表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/160

1 謎の光。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

歩き始めてすぐ俺は念話の事を思い出し、皆に念話をしてみると……。



『ヨウ君? どこに居るの!?』

由奈からすぐ返事がきた。

『落ち着け、由奈は今どこに居る?』

『学園に生徒たちと居るけど、父さんたちが……』

ユウ?

そういやユウたちからの返事が無いな。

コウも返事が無い。


しかし、繋がりはまだちゃんとあるので存在している事は分かる。

由奈にユウたちの事を聞くと、どうやら2週間程前にスタンピードが起きたらしい。

それでユウたちは魔物の討伐に出たらしいんだが、未だに帰ってこないと……。



『まあ、大丈夫だ、ユウたちは生きてると言って良いのか分からんが、ちゃんと存在してるから、たぶん魔物と戦ってるんだろ』

『ホント? それなら良いんだけど……』

それよりスタンピードで拠点の周辺が更地になる方が気になる。

まあとりあえず学園へ向かい、由奈と合流する事にした。



堀さんは山波さんたちが気になるので、街へ行くと言って途中で別れる。

「もし何かあれば連絡してください」

「了解っす!」


その後、俺と美香は学園がある通りに出ると驚きで一瞬固まる。


「どれだけ魔物が来たんでしょう?」

「こりゃあ、相当な数が来たんだろうな」

何に驚いたのかというと、道路に大量の魔物の死骸が転がっていたからだ。

足の踏み場も無い程に。


ギルド本部と学園は結界が張ってあるので無傷だが、ここに来るまでの街中は殆ど更地になっていた。


東京の街を囲ってる壁は、ここから見る限りは無事のようだ。



学園の正門から入ると由奈が校舎の玄関に立っているのが見えた。

「おーい」

「ヨウ君!」

そう言って由奈は駆け寄ってくる。

「とりあえず中で落ち着いて話を聞こうか」


俺たちは学園長室へ行き、ソファに座って落ち着いてから話を始める。


「で? 何があったんだ? 最初から順に話してくれ」

そうして由奈が話した内容とは、何とも不思議な話だった。



俺たちは異世界に行くと言って出発した1ヶ月後、突然大きな地震が起こって約2時間程経った頃に、地鳴りと共に北から魔物が押し寄せてきたらしい。


すぐユウたちは対処に動いたが、由奈は学園を守るようにユウたちに言われ生徒たちと残った。

その後も数日経っても魔物の波は治まらず、大量の魔物が押し寄せる中、突然世界が真っ白になるほどの光が発生し、やがて光が治まると周辺が更地になっていたと言う。


俺は一瞬ドラゴンブレスか?と思ったが、ドラゴンブレスならもっと地形も変わってるなと、その考えを頭から追い出した。



そして、この辺りの魔物の波が落ち着いた頃、コウとユウたちは原因を探るために北へ向かい、その後連絡は無いとの事。


「なるほどね、スタンピードと光……」

ダンジョンには入ってるからスタンピードは起こらないはず……。


「あっ……」

「何か分かった?」

「どうしました?」

由奈と美香が聞いてくる。


「群馬の巨大穴、あのダンジョンのスタンピードだろうな」

「あ~……確かに、あそこは入れなかったもんね」

「巨大穴? そんなのがあるんですか?」

すると由奈が美香に説明した。



「それはやっかいですね、中に入れないのにスタンピードが起きるなんて」

そうだ、入り口と思われる祠は自衛隊が調べていたはずだ、もし入れるとなれば必ず自衛隊が入るだろう。

だが自衛隊も入れない状況でスタンピードが起きるなんて……ズルくない?

どないせいっちゅうねん!



そんな話をしているとスマホが鳴る。

久しぶりに鳴った気がするな。

そんな事を思いながら電話に出ると、相手は山波さんだった。


「はいもしもし? お久しぶりですね山波さん」

『進藤さん! 堀から聞いてすぐ電話しましたよ』

「まあまあ、落ち着いて下さい……で? どうしました?」

『スタンピードの事は聞いてますか?』

「ええ、いま聞いたところです……それが?」

すると、少し間を空けて山波さんは言う。



『世界中でスタンピードが起きてるようです』


「世界中? 具体的に言うと?」

『言葉のとおりです、その中でもA国が一番酷いらしいんですよ』

「それはどういう……?」

そして山波さんの話を聞いて分かった事は、A国に巨大穴ダンジョンがあるという事。


そのダンジョンがスタンピードを起こし、A国は地獄のような状況らしい。

日本はいま落ち着いてるけど?と思ったが、A国は広い。

日本はすぐ海があるので魔物たちは陸の外へ流れていくが、A国はそうはいかない。


しかも巨大穴があるのは大陸のほぼ中心。

そこから周囲に魔物が溢れたらしい。

日本は北から南へ流れるだけなのになぜ?


すると山波さんが教えてくれた。


どうやら日本とAR国の丁度真ん中辺り(日本から南)、PP海に新たな島というか大陸が発見されたらしい。

おそらく魔物はそこを目指しているのかもしれないと、山波さんは言う。


ちょくちょく発見される新しい大陸や島、そこへ流れる魔物。

そこに何があるのか?


俺は気になって世界の図書館で調べるとどうやらそこはダンジョンらしく、世界の理としか情報が無い。


流石理外の存在だな。

世界の図書館でも内容は分からないか。

いや、俺に閲覧する程の格が無いのかもしれないな。



『現状分かっている事は、巨大穴ダンジョンがあるのは、世界中でA国と日本だけです』

世界に2つだけの巨大ダンジョン。

「巨大穴は入れるようになってますか?」

『それが、入り口らしき祠に滞在していた者からの通信は途絶え、何も分かっていません』

「そうですか、分かりました。こちらでも色々調べてみます」

『はい、すみません、お願いします』

「任せて下さい」

今の俺はダンジョンマスターですから!



というわけで、俺と美香は巨大穴ダンジョンへ向かう事にした。


「私も行く!」

「それは駄目~、由奈は学園と生徒たちを守ってくれ」

そう言うと口を尖らせブツブツ言うと、落ち着いたあと了承してくれた。

拗ねても可愛いのぉ妹は。


たぶんユウたちは巨大穴ダンジョンに入ったんだろう。

他のダンジョンとは少し違うみたいだな。


前回はまったく分からなかったが、今回は迷宮支配があるんだ。

なんとかなるだろう。



準備をしてから俺と美香は、学園を出発した。

勿論、車に乗ってだ。

読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ