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1 街ダンジョン突入!

評価、登録、いいね、感想をして頂きありがとうございました。

5章スタートです。

俺とユキ、弟子の美香と同志である堀さんで拠点を出発した俺たちは、橋を渡った先にある街ダンジョンへとやってきた。



アニルたちにはダンジョンに入った所で待ってもらっている。

拠点で堀さんがシュアを見れば、中々出発できないと思ったので先に行かせていたのだ。


「待たせたな、美香はもう知ってるだろうけど、堀さんだ」

そう言ってアニルたちに紹介する。

「いや、そんなに待ってないぞ……俺はアニル、こっちがガムロで彼女が……」

「猫耳!!」

アニルの紹介を遮って同志が叫ぶ。

最後まで聞けなかったか。



堀さんはシュアを見た瞬間、目を見開いて固まっていた。

アニルたちには言ってあったのだ。

1人異常にシュアに反応する奴が来るからと。

アニルは俺を見て苦笑いを浮かべてる。


すまん、こればかりはどうしようもないのです。

見られてるシュアはニコニコしながら軽く頭を下げ、俺たちに挨拶をしていた。



ふむ、猫耳と叫んで固まった同志をそろそろ動かすか。

「堀さん、相手に失礼ですよ? ちゃんと挨拶してください」

そう言うとグリンッ! と俺を見て口をパクパクさせる。

「分かってます、彼女たちはこれから行く異世界の住人です、失礼がないようにお願いしますね? ……じゃないと置いていきますから」

最後の一言が効いたのか、背筋をピンッと伸ばし額に手を持っていき敬礼する。


「ハッ! 自分は陸上自衛隊所属、堀翔太ほりしょうた三等陸尉であります! よろしくお願いします!」

ガチガチだな!?

いつもの軽い感じはどこいったんだよ!?


するとアニルは笑いながら紹介を続けた。

「はは、こちらこそよろしく……で、彼女がシュア、見ての通り彼女はラロ族のシュタ人だ」

このラロ族はアニルたちの世界での名前で、地球だと所謂獣人というやつだな。


アニルたちに聞くと彼らの世界でに種族は結構色々居るらしい。

人族でも地球のように日本人、アメリカ人のように複数居るのだ。


ちなみにアニルは人族の『シグル人』でガムロが『ゴディアロ人』そしてシュアがラロ族の『シュタ人』である。

ラロ族は獣人全般の呼び名だとシュアが言っていた。

猫獣人だけを指す呼称が『シュタ人』である。



「よろしくね、ショウタ」

シュアがそう言うと堀さんは顔を真っ赤にしていた。

中学生か!


「じゃあ、先ずは下に行く階段を探さないとな」

「あっ、それならもう見つけてあるぞ」

と、軽く言うアニル。

マジか。

「こんな広いエリアでもう見つけたのか、流石だな」

俺がそう言うとアニルはコツがあるんだと言う。



階段を見つけるコツ?

「ダンジョンは基本、入ってきた者を下に行かせないようにできてるんだ、コアに近づけないようにな、なので大体は他のエリアに行く階段を隠すように作られるんだ」

つまり、簡単に見つかる道はコアから離れる道だとアニルは言う。


そう言われて俺は、今まで行ったダンジョンを思い浮かべていた。

確かに分かり難い所に階段があったな……ん?

「下に行かせないようにするなら、階段を作らなけりゃいいんじゃね?」

「それは俺たちもよく分かってないんだ」

そこで俺のスーパー超絶最強脳味噌が働いた。



「魔力の通り道?」

ふとダンジョンの全体を思い浮かべた時に、その言葉が頭に浮かんだ。


しかし、自分の中で直ぐに否定した。

それなら普通に穴でもいいじゃんって事になる。

考えても分からないので世界の図書館さんで調べてみた。


ちなみに、種族進化した事で世界の図書館から情報を抜く速さが、以前より格段に速くなったのだ。



そして分かった事は、周囲の地形の情報を基にダンジョンは形成されているのは以前言ったと思う。

なので下に行く道や上に行く道は、階段が多いのだ。

そう言えば異世界ダンジョンでは坂道ってのもあった。


更に言えば、コアに近い方が生物からの魔力吸収率が上がるそうだ、だから下に行かせる道もあるのだと世界の図書館情報で分かった。


つまり、コアにもっと近寄って! でもコアには触れないで! って事だ。

ダンジョンって……なんだかメンヘラっぽいな。

生物じゃないけど。



すっきりした所で階段までアニルに案内してもらう。


「じゃあ、ここから出てくる魔物は美香と堀さんで倒してね、最下層へ行くまでに鍛えないといけないので」

「分かりました」

「了解っす!」

アニルたちも了承してくれたので出発する。



暫く進むと、さっそく出てきたハイズールが、物凄い速さで向ってきた所を、美香が身体を逸らしハイズールの拳を躱しながら、俺があげた短剣で首を斬り落とした。



「ふぅ、動きが速いですね」

「……って、魔術使わんのかいっ!」

「あっ、まだ短剣こっちの方が慣れているので、咄嗟に出るのは短剣こっちですね、次は魔術でやります! それにいきなり接近戦になったのでそんな暇ありませんでしたよ」

会話から分かると思うが、美香はいま魔導士になっている。



「接近戦で使える魔術も教えたはずだけど?」

「…………次は魔術でやります!」

その後、階段までは美香と堀さんが魔物を倒していった。



アニルに案内してもらった階段は、街中にある公園の公衆トイレの中だった。

「マジでよく見つけたな」

と、感心した程だ。


俺たちは堀さんを先頭に階段を降りていく。

下に到着して最初に目にしたのは日本の大昔、おそらく戦国時代と思われる景色が広がっていた。


学校や昔話で見た、茅葺屋根かやぶきやねの家が遠くに見え、その向こう側には高い山々が見える。

田畑があり、アスファルトじゃない田舎道。

自然が多く残っていた時代の日本だ。


これは、この松江市辺りの昔の風景なのかもしれない。



「のどかで良い所だな」

と、アニルが景色を見ながら言う。

これが日本の古き良き時代ってやつかな?



しかし、その景色の中には、昔は存在していないものまで見える。

「あれは……傘?」

美香がそれを見て言う。

「あれってもしかして、あの有名な妖怪じゃないっすか?」

そう、俺たちが見ているあれは、まさに一本足で立ち、大きな目が付いた傘。


唐傘お化けという妖怪にそっくりである。




100メートル以上離れた場所を、ピョンピョン跳ねている。

まさかここで、妖怪系の魔物が出てくるとは思わなかったな。

あれならテイムしても良いかも?



……いや、無いな。

読んで頂きありがとうございました。

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