6 賢者のせい?
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指が冷たすぎて動きませんがモチベ上がりますっ!!
エントランスに住み始めて約1年半経過した頃。
この街はやっぱりダンジョンだった。
まあ、そりゃそうだよね。
どうして分かったかと言うと、ゴブリンが0時にリポップしたからである。
それからというもの1年半の間俺は、午前中は周辺にリポップしたゴブリンを狩るという事がルーティンになっていた。
そして俺は今、半壊したビルの屋上でゴブリンを仕留め終わった所だ。
「ふぅ~、帰るか」
ドロップアイテムを収納しそのまま屋上から飛び降りた。
ヒュー……スタッと綺麗に道路へ着地すると、軽快に走ってエントランスへと帰る。
本来約50メートル程もある高さから落ちれば足が折れるだろうが、魔術ではなく魔法で自分の身体を地面の直前で軽くしていたので静かに降りる事が出来た。
すっかり我が家となったエントランスの一部は、ソファやベッドなどが置かれており、とても住みやすくなっております。
いやぁ、やっぱり変化って欲しいじゃん?
街中から持ってきた家具を設置し、模様替え等をして楽しんでいました。
ドサッと大きなバックパックをソファの前に置いてソファに座る。
このバックパックも今まで使っていたサバゲー用バックパックとは違い一回りサイズがでかくなっている。
まあ、見た目はサバゲー用バックパックと殆ど一緒だが、1からの自作である。
勿論クラフトで作った。
しかしその素材は普通ではない。
このバックパックに使われている素材はなんと、魔物素材である。
魔導具知識で魔物素材の存在は知っていたが、倒すと暫くして黒い粒子になって消えるので今まで手に入れる事は出来なかったんだが倒して直ぐに魔石を取り出すと死体が残る事を発見した。
そこで、死体全体をクラフトで素材に分けると、使用可能な素材が手に入る事が分かったのだ。
本当なら解体とかするんだろうけど、やり方知らないのでこの方法で手に入れました。
そしてバックパックに使われている素材は、見る者に不快感しか与えない見た目、軽自動車程ある芋虫の魔物だ。
こいつの皮は弾力があり伸縮性もあって水も弾くし、耐久性も地球産のどの皮よりもあるという事で、こういう皮を使った製品に向いている事が分かったので使用している。
御かげで容量も300メートル四方の空間で東京ドームがすっぽり入るサイズになった。
「やっとか……」
何がやっとなのかと言うと、僧侶がこれから100%になる所なのだ!
そう……遂に…遂に俺は賢者へとなる時が来た!!
長かった、実に長かった……色々あったなぁ。
ゴブリンに囲まれて死にかけた事もあった。
特殊個体みたいな魔物からの逃走劇も良い思い出だ。
この1年半でマスターした職業は全部は無理だったが、僧侶を入れると14種の職業をマスターした。
それがこれだ!
魔法使い
料理人
鍛冶師
薬師
暗殺者
商人
幻術士
運び屋
剣士
剣豪
魔物使い
錬金術師
死霊術士
今から僧侶。
僧侶が中々出なくて帰ろうかと思ったら出てくるあれ。
その前が剣豪で直ぐに100%に頑張ってやりましたよ。
しかし、これだけ職業をマスターして気が付いた事があった。
それは職業の%を上げる効率が、職業によって全然違う事だ。
最初の魔法使いは魔力1で2パーセント増えたのに、剣士は魔力1で0・4だった。
なので毎回転職するたびに、魔力制御の訓練もやって効率を良くしてたのだ。
そのおかげで時間が掛かった。
ちなみに僧侶は魔力1で0・001だったよ最初はね。
今は魔力1で0・8まで来てます。
とりあえずさっさと念願の賢者になりましょうかね!
先ずは僧侶を100%にしてと………………よし。
賢者の証を取り出し、握って使うと念じる。
すると光になって俺に入ってきた。
その瞬間。
『賢者が現れた事を確認しました。 続けて世界の図書館へと接続します』
あの時、頭の中に響いてきた声がまた聞こえてきた。
『ハイジョブが世界へ出現した事により、世界の繋がりがより強くなった事を確認しました。 これにより、地上と星内部への魔力浸透が100%になりました。それに伴い生物の進化が可能となりました』
ん?
自分の血の気が引いていくのが分かった。
もしかして俺のせい?
俺以外の誰かが同じタイミングで賢者になったんだなきっと…………ああそうだよ俺だよ!!
何だよ今の声!?
ってか内容!!
めっちゃ不吉な事言ってたよな!?
星の内部に魔力が浸透って何が起こるんだ!?
それに何だよ生物の進化って!!!
生物の進化は長い年月をかけてするもんだろ!!
それを可能になりましたって……いや待て、可能になったのは魔力による進化って事でつまり、長い年月をかけて魔力に晒される事で新たな進化をするって事だよな。
何だぁ~良かった。
今直ぐどうのこうのって訳じゃなくて。
じゃないと急激に変わると生態系が狂うじゃん? って事だしな。
未来がどうなるかは分からないが、それは自然の成り行きとして受け入れてくれ、子孫達よ!
「あれ? もしかして魔物も?」
ヤバくね? ラノベ知識だと、魔物の進化は条件が揃えば早いってのがテンプレだ。
地上の魔物が進化すれば……人類は勝てるのか?
…………やめた、考えるのやーめた!
……スキルを確認したら直ぐに地上へ戻ろう。
魔物が進化してたらヤバいし。
そうだ、あのスタンピードで南へ向かっていった魔物達はまだ残ってるんだよな。
残ってるってのは、別に陸地にって訳じゃない。
あの屋上から見てた時、魔物が海へと入っていくのをちゃんと見た。
そう言えば海に魔物は居るのかな? って思ったのを覚えている。
そして魔物はその後も海から戻っていない……1匹も。
何処へ向かったのか……って、今考えてもしょうがないか。
はぁ~……そう言えば今の声は俺にしか聞こえていないのか?
それなら俺が賢者と知られても責められる事も無いだろう。
これも地上に戻ってから確かめないと、聞こえていたら賢者だという事は黙って過ごさないと。
うん、それが良い。
とりあえず今のステータスを見てみるか。
今回 前回
名前:進藤洋介
年齢:37歳
種族:人間
状態:普通
職業:賢者▽
レベル:51 レベル:30
魔力:28270 魔力:8750
筋力:281 筋力:156
体力:269 体力:144
敏捷:276 敏捷:131
知力:312 知力:161
精神力:308 精神力:175
運:56 運:35
ユニークスキル:【想像生産】【最適化】
スキル:【暗視】【刀術】【魔力感知】【魔力制御】
【魔術】【魔法陣】【魔道具知識】【武術】
【気功】【瞑想】【自己回復】【魔法】
【魔力強化】【魔法耐性】【調理】【促進】
【醸造】【鍛冶】【形状記憶】【品質強化】
【調合】【薬効強化】【成分鑑定】【暗殺術】
【毒作成】【死点】【交渉術】【真贋】
【保管庫】【幻術】【投影】【幻無効】
【アイテムボックス】【天気予知】【道筋看破】【剣術】
【剛腕】【見切り】【剛剣】【闘気】
【縮地】【予知】【テイム】【共感】
【念話】【錬金術】【素材鑑定】【魔力変換】
【死霊術】【手術】【死霊感知】【治療】
【補助】【診察】【根源魔導】【魔導書】
【魔力操作】【不老】
スキルが増えたなぁ。
魔力操作は魔力制御とは別物らしい。
スキルからの情報では身体から離れてる魔力、つまり空間にある魔力のコントロールが出来るようになるそうだ。
それにしても…………最後に地球にあってはならないモノがあるぞ。
えっ、賢者ってそういう存在なの?(どういう存在?)
永遠に生きる事になるの俺?
いや落ち着け~……不老であって『不死』ではないからセーフ!!
永遠に一人で生きるなんて! ……まあ、ぼっちには慣れているから問題無いし余裕だが。
不老かぁ~、綺麗なエルフちゃん居ないかなぁ。
そう言えば進化するって言ってたな。
今後誰かがエルフに進化するかも?
…………無いか。
ずーっと未来の話だな、って不老じゃん!
未来でエルフちゃんに会えるかも!?
あっ、何か元気出てきた。
どうなって行くのか……自分も楽しみです。




