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1 ガラス玉。

ふと頭に浮かんだ小説です。

一応毎日更新はしていきたいと思います。

「ぐふっ」

…………痛い。



うつ伏せで寝ていたら頭に凄い衝撃があって目が覚めた。



目を開けると目の前に段ボールと、中に入っていた物が散乱している。

…………あぁ、棚から落ちてきたのか。

布団で寝ている頭の上には洋服ダンスがあり、その上に使わない物を詰めた段ボール箱を載せていたのだ。



「……何で落ちてきたんだ?」

枕に頭を乗せながら考えてると家が結構揺れた。

咄嗟に手を突いて身体を起こす。

「地震か!?」

揺れは直ぐに収まり、ホッとして俺はワンルームの部屋を見渡す。



良かった、特に部屋の中はぐちゃぐちゃになっていなかった。

って、元々散らかってるが……。



時計を見ると朝の6時過ぎなのでまた寝ようかと思ったが、目が覚めてしまったので顔を洗おうとのっそり起き上がり、ユニットバスへと向かった。




「ん? ……何これ」

折り畳みの扉を開けると浴槽の上にバスケットボール程のガラス玉が浮いていた。



ゴシゴシと目を擦り何度か見直すが、やっぱりそこにある。

「これはもしや、まだ寝てるってオチかな?」

夢なら納得できる。

まだ頭がぼやーっとしてるし。

ん~、目がシバシバする。

とりあえず顔を洗うか。



ガラス玉をチラチラ見ながら洗面台で顔を洗うとハッキリと目が覚める。

そ~っと横を向くとやっぱりそこにある。

「何だよこれ」

心霊現象?

近付いてよく見てみると、ガラス玉の中に黒っぽく見える紫色のモヤモヤした物が蠢いているのが分かった。

咄嗟に身体を離し距離をとる。



「なんか爆発とかするんじゃないだろうな?」

そもそもガラス玉が浮いてるのが現実ではありえないだろ。

何か心の奥底から不安が込み上げてくる。



正体の分からない物に人間は恐怖を抱くとは聞くが、本当にそのようだ。



ユニットバスの中を見回して他に異常は無さそうなので、とりあえずガラス玉を指で突いてみる。

ツンツン突くとフワフワと揺れる。

「ん?」

今の動きからすると、この場所に固定されてるような?

揺れるって事はそうだよな。



すると中のモヤモヤが激しく動き出した。



「えっ!? いや、ちょっ……ヤバい」

俺は咄嗟にこのまま放っておいたらヤバい感じがしてガラス玉を両手で持つと、浴槽に叩きつけた。

ガシャーン! とガラス玉が割れるとモヤモヤが四散する。

「はぁ、はぁ……何だったんだ?」

するとその瞬間頭の中に声が響いてきた。



『核が破壊されました。 攻略者個体名《進藤洋介》をスキャン―――――

 最短攻略者への報酬をインストールします。――――――――』

えっ、いま核って言った!?

あのガラス玉核なの!?

……放射能とかヤバくね?




『個体名《進藤洋介》へユニークスキル【想像生産クラフト】【最適化】をダウンロードします。――――――――』

そんな声が頭の中で響いていると、頭の中に何かが入ってくる感覚が襲ってきた。

頭が激痛に襲われユニットバスで俺はしゃがみ込んで耐える。

「ぐっ…………いっ……」

少し経つとフッと軽くなった。




何だ今の……スキルとか言ってたが。

そんな事を思っているとまたあの声が聞こえてきた。

『【最適化】を実行しますか?』

ふと頭に浮かんだ【最適化】の文字。

何を最適化するのか分からないけど、最適化するなら良くなるって事だよね?



「え~っと、お願いします?」

『【最適化】を実行します』

もう何が何だか訳わか……。

「ぐあっ!? ……な…んだ…………」

いきなり全身を激痛が襲う。

あっ、ダメだ……。


俺はそこで意識を手放した。






目が覚めるとユニットバスの中で倒れたままだった。

「いっ……つ~」

変な体勢で倒れていたので関節が痛い。

身体を起こし首を捻ってゴキッと音を鳴らす。

浴槽の縁に手を乗せて立ち上がると、洗面台の鏡に映った自分が目に入った。

「……だれ?」

いや、鏡に映ってるから自分だというのは分かるが、俺はこんなにイケメンじゃないし若くもなかったぞ。



36歳独身、両親は既に他界し兄弟も居ない。

親戚とは10年以上連絡を取っていないので、既に関わりは無くなっている。

そう、天涯孤独というやつだ。

彼女が居た事も無けりゃ、若い頃の数える程の友達は既に結婚して疎遠になっている。



なのに、申し訳なさそうに出ていた腹もスッキリしているし、顔も皺も無くイケメンになっている。

20代前半くらいに見えるな。

昔の自分かと言えばそうでもない、いや……ちょっとだけ面影がある?



流れるように色々あって何が起こったのか未だに分かっていないが、ふと鏡に映る廊下が暗くなっているのが目に入った。

廊下に頭を出して部屋を確認すると、夜になっているのか真っ暗だ。

俺はどれくらい気を失ってたんだ?

その瞬間『ぐぅ~』と腹が鳴った。



腹減ったなぁ。

とりあえず何か食うかと思い、廊下に出てキッチンの明かりを点けようとスイッチを押すが点かない。

「停電?」

あれ? そういやユニットバスの中は明るかったよな? と思い振り返るが中は真っ暗だった。

「……心霊現象?」

いやいやいや、こえぇよ!

「ん? ん~?」

今更だが、暗いのに部屋の中もキッチンもちゃんと見えてるのは何故?

これも心霊現象?




これはもしや【最適化】のお陰なのか?

そこでまたお腹が鳴ったので、とりあえず何かを食おうと飯の準備を始めた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ガラス玉っぽい何かを放り出して逃げ出すくらいがリアルな気がする でかいガラス玉だって認識しているものを壊すって自分の体が危なすぎでしょ [一言] 結局の所ファーストボーナスが欲しかった…
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