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19 レイギルド。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

誤字脱字報告ありがとうございました。

タックというアニルの知り合いがやって来て一緒に飯を食う事になり、隣の席から椅子を持ってくると座る。


俺は気になった事を真っ先に聞いた。


「先ほどあなたは『レイ』だと言ったけど、その『レイ』ってなんです?」

するとタックはアニルに目を向ける。

「アニルから聞いてないのか?」

「あぁ、言う機会がなかったからな」

そう言えば、アニルたちはダンジョンに潜っていたとは言っていたが、冒険者とは言ってないな。



アニルの説明によると『レイ』とは、大体冒険者と同じようなものだが、違うところもあった。


レイとは街中や外での警察のような事をやっているらしい。

警察のような組織が無いのか聞くと、それは全てレイギルドの役割だと教えてくれた。

警備や巡回などもやっているとの事。


つまりレイギルドは、ラノベ知識にあるギルドとは大分違っている。

それぞれの街にレイギルドはあり、独立した組織じゃないって事だな。

ちゃんと政府? それぞれの街を運営している組織の1つなのだ。


最後にタックがこう言う。

「レイは子供たちの憧れの職業でもあるんだ」

以前の地球でいう動画配信者的な事かな? と思った。



「なるほど、街のヒーロー的職業なんですね」

「ああ、その代わり、危険も多いけどな」

そりゃそうだろう。


「ちなみにレイは、古代都市の監視や調査もやってるんだ」

とアニルが言う。

「入るのは危険なんじゃ?」

そう聞くと、タックが答える。

「なにもレインズと態々やりあう訳じゃねぇぞ? 隠れながら調査をするんだ」

なるほど、納得。



「あっ、俺たち明日からギルド長の依頼で古代都市に入るんだ」

「マジか? お前1年程ダンジョンに潜ってたから知らないだろ? 入り口が変わったの」

「えっ……あの木を登ってじゃないのか?」

木を登って入るはずだったのか。


タックは頷いて答える。

「西側の渓谷に伸びてるパイプがあるだろ? あそこに簡易の橋を掛けたから、そこから簡単に入れるぞ」

「マジか……明日案内頼めるか? ギルド長の依頼だ、失敗はできないからさ」

するとタックは少し考えてから答えた。


「俺は良いけどよ、同じ班の奴の説得は任せたぞ?」

「それなら大丈夫だ、じゃあ明日の朝、7時にいつもの場所に集合な」

「ああ……大丈夫か?」

タックの言葉にアニルは余裕の表情で頷く。


何の話をしてるのかさっぱりだ。



その後、テーブルにあるメニューから注文して、食事が運ばれてきたので皆で雑談をしながら食べた。


ちなみに俺の飯はカーポという鹿っぽい魔物のステーキで、コルトバさんが言った通り滅茶苦茶美味かった。

食後の一服をしようかと思ったが、周りの客を見ると誰もタバコらしき物を吸っていないので、ここで吸う事は止めて、外に出てから吸う事にする。



「じゃあ、そろそろ行こうか?」

アニルにそう言うと首を傾げたので妹の所だと言うと、頷いて席を立つ。

「じゃあタック、明日よろしくな」

「おう……本当に大丈夫か?」

「大丈夫だ、じゃあな」

「お、おう……」

何やらタックは心配そうに俺たちを見ていたが、そのまま外に出ると街の南へと向かって歩き始める。


俺たちが街に入ってきたのが街の東側にあたる。



川沿いを歩いていき、途中で道に入ると住宅街のような雰囲気のエリアに入った。

そのまま少し歩くと立ち止まりアニルが言う。

「ここだ、ちょっと待っててくれ」

そう言ってアニルは、2階建ての建物に入っていった。


建物を見てみると、本当に異世界なんだと感じる建物だ。


1階部分が楕円? というか球形で、2階部分も同じ形をしている。

所謂ひょうたん型っていうのかな? それに近い。


するとアニルが玄関から出てきて、いいぞと言うので俺たちも入る。


「ただいまー、母さん! お客さんだぞー!」

アニルがそう言うと、家の奥から一人の女性が歩いてきた。

海外式のようで、家中でも靴のままだ。


出てきた女性は、アニルの母親にしては若く見えるほどの綺麗な人で、髪はアニルとは違い、薄いピンクで顔立ちは白人女性っぽく、綺麗な顔立ちをしている。

薄い緑のワンピース? ドレス? を着て白いエプロンを着けていた。


「あら、アニルいつ帰ったの? 何年ぶり? あっ、お客さん、いらっしゃいませ、どうぞおあがりください……ほらアニル、いつまでそこに突っ立ってるつもり? さっさとお客さんを案内しなさい!」

アニルは苦笑いを浮かべながら、俺たちを案内する。


「はは、すまんな、母さんはいつもあんな感じだ」

「良いお母さんに見えるが?」

「まあ、お客に対してはな」

なるほど、よくある身内にはキツイ母親って感じか。

いいかあちゃんじゃないか。



リビングのような部屋に案内されると、ソファに座って待ってるように言われた。

アニルだけ部屋を出ていくと、母親がお茶を出してくれた。


「どうも、アニルの母親のエルナと申します」

「あっ、ありがとうございます。 私は商人をしてる進藤と申します」

いつも通り美香と堀さんも自己紹介をして、世間話のつもりで聞いてみた。


「旦那さんは仕事ですか?」

「ええ、うちの人は今ギルドにいってます」

「えーっと、旦那さんも……レイ? ですか?」

すると首を横に振る。


「うちの人はギルドの役員ですよ、アニルから聞いてませんか?」

なんと、アニルは良いところのぼっちゃんだったのか。

「はい、家族の話は殆ど……」

なるほどねぇ、アニルの立ち居振る舞いが、どこか品があると思ったらそういう事だったのか。



そんな話をしていると、アニルが歳が15歳程の女の子の手を引いて部屋に入ってきた。


髪は母親譲りの薄いピンク色で肩まで伸びた髪、これまた母親譲りなのか可愛らしい顔をしている。

身長はアニルの肩あたりだから……150ちょいかな?


それよりも気になるのは、彼女の目が全て赤い事だった。


瞳も白目の部分も全部真っ赤。

これが生れつきの目なのか?



「ほら、お客さんが来てるから、自己紹介しろ」

アニルに手を持ってもらいながら、彼女は頭を下げて口を開いた。


「ようこそいらっしゃいました、アニルの妹のアルアと申します」

綺麗な声だ。



ふむ、彼女の目を詳しく調べてからじゃないと、見えるようにはできなさそうだな。

じっくり調べますか。

眼だけね?

読んで頂きありがとうございました。

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