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18 依頼内容。

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

お茶を出して皆で一旦休憩した後、コルトバさんに説明してもらったその内容とは、あの近未来都市の中にあるダンジョンコアを破壊してほしいという事だった。



1000年以上前にダンジョンができる前は、あの都市に入り過去の技術などを収集していたらしい。

それがある日突然、古代兵器レインズが動き出したというのだ。

明らかにダンジョンから出た魔物じゃね?


だが、彼らもただ指をくわえて見てるだけじゃない。


その後何十年何百年と時間を掛けて、あの街を調べた結果分かったのは、兵器はダンジョンの影響で出現したのは間違い無いが、ダンジョンから出た魔物じゃない事が判明したとの事。



「ダンジョンの影響で古代兵器が復活って、そんな事が?」

コルトバは頷いて続きを話した。


それは、都市の地下に武器庫があったようだが、ダンジョンができた時に隣接している自律型兵器の貯蔵庫に魔力溜まりができてしまったようで、その魔力溜まりの影響で全ての兵器が勝手に動き出したとの事。


「なるほど……ん? じゃあ、ダンジョンコアを破壊しても兵器は止まらないのでは?」

「いや、我々の考えでは、ダンジョンが無くなれば、古代兵器は止まると推測している」

「それはなぜ?」


「ダンジョンが無くなれば魔力溜まりも無くなり、兵器の動力源がいずれ枯渇する……と思っている、のだがどうだろう?」

「すみません、兵器の動力は元から魔力なんですか?」

そう聞くと、魔力が分からなかったようで、こちらの言い方に変えると分かったのか説明してくれた。



結論から言うと、兵器の動力源は魔力なので魔力溜まりが無くなれば止まるという。

「そこらにある魔力でも動くんじゃ?」

俺がそう言うとコルトバは首を横に振った。

「それは無い」

「どうして言い切れます?」

「あの兵器はラドパックで動く兵器なのだ」

俺は頭に?が浮かんだ。


ラドパックってなんだ?

聞くと教えてくれたのだが、ようするに魔力バッテリーみたいな物だった。


なるほどねぇ、だから魔力溜まりが無くなれば停止すると……ふむ、いずれ動力源が枯渇するっていうのは間違いなさそうだな。

しかし、コルトバが言うにはレインズが停止するまで、数百年以上は掛かるとの事。

スゲー長持ちバッテリーですね。



「話は分かりました、引き受ける前に一度古代都市とそのレインズを見てみたいですね」

「それは勿論だとも、許可は直ぐ出すからどうかお願いする」

そう言ってコルトバとアニルたちも頭を下げた。


とりあえず、そのレインズを一体捕まえられるなら捕まえて、構造を見てみたいな。

そうすりゃ直ぐ停止させる方法が見つかるかもしれないし。

フッフッフッ、楽しくなってきたなぁ!

どんな技術が使われてるのか、じっくり見させてもらおうか。



ニヤニヤしてるとアニルたちが言う。

「洋介が変な事を考えてるぞ」

「うむ、洋介がまたとんでもない事をする予感しかない」

「洋介も私と同じで好奇心が溢れてるんだねぇ」

何を言うか!

地球には無い技術だぞ? テンション上がるのは必然だろ!!


そう思って同志に目を向けると、同志もキラキラしていた。

ほらな? 同志なら分かってくれると思ったぞ。

美香はキョトンとしているが、それは無視だ。



さて、出発は明日にして、そろそろ昼時かな?

「アニル、この辺りで美味い飯屋はあるか?」

するとコルトバが答える。

「それなら良い店を知ってる、私はまだ仕事があるので一緒に行けないが、アニル、案内して差し上げろ、丁重にな?」


「分かりましたよ……洋介に丁重って似合わないな」

「こら! 進藤さんに失礼だぞ!」

「いえいえ、自分に気を使う必要はありませんよ、普段通りで大丈夫です」

そうか? と聞くので頷く。


では飯を食いに行こうという事で、コルトバさんはここで一旦お別れだ。



その後、来た時と同じようにエレベーターで下りて建物を出ると、ゲートとは逆の街の中心へと向かって歩きだす。


「あっ、獣人」

同志がそう呟く視線の先には、犬耳の可愛らしい小さな女の子が、同じ耳をした父親らしき人物と歩いていた。


「ラロ族は街の中心に近い場所に住んでるんだ」

とアニルが言う。

その理由は、差別を未だにする者が居るので、コルトバさんがラロ族を街の中心に近い場所へ移し、立場が他の種族と同じだとアピールするためなんだとか。

ふむ、コルトバさんはちゃんとした人みたいだな。



暫く歩いていると、街中に20メートル程ある橋が前方に現れた。


「ここって穴の底だよな? 川があるのか」

「この川は、この穴ができた時からある川だと習ったな」

「マジか……下流はどうなってんの?」

「街の南に貯水池があって、そこからは地下へと流れてる」

なるほどねぇ。


橋を渡りながら川を覗くと、綺麗な水が流れてるのが見えた。

ちゃんと管理されてるんだなぁ。

地球とは大違いだな。


するとシュアが言う。

「川にゴミを捨てると、処刑される事もあるから気を付けてねぇ」

「処刑!? 滅茶苦茶罪が重いな」

そう言うとシュアが説明してくれた。



この川の水は街全体の、街で暮す人々の貴重な水なので、汚すような事をすれば街全体を危険に晒す行為という事で、罪が重いのだとか。

まあ、話を聞けばなるほどなと納得できる。


日本もゴミ捨てしたら処刑にすれば、もっと街中や川が綺麗になるんじゃね?

って、そこまでしないか。

日本の刑罰は軽いからなぁ。


やり直しをさせるためとか言ってるが、再犯する奴が殆どだろ。

なんだっけ?


確か、衝動的に人を殺した女を刑期が済んだからって釈放した後、その女がまた男をバラバラにして殺したって話を聞いた事があるな。

衝動的にやる奴は、また衝動的にやるのがお決まりだろ?

なぜ釈放したのか、その話を聞いて不思議に思った事を覚えている。



そんな事を考えていると、飯屋に到着した。


両開きの扉が開かれたままで中は結構広い。

席が30以上はありそうな広さだ。

しかも飯時だからか、結構席が埋まってる。


出入り口の上に店の名前なのだろうか、光る文字で大きく何か書かれている。


「ここがこの辺りで一番美味い店だな……おっ、あそこ空いてるぞ」

そう言って奥へと入っていくと、壁際のテーブル席が空いていて、そこに俺たち6人は座った。

ん? 注文はどうするんだ?

と思った瞬間。


いきなり声を掛けられる。


「おっ、アニルじゃねえか! 生きてたんだな!?」

声がした方に目を向けると、肩と胸プレートの革鎧を着た男が立っていた。


髪は茶髪で坊主に近い短髪をし、耳から頬にかけて大きな2本の傷が走っている。

歳は結構いってるっぽいが、俺より年上なのは分かる。



「おっ? タック? 久しぶりだなぁ!? お前も生きてたのか」

アニルが返事を返すと、タックはこちらに歩いてきた。

「当然! 俺がそう簡単に死ぬわけねぇだろうが……と、こちらは初めて見る顔だな? こいつは失礼、俺はレイのタックってんだ、よろしくな」


「礼? あぁ、ご丁寧に、私は商人の進藤です、こちらが……」

「金森です」

「堀です」

「おお、別嬪さんだな……アニルにはアルアちゃんが居るだろ? 別の女に手を……」

「アルアは妹だ! って、そのノリは毎回やるのか?」

そう言って2人はいつものノリって感じで話していた。



そうだ、アニルの妹のために来たんだった。

と、今思い出す。


だって色々新しい事が多すぎて、そっちに気がいってしまうんだよ。

飯食ったらアニルの妹の所に行こう。

読んで頂きありがとうございました。

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