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◆039 ましゅまろパクパク

「はい、こんばんわー」

「皆、元気にしとった?」

「定期配信の時間だ」

「ですっ!」


『きた』『まってた』『開幕てぇてぇ』『【¥50000】開幕ぶっぱ』『【¥10000】素敵な水着をありがとう。来年分です』『【¥5000】クリスにチーズを』『今日もルルたそがてぇてぇ』『すこ』『二時間前から待機してた』『【¥4545】お布施……ふぅ』『【¥1919】開幕一発・・・ふぅ』『やだ、コメント欄イカ臭い』『草じゃなくてクサ』『【¥500】これでリセッシュ買って』『【¥5000】ルルたそにニンジンを』『コメント欄が草いwww』


「後半にはまたまた重大発表があるからよろしくね!」


 皆でわちゃわちゃっとしながら始めた配信。今回は質問が溜まってきたこともあって雑談しながら匿名質問(ましゅまろ)に答えるのが趣旨である。

 もちろん取捨選択はしているけれど、それでも結構な数の質問があるらしい。

 らしい、というのは「アドリブの方が楽しい」という環ちゃんの主張によっておれたちも質問内容を知らされてないからだ。アドリブ苦手なんだけど、皆がOK出しちゃったからしょうがないよね。

 とりあえずは環ちゃんがネットで視聴者さんと決めたらしいチャンネル名の報告とお礼だ。


「あ、こないだはありがとうございましたー! おかげさまでこのチャンネルの正式名称も決まりました! 正式名称は、『あまねチャン(と)ネル』に決まりました! いやぁ、素晴らしいですね」


 ぐぬぬ……!

 全然上手くない! 上手くないし面白くないぞっ!

 納得いかない……いやでも掲示板では大盛り上がりの末に決定したらしいし、実害ないから我慢である。ファンサービス、ファンサービスの一環だこれは!


「さて、それではさっそく質問行ってみましょう!」


 インタビュワー役の環ちゃんが質問を読み上げて、それぞれが答える形である。わざわざ手持ちマイクを――ってあれ、異世界で使ったマイクじゃん。

 電源入れてないから形だけではあるけれど、小道具として使うのか。


「さて、まずはあまねさん! 『おれっ娘一人称ごちそうさまです! 大変捗ります!』」

「はぁ……ありがとうございます?」


 そもそも質問じゃなかった。


「続いてクリスさん。『異世界の設定をもっと語ってください! モンスターとか魔法とか!』」

「ふむ……ざっくりし過ぎていて何を答えればいいかわからん」

「あ、今度私と動画作りましょ! 魔法の原理とか、モンスターの紹介とか! ほら、葵くんが狩りをしたときの動画ならモンスター一杯映ってますし」

「いいよ」


『マジかwww』『これはwktk』『【¥3000】期待』『なぜ俺は開幕で上限投げてしまったのか』『【¥1919】ビキニアーマー希望』『【¥2525】ルルちゃん以外のけも耳出して!』『【¥2000】きつね耳獣人を! 首領(ドン)ぎつねさんを!』


 なんか次の配信が勝手に決まった。いや、配信っていうか普通に編集して投稿するだけだから良いか。


「次は柚希さん。『肩こりませんか? マッサージ受けたくありませんか?』」

「ふぇ? 肩? そうやねぇ……受けてみたかばってん、受けたことなか」

「あーでもよく机に突っ伏してますよね」

「そうやね……?」


 うん。おれもよく見るけど、柚希ちゃんはソファよりも机に突っ伏して座ることが多い。きっと胸を支えるものがあった方が楽なんだろうなぁ。

 まったく意味が分かってなくて頭上にハテナが浮かぶ柚希ちゃんをよそに、コメント欄は爆速である。

 あと上限スパチャしてくれる人も多い。

 おっぱいには人を惹き付ける魔法の力があるからしょうがないね。あとマイクロビキニ希望するのやめなさい。今年の夏はもう水着配信はしないから。

 

「さて、不健全ヤローどもの血流が改善されたところで荒んだ心を癒すルルちゃんです。『すきなおやさいとにがてなおやさいはなんですか?』」

「んー、みんな美味しいです。あっ、でも、たまねぎさんは切るとき目が痛くなるです!」

「ほら、この無垢さを見て! 穢れた自分を反省しなさい!」


 いや、煽るなよ。


『はんせいした』『てぇてぇ』『じょうかされる』『すききらいなくなった』『【¥20000】ルルたそに切れ味の良い包丁を』『【¥3000】ルルたんにゴーグルを』『こころ、まっしろ』『たまねぎになりたい』『てぇてぇ』


 煽られてなかった。

 全力で浄化されとる……。


「はい、次の質問です。『尻尾と翼と角、一番弱いのはどれですか』とのことですけど、全部よわよわです。翼と尻尾は付け根の辺りが特によわよわです」

「お、おれへの質問じゃん! 何で勝手に答えてんの!?」

「いや、これ誰に、とか書いてませんし。そもそもあまねさんは翼と尻尾の付け根が弱点なんですか?」

「ち、違うし!」

「ならあまねさんのことじゃなさそうですし問題ありませんね」

「ぐぬぬ……!」


 解せぬ。

 コメント欄が盛り上がっているのも解せぬ!

 こいつらエロ方面に全力投球しすぎだろ!

 いやおれも同じおとことして気持ちはわかるけど!


「次は柚希さんですね。『SANZIU』の二重跳びダンス動画をお願いします」

「良かよー。頑張って早めに投稿するけん、待っとってね!」

「る、ルルも! ルルも踊るです!」

「おー、良いですね。そしたら私も一緒に踊ります。皆さんはどうします?」

「踊る」

「うー、踊れるかなコレ」


 失敗したメイキングで環ちゃんにいじられる未来が見える。見えるけど、踊って欲しいってコメントが滝のように流れてきたからしょうがない。


「うん、分かったよ。踊る。下手でも突っ込むなよ!?」

「オッケーです。今度収録しましょうね。次、『環ちゃんの髪型毎回変わってません? 何キャラ?』」

「あーうん。確かに毎回違うよね」

「えっと、最初は清楚系お嬢様で行こうとしたんですけど」


 そんなことも言っていた気がする。清楚系だけど中身は……って奴だよね。


「今、どうやったらあまねさんを分からせられるか模索中です」

「エッ」


 髪型で!?

 髪型にもそんな意味とか効果を求めてるの!?


「なのでまだまだスタイルチェンジする可能性はありますね」


『さすが』『ぶれないwww』『エッは草』『【¥1000】次回のテロ資金』『てぇてぇ』『心配そうにちらちらするルルちゃんかわいい』『クリスがあまねなでるのすこ』『完全にクリスに調教されとる』『このサキュバスよわよわ(確信)』『ょゎぃ』


「さて、次です。これはきっと女の子のリスナーさんからですね。『どんな運動をしたら柚希ちゃんみたいになれますか?』」

「ウチみたいに」


 自分を指さしてビックリしてるのかわいい。


「んー、歌もダンスも練習ばせんと上手くならん。ばってん、練習しよればいつの間にかうまくなっとー」

「そうですねー。ちなみに好きな食べ物や小さい頃よく食べてたものは?」

「どげんしてそげなこと聞くと? ダンスにも歌にも関係なかよ?」

「ほら、良いから良いから」


 あーうん。

 そうだよね。

 柚希ちゃんみたい、の定義が歌とかダンスが上手とかだったら今の回答で良いんだろうけど、胸についてる質量兵器の育て方とかだったら食べ物とかも重要そうだもんね。


「んー、ウチ、好き嫌いはようせんけど、マンゴーばお母が買って来とったけんよう食べとったかな」

「というわけでマンゴーです。マンゴーに秘訣があるようです」


 こてんと首を傾げる柚希ちゃんを環ちゃんは軽くいなす。MC能力が高くて助かるなぁ。おれだったら絶対こんなの無理。

 暇なので配信がそのまま映っているクローンモニターを眺めるけれど、コメント欄すごいことになっていた……柚希ちゃんのバストサイズ当てコメントが過熱し、何故かおれとかクリスのサイズにまで飛び火してる。

 これ、柚希ちゃんには見せられないなぁ。

 Wカップとかサッカーの大会じゃないんだからさ……。

 その後もパラパラと質問に答え、コメントの反応をイジり、みんなで笑う。

 あっという間に予定の時間が来てしまったので、重大発表へと移ることになった。


「さて、それではここで重大発表です」


 環ちゃんがにっこり笑うと、カメラが切り替わる。

 おれたちの映像から、リアとアルマがフルショットで映されたものへと。


「お初にお目にかかります。この度、あまねおねえさまの忠実なる僕として末席を賜りました、リアーナと申します。おねえさま方の助けとなれるよう、微力を尽くしますのでよろしくお願い致しますわ」


 どこぞの令嬢がするような、品の良いカーテシー。

 堂々としたその姿は、クリスによく似た態度である。

 そうしてリアが一歩引けば、今度はアルマの番だ。


「環様にお仕えしております、アルマと申します。この度はありがたくも裏方やお嬢様方のお世話をさせていただけることになりました。以後、お見知りおき下さい」


 こちらもカーテシーをするけれど、どことなく一歩引いたような、(へりくだ)った感じがする。リアのときと何か違うのかな?


『お嬢様』『おねえさま』『これはゆり』『【¥5500】咲き誇る百合の花園に』『アルマ……もしかして柚希ちゃんよりもある?』『おねえさまてぇてぇ』『【¥1000】お世話されたい』『環に仕えてるの? あまねじゃなく?』『ご主人様は環か……』『なんで俺は満額スパチャ終わっているのか』『でかい』『【¥2500】柚希と並んで欲しい』


 コメントも二人の登場に湧いている。


「はい、というわけでこれからはリアとアルマも加わってもっとにぎやかに! もっと楽しい光景をお届けできるように頑張ります!」


 環ちゃんが総括したのに合わせておれたちも手を振る。

 二人に向けた匿名質問(ましゅまろ)は次回と宣言して今日はクロージングとなる。


「それでは、今後ともごひいきに! シーユーアゲイン!」


 カタコト英語で〆たところで配信が終わる。みんなで撮った集合写真を背景に「次の配信もお楽しみに♡」とメッセージが映し出された。

 さて、配信も終わったことだし豪華なディナー(・・・・・・・)と洒落込みますか!



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