3 ダンジョンの外?
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おかげ様でモチベが上がりますっ!!
マップ魔術が高性能になり1日は切れないようになった事で、探索は順調に進んだ。
あれから2階層降りたが、全く同じ風景。
レベルが上がって精神力が上がってる今だから良かったが、以前の俺なら確実に発狂している事間違いなしだな。
永遠と思える風景が変わらない中を歩くのは応える。
そして今、新たに下へ降りる階段の前で休憩中だ。
食後の一服をしながら階段を見る。
明らかに今までの階段とは違う。
なんて言うのか……一軒家の2階へ上がる階段みたいな?
新築の家に付いている階段みたいで、綺麗な木製だ。
しかも今までより狭い。
いい加減魔物が出てきてほしいんだが?
証が出るのか確認したいんだけど?
次で魔物が出なけりゃ一旦外に戻るか。
休憩が終わり出発する。
長い階段を降りていくとそこは……。
「何じゃこりゃ」
ダンジョンさん? 一体どうなってんの?
そこは、マンションの部屋だった。
しかも家具や服等が置かれている。
今まで誰かが生活していたかのような雰囲気だ。
実際壁のコルクボードに写真まで飾られている。
知らない女が友達と楽しそうに撮った写真だろう。
「まさか……」
棚の引き出しを開けるとそこには……なんということでしょう、可愛らしい下着がびっしりって何じゃこりゃー!!
えっ? 本当にここダンジョンだよな?
いつの間にか誰かの家にお邪魔した?
やべー……こりゃ頭が混乱するぞ。
ん?
「あぁ、確かにダンジョンだな」
窓の外が真っ暗で何も無い?
窓を開けて手を出してみるが、そこには何も無い。
ゴクッと唾を飲み込む。
この暗闇に底知れない恐怖を感じる。
もしここから出たらどうなるのか……別の世界に行くのかそれとも死ぬのか、ただ闇を彷徨う事になるのかと、色々考えてしまう。
直ぐに窓を閉めた。
玉ヒュンするわ!
せめて街並みの写真ぐらい張り付けとけよなぁ。
気が利かないダンジョンだ。
役に立ちそうな物は無さそうなので部屋から廊下に出ると、玄関とは逆の突き当りにそれは立っていた。
大きな頭? 肉の塊に目や口が大量に付いていて、身体は幾つもの身体が引っ付いたように太く、腕も皮膚がダルダルになって太くなっている。
足も同じだ。
そして全身肌色。
滅茶苦茶萎えるわぁ~。
これは萎えるわぁ~。
既に魔物じゃなくクリーチャーと呼べる代物だ。
いや、薄々感じてたよ?
俺の求めるファンタジーな魔物が居ないって事にさ。
可愛い角を生やしたウサギの魔物とか、実際に見れると思ってたけどさ。
あまり考えないようにしてたんだよ。
ファンタジーの魔物は居ないんじゃないかってさ。
それなのに……ファンタジーってなんだっけ?
って聞きたくなるような魔物ばかり出てきやがって!
ああ、やってやるさ。
やってやるとも!
お前ら全部ぶっ殺してやろうじゃねぇか!!
「気持ち悪ぃんだよ!!」
そう言ってステップで踏み込み、拳を打ち込んだ。
「はぁ~……何か嫌になる」
今の世界に変わって前よりは好きになれたけど……凄いモヤモヤする。
その後、この家の中には後3体同じ魔物が居たので、2体はボコボコに殴って発散し、最後の1体は斬り刻んで発散した事で落ち着いた。
ちなみに証を2つ落としたよ。
って、それがメインだった。
落とした証は……。
「マジか!?」
『賢者の証』
『剣豪の証』
後で確認しようととりあえず収納した証が、ゲームでは上位職にあたる賢者と剣豪とは思わなかった。
「あれ? 基本職は?」
元々基本職を集めるために来たのに、飛び越えちゃったぞ?
そう言えば犬みたいな魔物が落としたって言ってたから、また戻らないといけない?
って言うか、犬みたいな奴出てこなかったけど?
ん~……どうなってんの?
もしやこれがボーナスタイムが終わった影響か?
いやいや、上位職が出てるからそれは無いか……たぶん。
もうちょっと探索してみるか。
上位職も集めたいし。
その後、部屋の中を進んでいくと、また別の家の部屋へと出る事を繰り返していく事、実に1週間。
ちなみに玄関は開かなかったよ。
そして、とうとう景色が変わった。
部屋を進み、階段を下りてひたすら進んできたがようやく部屋が終わった。
「ここは、エントランスか?」
見た感じマンションのエントランスだ。
エレベーターもある。
本来外に出るはずの正面玄関? の場所が壁になっていたので別の道を進むとそれは姿を現した。
「えっ…………外?」
おいおいおいおい、ちょっと待て!
どういう事だよ!?
何で目の前にスカイツリーがあるんだ!?
エントランスを進んでいると光が入り込むエントランスに出て、進むとそこは日本の街並みがあった。
まさか、これもダンジョンの仕業?
空を見ると雲っているので辺りは薄暗い。
しかも街は半壊している状態だ。
マジで頭が混乱する。
空気感は知ってる日本だ。
今の所、此処がダンジョンの中なのか、それとも別の日本なのかは分からない。
人の気配はしないが魔力はいくつか感知している。
これは魔物だろう。
建物沿いを歩き反応がある方へと向かう。
どんな魔物が居るのかちゃんと確認しないとな。
道路には壊れた車や瓦礫が散乱している。
スタンピードがあった地上と似ているな。
建物の陰からそっと覗き込むとそこに、あいつは立っていた。
「えぇ~……そうくるかぁ」
道路の先に居たのは、身長2メートル程ある筋骨隆々な身体で人型。
全身緑色の頭が人間の2~3倍はある大きさで、大きな目をギョロリとさせて辺りを警戒しているようだ。
鼻は大きな鷲鼻で口からは大きな2本の牙を生やしている。
あれってゴブリンじゃね?
やっと馴染みのある魔物? が出て来ましたね。




