14 燃えカス。
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ラミデルトさんとリズタルテさんに、詳しく話しを聞く事になったのだが、その前に……。
姿を見せてほしいんですけど?
『我々神は、姿形という概念は無いのだ』
『故に、性別も存在しないのよ』
ん?
でもラミデルトさんは男でリズタルテさんは女だよね?
そう聞くとどうやらそれは、俺がそう認識しているからそう聞こえるだけで、男でも女でもないらしい。
相手が聞きやすい声と言葉で聞こえると教えてくれた。
流石神。
でも、地球では狐の神様や男女の神様を祀ってる神社があるけど?
すると、人や動物から神に至った者は、生前の姿をとる事もあると言う。
本来神は高次元の存在で、姿形や性別は存在しないとの事。
偶に、姿を借りて俺たちの次元に干渉する事も過去にはあったらしいが、そもそも神は高次元で、それぞれの役割を担っているそうだ。
なので滅茶苦茶忙しいんだと。
日本でも神様が一堂に会する時期があるって聞いた事があるな。
あれは本当の話だったのか?
まあ、今はいいかそんな事。
では、ダンジョンマスターの事を教えて下さいな。
『ええ、あなたが……』
そう言って話してくれた内容とは、ダンジョンマスターは本来神が就く役割、というのは先程言ったとおりだが、俺がイメージしたダンジョンマスターとは役割が違うとの事。
神が就く、長いのでダンマスは、ダンジョンを管理するだけの役割らしい。
その管理とは他の次元に干渉しないようにしたり、増えすぎないようにするだけだと説明された。
なるほど、その神が居ないから俺たちの世界にもダンジョンが現れたのか。
『ええ、本来ダンジョンは1つの次元で管理される物なのよ』
『しかし、その管理する神が居ないので、ダンジョンは増え続ける、なので……』
『私たちがその次元に存在する生物が生き残れるように、証とオーブを作ったのよ』
ほうほう……お二人はダンジョンの管理ができないの?
神ならできるんじゃね?
しかし、ダンマスになるには、お二人の神格と言えばいいのか、存在の格が高すぎるらしい。
ダンマスになる神は本来、なりたての神が神として訓練するために就く役割なんだと言う。
格上の神が就く事は、高次元の決まりみたいなものがあって出来ないのか。
高次元も色々面倒臭そうだなぁ。
『ええ、かなり』
『まあ、それでもやりがいはあるがな』
そして、俺が就いたダンマスはというと、まあ、ラノベ知識からイメージした職業だからね。
俺がイメージしたのは、ダンジョンを支配できる事と作る事が出来るダンマスだ。
ダンマスと言えばそれしかないと思うが、まさか高次元にそんな存在が居るなんて誰も思わないだろ?
んで、俺がダンジョンを支配する事と作る事が出来るように、お二人が力を授けて下さったらしいのだが……。
『力が強すぎてな、使い過ぎるとその力にお前の存在自体が飲み込まれてしまうのだ』
なんですと?
あれか、自分の中に……っていう妄想が実際に起こると?
『本来その力は神が持つべき力なのよ、だから格が低いあなたが使うとね……』
ぐふっ……格が低いと言われてダメージを喰らうとは思わなかった。
まあ、神に比べればそりゃ格は低いと思うけど、実際言われるとくるものがあるな。
『しかし、その枷を無くす事は出来る』
マジで?
『ええ、あなたが肉体を捨てて高次元の……』
だが断る!!
『……存在になれば』
それは断固拒否する!!
神になんてなりたくないので、今のままでいいです。
『では、その力はなるべく使わないようにする事だな』
『でもある程度なら大丈夫だけどね』
それはスキルみたいに向き合えば分かる事?
そう聞くとそうだと言うので、なら大丈夫だと安心した。
そこで俺はずっと気になっている事を聞く。
世界の図書館でも覗けなかった事だ。
ダンジョンってなに?
すると返ってきた答えは『世界の理』だった。
俺が知りたいのはそういう事じゃないんだけどなぁ。
その先が知りたいのだが。
『ダンジョンは魔力が生みだす存在だな』
『分かりやすく言うと、火があればその燃えカスが出るでしょ? その燃えカスがダンジョンだと思えばいいわ』
なるほど、ダンジョンは魔力という火の燃えカスなのか。
『そしてダンジョンは、世界の理の外にあるのだ』
ん?
でも世界の理って言ってたじゃん。
そう返すと、魔力の燃えカスという部分で世界の理となっているが、ダンジョン自体は理の外にあるらしい。
だからあんなぶっ飛んだ空間になってるのかと納得できた。
じゃあ、そろそろ終わりかな?
俺は早く家族を生き返らせる方法を探さないといけないんだけど?
『それは大丈夫だ、あちらの時間は止まっているからな』
おお、流石不思議空間。
『あなたの家族を蘇らせる方法はね……』
……なるほど。
それは良い事を聞いた。
ありがとうございます!
『くれぐれもその力を使い過ぎないようにな』
『ダンジョンの事をお願いするわね』
ダンジョンの事をって……。
そう思った時には既に俺は、元の空間で地面に座った状態だった。
あれが神か……高次元の存在。
不思議な感覚だな。
俺は自分の手を見て握り締める。
さて、ユキを蘇らせるか。
そう思い俺は立ち上がり、固まっている全員を見るとニヤッと笑い話しかける。
「おい爺、お前の魂、使わせてもらうぞ」
その後で、ダンマスの能力をちゃんと確かめないとな。
読んで頂きありがとうございました。




