4 ゴブリン?
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おかげ様でモチベが上がりますっ!!
日本に似た街中に居るのは大人のゴブリン?
あれはおそらく上位種って奴かもな。
今の所あいつ一匹だし、とりあえず戦ってみるか。
それにしても、やっとファンタジーな魔物が出てきたと思ったら、滅茶苦茶厳つい。
コレジャナイ感が凄い。
やっぱ漫画やラノベと違って、現実の魔物は迫力がある。
まあ、ゴブリンだし大丈夫かな。
上位種だから油断はできないが。
ゴブリンの視界に入る様に俺は建物の陰から出た。
「グギャ?」
もっと高い声かと思ったら結構低いのね。
ニヤッと大きな口を歪ませる。
下卑た笑みだなぁ。
本当にあんな顔するんだ。
正面から行ったのは、強さを測るためである。
するとゴブリンが腰を落とすと、物凄い速さでこちらに迫ってきた。
拳を振り上げ打ち込んでくる。
はえぇな!?
後ろ足を引いて左手を添え拳を逸らす。
武術の訓練をしていなければ確実に喰らっていたぞ!?
すると拳がピタッと止まり、続けて左の拳が迫ってきた。
あの勢いで打ち込んだ体勢で拳を止めて左を打ってくるって、どんな身体能力してんだよ!
俺から見て左側にゴブリンの横へ入り込み、腹に拳を打ち込んだ。
「グウゥギ!?」
ゴブリンは少し後退した。
って、滅茶苦茶硬ぇ!
気を送ったのに殆ど入らなかった。
それでも少しは効いたようで、顔を歪ませてる。
その隙に後ろへ跳んで離れた。
これはマズいな。
全力でやって勝てるか微妙なラインだ。
ゴブリンに隙ができたので魔術を撃ちこんでみる。
右手を前に出して魔法陣を展開した。
雷槍!
バチッと雷の槍が音速を超えた速さで打ち出されると、ゴブリンの胸に突き刺さり全身に電気が走る。
「ギャギィ……」
マジか、これで死なないってどんだけ強いんだよ。
電気で麻痺して動けないゴブリンに俺は踏み込んで、続けて抜刀術で斬り上げる、ゴブリンの身体から紫色の体液が僅かに飛び散る。
あれで切断できないって、どんだけ硬いんですか?
これはマジでヤバいぞ?
撤退を考えないといけない相手だ。
するとゴブリンは怒りの形相になり、先ほどよりも早く突っ込んできて膝蹴りを繰り出してきた。
大きな膝が迫ってくる中、俺は腕をクロスにして受け止めながら後ろへと飛んだ。
あれは自分で勢いを殺さないとバラバラにされそうだ。
いや、腕も折れて身体に穴が空いてたかも……。
しかし何とも不思議だ。
こんな街中で滅茶苦茶強いゴブリン? と戦って、負けるかもしれないってのに、なんだろうな? 物凄く楽しいっていうのか、身体の奥底から熱い物が込み上げてくる。
たぶん外から見たら今の俺は笑ってるかも。
俺はバックパックを卸し地面に置いた。
身体を解し首を捻ってゴキッと鳴らす。
「ワレ強いやんけ、俺も久々に本気で行くで」
自分の足元に魔法陣を展開させると、すぐさま発動させる。
身体強化魔術。
ブワッと身体から熱が周囲へと広がる。
これをやると全身筋肉痛と暫く高熱が続く所が難点だが、効果は普段の身体能力の2倍だ。
地面を蹴りゴブリンへと突っ込む。
蹴った地面は陥没している。
スキルにより80年以上武術をやってる技術を存分に味わえや!
ゴブリンは俺に合わせて拳を打ち込んできたが俺は途中で一瞬止まり、拳を見送ると懐に入り込んで、人間で言う全身の急所を滅多打ちにしてやる。
全部の気を送ったる!!
攻撃の途中でゴブリンは偶に拳を打ち込んでくるが、その拳さえも殴って蹴って壊していく。
「うぉおらぁああああああ!!!!! 死に晒せやぁああああ!!!!」
すると、いつの間にか俺の拳が空を切る。
ブンッ……あれ?
気が付くとゴブリンは既に肉片となっていた。
そこで魔術を解いた。
全身がビキビキと悲鳴を上げる。
「ぐあっ……はあ、はあ……マジで強すぎ」
まだ出てきて良い魔物じゃないわ。
ドロップアイテムを拾ってゆっくりとバックパックのもとへ行き収納してから背負うと、マンションのエントランスへと戻った。
どうしてポーションを使わないのかって?
使えば治るが、強くはなれないので飲まないのです。
これはデパートダンジョンで気が付いた事だが、筋トレをすればステータスの筋力は上がる。
そこで、ラノベで読んだポーションを使っての筋トレをすれば、直ぐにムキムキになれるんじゃね? と思い試すと、結果は筋力が上がらなかったのだ。
おそらく、俺のポーションは自己治癒力を高めるんじゃなくて、魔力や魔法力で傷を治しているんだろう。
なので、本来自己治癒をして更に太い筋肉になるはずが、ポーションを使えば魔力か魔法で治すので強くなれない。
こんな痛い思いをしてるのに、それを無駄にするのは勿体ないよね!
緊急なら飲むけど。
身体強化魔術は火属性と水属性、そして無属性で組んである。
火で体温を上げて水で無理やり血の流れを速くする。
無属性で血管や身体を覆って強化する。
なら無属性だけでいいじゃん? て思うだろうが、最初は俺もそうしてた。
しかしそれでは、強化しても精々1、3倍程度にしかならない。
そこから改良して今の形になったのだ。
強化率2倍。
この数字がどれだけ凄い事か、普通の人が聞けば分かるだろう。
いや、界〇拳とかみたいに10倍とかやったら、身体が弾けてしまうからな。
現実は厳しいんだよ。
こうやって使っていけばその内、更に強化率を上げても弾けない身体になっていくだろう。
しかしもっと効率の良い強化魔術を考えてみるか。
以前、強化率3倍までやった時は腕が弾けたからな。
中級ヒールポーションを使うはめになったのは良い思い出?
俺は暫くエントランスで休む事にして、結界石を出入り口に置いて魔物が入ってこられないようにした。
寝袋を取り出し床に敷くと、牛肉の赤身の焼き肉を作ってかぶりつき、クリーン魔術で全身を綺麗にすると、一服もせずにそのまま眠りに入った。
どれだけ寝ていたのか、寝る前にスマホを見ていないので分からないが、身体は軽くなり、頭もスッキリしている。
レベル上がったのかな? と思い久しぶりにステータスを確認した。
名前:進藤洋介
年齢:36歳
種族:人間
状態:普通
職業:武闘家95%▽
レベル:30
魔力:8750
筋力:156
体力:144
敏捷:131
知力:161
精神力:175
運:35
ユニークスキル:【想像生産】【最適化】
スキル:【暗視】【刀術】【魔力感知】【魔力制御】
【魔術】【魔法陣】【魔道具知識】【武術】
【気功】【瞑想】【自己回復】
「は?」
ゴブリン一体でレベル4も上がったのか?
マジで?
自己回復なんてスキルまで覚えてるし。
やっぱり普通のゴブリンじゃなかったのか。
俺はリストを確認して気絶しそうになった。
『ゴブリンの魔石』
そう、あれは普通のゴブリンだったのだ。
今日はこれで投稿は終わりです!




