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7 存在。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

広場に現れた悪魔。


世界の図書館による情報だと、悪魔は高次元の存在で俺たちがいる世界に来る事は本来出来ないはず。

しかし、ダンジョンと悪魔の次元が繋がりこうして姿を現したのだ。


異世界に繋がるのは分かっていたけど、悪魔の世界と繋がるって、運が悪いとしか言いようが無い。



海外で悪魔憑きとか言われているのは下級悪魔らしく、上位の悪魔は次元を超える事を、世界の理が禁じているのだ。

そうしないと、世界が簡単に滅ぼされるから。


下級の悪魔は自身で実体を持つ事は不可能、なので人間に憑いたり操ったりするらしいが、上位の悪魔は魔力の高次元エネルギー『魔素』で自身を構成していると、世界の図書館情報で分かった。

ラノベ知識だと魔力の素が魔素だが、現実はそれとは異なる。


単純に魔力より高次元のエネルギー。

そんな物を扱う上位の悪魔に狙われたら、地球は終わりじゃね?

このダンジョンを発見した時に、まっさきに破壊しとくべきだったな。

どうやるかは分からないけど。

最悪だ。



「……悪魔ですか、それは驚きですね」

『我々は本来この世界には来られなかったが、このダンジョンのお陰で来られたのだ、そのダンジョンを破壊するなど、我々が許可すると思うか?』

戦うしか無いのかぁ……。


そう言えば、コアがこんなに近いのになぜ迷宮支配が出来なかったんだ?

もしかしてこの悪魔が何か結界を張っている?

何とかしてあのコアに触れて支配すれば……いけるかな?


いや、ダンジョンを何とかしても、こいつが居る限り地球は終わる。

倒す方法はあるのか?



「俺が時間を稼ぐから、その間になんとかしろよ」

そう言ってユウが前に出る。

「待て、ユウじゃ……」

「うるせぇ、そんな事は分かってる……どうせ俺は既に死んでる身だ、生きてる奴らを生かすために、俺が踏ん張るしかないだろ」


ここは一旦退いて……いや、それは違う。

ここで退けばこいつは地球を滅ぼす。

考えろオレ!

何か方法があるはずだ。


悪魔……本来は来れないように世界の理が禁じてる存在。


……ん? 世界の理が禁じてる?

なんだ?

何か引っ掛かる。


ここで俺の普通の天才的脳味噌が働いた。



世界の理に禁じられているから来られないって事は、悪魔も理の中に存在しているって事だ。

つまり、理外のダンジョンコアなら『悪魔を倒せる』……はず?

待てよ? まだ何か忘れてる気がする。


ここまで考えるのに2秒程掛かってしまい、ユウが悪魔と対峙し戦闘態勢に入る。



『面白いな、死人が私に挑むのか?』

ユウがアンデッドだと見抜いている。

「うちのご主人様のためだよ」

『我々が扱う魔素というのを知っているか?』

「いや、知らないな」

俺も魔素については深くは調べていない。



『魔素に食われた魂は、二度と元には戻らないのだ』

つまり、人間は悪魔に殺されると魂自体が存在しなくなる。


「そうか……で? 俺が食われるって? 食えるもんなら食ってみろよ!」

そう言ってユウは突撃する。

『中々速いな、だが……』

そう言うといつの間にか悪魔は、ユウの背後に立ちユウの胸を腕が貫いていた。


「ガフッ……化け物が、ここからだ!」

ユウは気と魔力を纏い腕を裏拳で攻撃するが、悪魔は転移したかのように消え、ユウの前に移り、デコピンでユウを弾き飛ばす。


『私の攻撃を受ける度にお前の魂は食われているのが分かるか?』

「……あぁ、そんな事は分かってるさ」

そう言ってユウは立ち上がる。



俺は必死に考えていた。

忘れている何かを。

そこでユウの戦いを見ている時、ふと視界に入るダンジョンコア。


その瞬間理解する。


そうだ、理の中に居る悪魔を倒せる理外のダンジョンコア。

その理外のダンジョンコアを支配出来る俺は『理外の存在』って事じゃね?


神は言ってたよな、この力は格が低い俺が使い過ぎれば存在が消えると。

『存在が消える』つまり理から外れる存在になるって事じゃね?


俺は不思議に思っていた事がある。


凄い力を持つ神が、なぜ世界の理の中に居るのか。

理外のダンジョンコアを支配できるスキルを俺に授ける力があるのに、なぜ理外の存在にならないのか?


それはおそらく、俺の存在が消えると言ったのと同じように、神も存在が消えるんじゃないか?

だから理を守り、理に守られ存在しているのだ。


でも、理外の存在はいま目の前にハッキリと存在している。

それがダンジョンコアだ。


俺の推測が正しければ、俺は消えないはず。

存在が消えると言われ俺自体の存在が消えると思っていたが、たぶんそうじゃない。



「待たせたな、ユウ」

ここまで約3秒。

「ちょっと遅いぞ」

ユウは立ち上がった所からまだ動いていない。

「すまん、やっと理解できた」

「じゃあ、後は任せて大丈夫か?」

俺は親指を立て答える。


「任せろ……美香、ユウを見てやってくれ」

「はい!」

まあ、アンデッドなんで肉体は大丈夫だろうけどね。

魂は後で俺が見るしかない。



『ほう……お前は普通の人間ではないみたいだな』

「ああ、源魔人っていう種族だ」

『初めて聞く種族だ、長い年月を過ごした私にすら知らない種族が居るとはな、やはりこの世界は面白い』

こいつの言う世界とは理の事か?


どんだけ生きてるのか知らないが、これからもっと面白いものを見せてやれるかもよ?


神にすらどうなるか分からない未来。


世界の理さん、今までお世話になりました!



俺は迷宮支配を『全力』で発動させた。

読んで頂きありがとうございました。

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