7 時の流れ。
評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございます!
寒い……ですがモチベは上がりますっ!!
何とか書き上がりました!
俺は今、地下駐車場へと到着した。
此処まで戻ってくるのにどれくらい掛かったか?
ふっ、それは『数分』だ。
別に何もズルはしてないぞ?
勿論転移なんて都合の良い物なんて無い。
ではどうやって帰ってきたのかというと。
『エレベーターで昇ってきました』
という事です。
どういう事かと言うとですね。
帰ろうとエントランスを進んでいくと、なんと! 最初のエントランスにあるエレベーターが起動していたのです!!
いやぁ、これは直ぐに乗り込みましたよ。
あの部屋の連続と廊下を何処まで飛び越せるのかとワクワクしながら待ってると、チンッという音と共に扉が開くとですね、なんということでしょう……そこには地下駐車場が広がっているではありませんか。
ってな具合だ。
それで今俺は、地下駐車場に居るって事だな。
マジで有難いエレベーター!
行きも欲しかったぞ!
スロープを登って外に出ると、1年半前に入った頃と殆ど変わっていなかった。
この辺りは弄ってないのかもしれない。
そして大学に到着すると、なんと結界がまだ残っていた!
スゲーな俺の結界。
流石オレ。
気分良く中に入り会議室へと向かう途中、大学内を見回して違和感を覚えた。
まあ気のせいだろうと進み、会議室へ到着!
すると山波さんが丁度風間さんと奥で話していた。
「すみません遅くなりまして」
そう言って近づいて行くと、山波さんが目を見開いて直ぐに立ち上がり口を開いた。
「進藤さん!? 何処に行ってたんですか『2週間』も!? 遅くなるなら言って下さいよ、みんな心配したんですから」
そう言う山波さんの言葉に俺の頭は真っ白になった。
立ち止まって固まっていた俺に山波さんが続けて話す。
「ダンジョンを調べるって言ってましたが、どうでした? ……進藤さん?」
あれ? 何かちょっと頭が痛くなってきたぞ?
このまま気絶しても良いですか?
って、どういう事!?
「えーっと、今山波さん何て言いました?」
俺の問にキョトンとする山波さん。
「ん? ダンジョンを調べるって言ってましたって所ですか?」
「いえ、その前です」
「遅くなるなら言って下さいですか?」
俺は首を横に振って口を開いた。
「俺がダンジョンに行って『まだ2週間』しか経っていないんですか?」
俺の言葉に何かを感じたのか、山波さんの表情が真剣になった。
「それはいったいどういう意味の『まだ』ですか? 進藤さんにはもっと時間が過ぎている……という事ですか?」
俺は頷いてから答える。
「俺は先程まで、ダンジョンのえーっと、地下駐車場が1階層だから…………8階層に1年半籠ってましたよ」
「8層まで行った!? しかも1年半!?」
「それは本当かい?」
風間さんの言葉に頷きだけで答える。
どういう事だ?
ダンジョンの中と外では時間の流れが違う?
ん~、俺のラノベ知識にもそんなダンジョンって、あったような無かったような。
ん? いやいやいやいや、ちょっと待て。
デパートダンジョンでは同じ2月だったよな!?
えっ、ダンジョンによって変わるのか?
それとも……。
『潜る深さで時間の流れが変わる』って事か?
ヤバくね?
それは人にとって、良くもあれば悪くもある。
地上で時間が無い時は深く潜れば、地球の時間はそんなに進まないって事だよな。
しかし、人の寿命……年齢に他の人と差が生まれる事になる。
まあ、人によるか。
これは今後、ダンジョン攻略には持ってこいだけどな。
何故かって?
地球での時間がそんなに進まなくても、下手したら地上での1月で最下層まで行って攻略できるかもしれないって事だ。
ダンジョンが何処まで深いのかは知らないが。
ただし、潜った人が出てきた時には爺さんになってる可能性があるけどね。
なるほど、大学に入って感じた違和感は間違っていなかったのか。
ダンジョンに入った頃と大して変わっていない事に違和感があったのだ。
これで納得。
「それも気になりますが、それより進藤さんはあの声を聞きましたか? 賢者がどうって奴です」
ビクッ!
他の人にも聞こえてた――――――!!!
ここは平静を装って答えないと。
「えーっと……聞こえてましたよ? あの賢者が(ボソッ)、どうのこうので『魔力が星に100%浸透した』って奴でしょ? あれはどういう事なんですかねぇ~、ダンジョンに籠ってたのでよく分かりませんが、何か変化はありましたか? それともまだ何も変わってません?」
グッ、いつも以上に喋ってしまった。
山波さんの巧妙な罠だ! (違います)
すると山波さんの目が細目になり無言でジーっと見てくる。
怪しまれてる?
風間さんは後ろではぁ~とため息を吐いて呆れている。
チッキショー! 流石警部と自衛官だな、良く見抜いた!!
そうだよ、俺がやったんだよ!
「進藤さん」
「はい?」
何故だろう、快適な服を着てるのに変な汗が出てくる。
「貴方が賢者になったんですね?」
此処で隠して後でバレると、商人としての信用にも関わってくるな……仕方ない。
「そうです、私が賢者です」
誤魔化せないかと変なおじさん風に言ってみる。
「はぁ~、まあそれはいずれ起こる事かもしれないので良いんですが……生物の進化というのは流せませんね流石に……」
おっ? 責められていない?
そうだよな、俺がやらなくてもいずれ誰かが賢者か他のハイジョブになるだろうし、特に問題は無!
丸まっていた背中が伸びて胸を張る!
「あっ、生物の進化は滅多に起こりませんよ、強い個体が他の生物を喰らってレベルが上がった際に、特定のスキルを持っている魔物が進化を果たします」
って、俺は何故そんな事を知ってるんだ?
「そうなんですか?」
当たり前のように今話したがそんな知識……あっ、賢者の証に付与されていた、世界の図書館かぁ!
え~、ラノベみたいに可愛い女性の声で受け答えしてくれるんじゃなかったのかよ。
俺はエレベーターに乗る前から、ナビゲーターちゃんが受け答えしてくれるスキルだと思って色々話しかけたが、うんともすんとも言わなかった。
なので何か条件があるのかと思っていたのに……常に俺自身が繋がってそこから知識を引き出してるようだ。
今ので分かった。
ナビちゃん系が欲しかった切実に!!
ぼっちの話し相手には持ってこいだもんなぁ。
ま、仕方がない諦めるか。
ん? 今ふと思ったが、何故剣豪になった時はあの声が聞こえなかったんだろう? 剣豪もハイジョブだったよ?
やっぱり賢者ってのがキーになってたのかねぇ?
って、その辺の知識は引き出せないのかよ、肝心な所で!
いや、別に肝心な事じゃないか、答えは出てるもんな。
賢者が切っ掛けだという事が。
条件を達成した人に残った賢者の証を売ってやろう。
そしてそいつに全てを託す!
よし、完璧な計画だ。
そこで山波さんの職業の進み具合を聞くと……。
「任せて下さい、昨日5%に到達しましたよ」
おそっ!!!




