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4 本気。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

昨日レインズと戦った場所までやってきた俺たちは、大通りを進んでいきゲート前に到着した。



ゲートは幅20メートル高さ30メートル程ある、かなり巨大なゲートだ。


「デカいな」

「こんなに大きなゲート、何が出入りするんですかね?」

「そりゃ、戦闘機や戦車とかじゃないっすか?」

俺たちがゲートを見ながらそんな話をしていると、アニルが説明してくれた。


「これはヨルガンっていう乗り物が通るための道だ」

「ヨルガン?」

詳しく聞くとどうやら、地球にもある電車のような物で、地面に埋められた印の上を走る物らしい。


確かにゲートから等間隔で地面に、円形の何かが埋められている。

見た時は最初、夜になると光るライトかと思っていたが、あれが印なのか。


話を聞くとヨルガンは、幅10メートル高さ20メートルはある、巨大な動くマンションが連なった物のようだ。

そんな物が都市の中を走り回っていたとは、流石異世界。



そんな話をしているとバッグからユキが出てきて、横でお座りをしながらキョロキョロし始めた。

『どうした?』

『この街も探索しがいがありそうだと思ってね』

『ここは危険だから、探索はダンジョン攻略が終わってからだな』

『はーい』

ふむ、ユラユラ揺らしている尻尾が可愛いね。



皆には周辺の警戒を任せて、俺はさっそくクラフトで通れる出入り口を作る事にした。


さて、どんな出入り口がいいかな?

人が通るだけだし、普通の扉でいいか。



ゲート横の壁に両手で触れるとクラフトを発動させた。

その瞬間、自分の魔力がごっそり無くなるのが分かる。

やっぱこういうのは魔力消費が多いなぁ。

種族進化していないとできない事だ。



すると、触れている部分から魔力が壁に浸透していき、イメージしたどおりの形へと姿を変えていく。


数秒後、目の前には頑丈そうな灰色の扉が現れた。

俺はドアノブの上に付いている、0~9の番号が付いたタッチパネルで番号を4桁入力するとカチッと音がして、ドアノブを回し開ける。


「おお、上手くいった」

「なんで暗証番号付きの扉なんです?」

と美香が聞いてきた。

「一応セキュリティのため?」

「……なるほど?」

そんな話をした後は、早速中に入る。



扉を開けると中は10メートル程の通路になっており、反対側にも同じ扉がある。

この壁、滅茶苦茶分厚いんだよね。


反対側も同じように開けると数百メートル先に空まで延びている巨大な建物が見え、その一階?部分は天井までの高さが100メートル程はある空間で駅っぽい感じになっている。


「デカッ」

「大きい……駅?」

「滅茶苦茶デカいっすねぇ……うわ、あんな高い所に標識みたいな物までありますよ」

まあ、乗り物がデカいならこれぐらいの駅になるか。

都市の中心にある主要な建物なんだろうけど、地球とは規模がまったく違うな。



ゲートから建物までは広場のようになっており、ヨルガンが通るであろう場所は、ちゃんと壁で入れないようになっている。

所々に向こう側に渡るために壁が無い所もあるようだ。


当時は自然に侵食されていない綺麗な場所だったんだろうなと思うが、自然に侵食されたこの景色も綺麗に思える。



建物に向かって歩きながら周囲を見ていると、ちらほらとトラックのような乗り物が乗り捨てられているのが、当時の慌ただしい状況が想像できてしまう。

魔物によって滅んだ都市か……いや、ダンジョンによって滅んだ都市だな。



建物が見えているのに中々辿り着かないのは、巨大すぎるからだろうなぁ。

と、そんな事を思いながら歩いていると建物の方から、全長5メートル程ある人型レインズが現れた。


「デカいぞ?」

ここに来てデカいしか言ってない気がする。

「あんなレインズは初めて見るな……どうする?」

とアニルが聞いてくる。



巨体レインズは力仕事用にも見える物で、動きはそんなに速くなさそうではあるな。

「よし、あれも壊して頂こう」

良い素材を大量ゲット!


「大丈夫か?」

アニルがまたも心配そうに言う。

レインズの恐ろしさを知ってるアニルだからね。

しかも、今まで見た事無いタイプだ。

心配になるのも分かるが……。


「大丈夫だ、一瞬で終わらせてやる」

そう言って俺は一人前に出た。


「いや、あれを一瞬でって、流石に洋介でも……」

「アニル、ここは洋介を信じよう」

「そうよ、洋介は出来ない事は言わないからね」

ガムロとシュアの俺に対する信頼が、いつの間にか凄い事になってた件。



「進藤さん、あれは流石に……」

美香までそんな事を言う。

まったく、師匠である俺を信じられないとは、情けないな……俺が。

まあ、本気の戦いなんて美香やここに居る皆には見せてないから仕方ないか。


「進藤さんが何をするのかワクワクするっす!」

おう、流石同志、信じてくれているんだな!

「一応逃げる準備しとくんで、思いっきりやって下さい!」

信頼じゃなかった!?



くそっ……こうなったら全力を見せてやろうではないか。

「見てろよ?」

振り向きニッと笑って皆にそう言う。


『私は信じてるよ!』

『流石ユキ、任せろ!』

美香の隣で地面にお座りして見ているユキを見る。



前に向き直り、刀を取り出し腰に持っていくと居合切りの体勢に入る。

集中……。


すると、俺の身体から赤い光がユラユラと出始める。

これは闘気だ。


次に、光が紫に変わった。

これは気と闘気が混ざった状態だ。


そして、その光が薄いピンク色に変わる。

気、闘気に魔力が混ざった状態になった。

それを全身に纏ったまま刀に流していく。



未だにこちらへ向かって歩いている巨体レインズ。

次の瞬間には俺の姿はその場から消え、100メートル以上離れていた巨体レインズの前へと移動していた。

縮地で移動した俺はそのままの体勢なので、そこから居合切り。


すると、斬れる音も無く、ただレインズが歩いていた音が響いていたのも無くなり、辺りはシーンとなった。


俺は振り抜いた体勢から真っ直ぐ立って納刀すると同時に、纏っていた光も消える。

まったく動かない巨体レインズをチラっと見ると、今にも動き出しそうな雰囲気があるが、こいつは既に停止しているのだ。


少しの風が吹いた瞬間、巨体レインズの身体は、胸の辺りから上がゆっくりとズレていき、大きな音を立てながら地面に落ちた。



全部乗せて斬る。

ゼノスラッシュ!

いや、ダサいから名前は付けないでおこう。

読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] ま〜た詰まらぬ物を斬ってしまいおって(笑)。
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