16 大噴火!
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忙しい日々ですがモチベ上がりますっ!!
火山噴火を目撃した俺達は、唖然としていた。
「富士山って活火山って習ったけど、本当に噴火するなんて」
そうだなぁ……っていやいやいや。
「待て待て富士山はあっちだぞ、向こうじゃない」
「あれ? じゃああれは?」
「……何だろうか? 新しい火山? ……んな訳無いか」
富士山とは逆の方向での噴火。
これは何が起こってるんだろうか。
それに見ていて違和感がある。
「噴煙が少ないな」
「あっ、テレビで見た時はもっとモワモワって出てましたよね」
火山の噴火じゃない?
まあ、あの辺りに火山なんて無かったんだが。
黒煙も出ていないし、普通の噴火じゃないのは間違いないようだ。
「見に行ってみるか」
「大丈夫かな?」
『俺が見てきてやろうか?』
「おう、そうだな……行け! 我が僕よってそれはもう良いか、頼んだ」
『よし、ちょっと待ってろ』
そう言ってユウがスーッと消えていった。
死霊に距離の概念は無いみたいだ。
既に溶岩は出ていないが、白煙がまだ晴れていないので眺めながらタバコを吸う。
「何かとんでもない物が出てきてたりして」
「とんでもない物って?」
「ん~……ドラゴンとか?」
「それって……核爆弾って効くのかな?」
ふむ、核爆弾か人類最強兵器…………マジか。
世界の図書館にある知識によると、魔物は放射線が効かないらしい。
なので核攻撃は効かない事になる。
核による爆発でも、魔力が干渉(この場合、魔物自体が持っている魔力の事)して殆ど効かないとの事。
魔物を傷つけるにはやはり魔力が無いと、効率が悪いみたいだ。
細かく言えば、細胞を魔力が覆っているので、放射線による細胞遺伝子の破壊が不可能との事。
魔力スゲー。
ん? って事は、現在の人間も効かない?
あれ? もしかして現在の人間って魔力がある事で寿命が延びるんじゃね?
まあ、そんな細かい事は良いか。
のんびりそんな話をしているとユウが突然目の前に現れた。
『しっかり見てきたぞ』
「………………」
「………………で? 内容は?」
『おい、労いとか無いのかよ!?』
「あっ、それを待ってたのか、ご苦労さん」
「パパお帰りー」
『教えるのやめようかな~』
面倒臭い死霊だな!!
ユウの話によると、群馬にある一部の山が無くなり大きな穴が空いていたそうだ。
「穴ねぇ…‥ドラゴンは?」
フラグを気にする俺。
『そんな物は全く居なかったな、生物の気配が全く無かった』
あの街がダンジョンになってるのと似てるな。
「もしかして、ダンジョンか?」
『ああ、たぶんあれはダンジョンだな』
「あれ? 中に入ってないのか?」
『あんな不気味な穴に入るか!』
死霊だろお前。
俺達はその穴を見てみる事にし、1日かけてその穴が見える場所までやってきた。
田舎にある古い民家に泊まらせてもらい、勿論人は居なかったぞ。
朝から一番近い山の頂上へやって来た俺達は、その景色を見て固まっていた。
穴の反対側を見ると、かなり遠くに見える。
いったいどれ程の大きさなのか、空から見ないと分からない程だ。
そして穴の底は全く見えない。
ゴクッと唾を飲み込む音が聞こえた。
「これは……ダンジョン、なのか? 下りられそうな所は見当たらないが」
「下りたら戻ってこられなさそう」
『あっ、降りる場所みたいな所は見つけてあるぞ』
「マジか」
ユウがそう言うので、ユウの案内でその場所へと向かう。
山の中を進んでいると偶にゾンビが出てくる。
この辺りじゃ、倒す人も居なかっただろうと思いながら由奈が始末していくのを見ていた。
暫く進むと大きな穴の縁へと到着した。
「何処にあるんだよ?」
キョロキョロとしながらユウに聞く。
『ほらあそこ』
そう言って指す方へ視線を向けると、穴の縁に祠のような物を発見。
「なんだあれ?」
近付いてみると岩で出来た祠のようで結構大きい。
扉とかは無く、ただ大きな祠が口を開けて佇んでいるだけだった。
中に入ってみるが、奥行きと幅は5メートル程しかなく、中はただの空洞になっているだけで特に変わった所は無い。
いや、こんな祠がある時点で変わってるんだけどね。
「何もないね」
『ここから降りられると思ったんだけどなぁ』
ん?
「どうしてそう思った?」
『えっ、そんな怒るなよ~』
「いやいや、怒ってるんじゃなくて、ユウが降りられると思った根拠だ、何か感じたんじゃないか?」
すると腕を組んで考え込む。
シュールな死霊だな。
暫くして何か思い当たったのか、顔を上げた。
『幽霊だからなのかは分からないが、本質みたいな物が分かるんだよ何となく』
本質……つまりこの祠はただの祠じゃないって事だな。
しかし、その本質を見抜くためにはどうすれば良いのか……。
俺は何となく地面に手を突いて魔力を流してみた。
すると地面に3メートル程ある魔法陣が現れる。
「うわ! 魔法陣?」
『何だ?』
これはもしや……。
「転移魔法陣?」
ゲームの転移トラップが頭に浮かんだ。
「転移って移動する転移って事?」
『おお! ゲームにあったなそんなトラップ』
ユウも覚えていたか。
しかし、俺達は魔法陣に乗っているが発動しない。
まだ何か条件みたいなのがあるのか?
それとも資格?
レベルが足らないとかかも?
ゲームじゃよくある事だ。
これは現実だけどね。
他にあるとしたら……。
「人数か」
ん?
………………。
この世界の図書館ってまだ使いこなせていないようで、欲しい知識を引き出すのに時間がかかる。
これは賢者になった時に繋がった物だが、頭の中に大量の引き出しがあるようなそんな感覚で、欲しい知識の引き出しを探すのに時間が掛かってしまう。
しかも、あまり長い事向き合っていると頭が割れそうな程痛くなるんだよね。
これでもレベルが上がって知力が上がった御かげで、此処まで使えてるんだが、もっと知力が必要だな。
アホじゃないよ?
違うからね?
そして引き出した知識から現状が分かった。
「どうやらこれは、まだ閉鎖中らしい」
「閉鎖中?」
『営業時間外?』
俺も世界の図書館からの知識で分かった事は、此処を通れるようになるにはまだ数年かかるらしい。
なら、通れるようになってから姿を現せや!! と言いたい。
この日『世界に最大級ダンジョンが同時に2つ現れた日』となった事を知るのは、もう少し先の話である。
自分の小説を読んで頂きありがとうございます。




