、犬とは何か違うな。

あっ! 耳が無いんだ!

なんて微妙に気持ち悪い魔物なんだ。

犬みたいな耳があれば可愛いかもしれなかったのに……残念。


サイズは柴犬等の普通サイズで頭が耳の無い犬っぽい。

しかし、鼻は小さく目が何と言うか、良く言えばつぶらな瞳? ハッキリ言うと小さい!

そう、微妙に小さい!

もう少し大きければ可愛いのに!



いや、今のは撤回する。

口を開けたら滅茶苦茶鋭い牙がびっしり並んでいた。

何でも噛み切れるような牙だな。

口もデカいし。

閉じてると犬みたいなのに開くとただの化け物だ。

見た所こいつに耳は無いみたいだが聞こえるのかな?

と、観察はそろそろ良いか。



見たままを教える。

「やってみる?」

「うん、レベル上げないといけないしね」

そう言って俺が作ってあげた1・5メートル程の長さで太さは3センチ程の木の棒を取り出す。

勿論付与してあるぞ。



最初、魔法使いだからマジカル・ステッキでも作ってやろうかと聞くと、それは恥ずかしいから普通の棒で良いと言われた。

魔女っ子が何を恥ずかしがる。

本当の魔女っ子なのに……流石にキラキラの杖はだめだったか。


頭がこぶのように大きくて段々細くなってる無骨な杖は、魔女になった時にあげようと思ってるのは内緒だ。




何かあればフォローすると言って由奈に倒させる。


「イメージと魔力制御をしっかりな」

俺の言葉に頷いて魔力制御を始めると、角から身体を出した。

すると、残念犬が由奈を見た瞬間。

「バウバウ!!」

鳴き声も微妙に犬みたいだな!?


大きな口を開けて向かってくる所を由奈が氷の槍を作って発射させると、奴の大きな口に見事刺さり絶命した。

見た目通りに弱い魔物で良かったわ~。



立ったまま固まってる由奈に声を掛ける。

「大丈夫か?」

もしかしたら、生き物を殺す事に罪悪感でも感じたのかな?


俺の言葉に振り向き答える。

「何か呆気ないですね、もっと激しい戦いを想像してたけど」

はは~ん、なるほど。

「由奈は近接戦闘がやりたいのかな?」

すると少し考え込んでから答えた。



「たぶんそうなのかな? 魔法で一方的に倒して終わりって何か……味気ない?」

「はは、それは正解でもあり間違いでもあるな」

魔物との戦闘は命懸けだ。

その戦いをより安全に倒せるならそれに越した事は無い。



しかし、由奈が感じた一方的に離れた場所から安全に倒すのが味気ないというのは、それもまた1つの『生き方』でもある。

「……という事だな」

「進藤さんのように?」

俺の?

俺が首を傾げていると由奈が言う。



「何処かでのんびり生きられるのに商人とか言って、旅をしてるのもその『生き方』の1つって事だよね?」

なるほど、由奈にはそう見えてるのか。


俺は腰に手を当て胸を張って答える。

「それは自分が将来、良い暮らしがしたいからな!」

「良い暮らし? って既にできるんじゃ?」

俺は人差し指を立て横に振って答える。


「チッチッチッ、一人で良い暮らしをするのは今でも出来るぞ? しかーし……それが楽しいかと言えばどうだろうな? 他の人達や街や国が無い所でボーっとしたり、やりたい事をやって暮して楽しいか? いずれ飽きが来ると俺は思うな、でも、街や国が復興すればそれだけ俺も『楽しくて良い暮らし』が出来るって事だ」

他の人が何か面白い物を開発するだろうし。



以前の俺なら何処かに籠って誰とも関わらず生きるのも楽しいと思うだろう。

今でも思う所はある。

だが、世の中がこうなって山波さんや他の人達と出会った事で俺は楽しいと感じたのだ。

こうなる前の世界だと感じた事が無い感覚。



たぶんだけど、自分の心に余裕が生まれたんだと思う。

最適化の影響もあるかもしれないけどね。



「っで由奈の事だけど、近接戦闘がやりたいなら武闘家か剣士とかになった方が良いぞ」

「ん~……、棒を使う職業って無いのかな?」

「棒かぁ~……今の所無いかな? 槍士ならあるけど」

「槍はいいや、棒を使う職業があればそれになりたい」

「それも1つの『生き方』だな……もし棒使いとかドロップしたら由奈にやるよ」

「やったー!」

棒を使いたいとはマニアックだな。



しかし、棒は継続戦闘にも有効だ。

殴ってよし突いてよしの優れ物。

俺の作った棒なら使いこなせば大抵の魔物は倒せるだろう。



何か棒を使う職業ってあるのか?

読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 新年あけましておめでとうございます。 棒を使う職業と言えば孫悟空。「伸びろ如意棒」…って職業とは違うか。
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