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第二章 超乱闘☆スプラッシュシスターズ

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◆026おはなししよう、そうしよう 下

「ほら環。いくっすよ」

「う、うん……」

「悪いことしたら謝るっす。それしかないっす」

「……うん」

 で、落ち着いたのでクリスとはお揃いのバングルを買う約束をした。とりあえずガラス瓶でも売って、クリスの故郷――はちょっと難しいかもしれないけれど、異世界でめちゃくちゃ豪華なバングルを買うことになった。

 その後は、アパートにケータリングを持ち込んでどんちゃん騒ぎをする予定だ。

 さすがにこの見た目だと居酒屋で注文させてもらえないし。クリスもお酒は好きらしく、地球の酒に興味を示していたので大悟に買ってもらって宅飲みすることにした。

 おれ、成人してるもんね!

 今はクリスに横抱きされ、甘々でイチャイチャな空気を出しながら好きな食べ物や飲み物について語り合っているところだ。

 見せつけるように(・・・・・・・・)


「むーっ、むうー!」


 寝室入口。

 ギリギリベッドから外れる床の上で、さるぐつわを嚙まされた上に正座させられた環ちゃんがいる。その目には涙が浮かんでおり、おれとクリスに助けを求めるような視線を送っている。


「なぁクリス――」

「だめ」

「そっか。クリスがそういうならしょうがないな。ダメだ」

「序列を乱した罪は重い」

「そうだね。クリスに悲しい思いさせちゃったもんね」

「むぅーっ!!!」


 ちなみに縛ったのはクリスだ。

 お話をして、おれが落ち着いた後、大悟が環ちゃんを連れて謝罪に来た。


「つまり、今まで抑えてた性欲がおれとすることで溢れてきて制御が利かなくなったと」

「……はい。その通りです」

「そしておれはクリスやルルちゃんとのときもあるから、これを機にメンバー増やしつつ複数プレイもなし崩しでオッケーにしようとしたと」

「……はい」

「発想が一人部屋になったときの大悟と一緒じゃない?」

「うぐッ!?」

できる(・・・)環境になったから、止まらなくなる。しかも大悟と違って能動的に人を巻き込んでる」

「……はぃ」


 しょんぼりした環ちゃんを見ると、少し可哀そうな気もするけれど、流石にこれで許すことはできない。クリスやルルちゃんはおれとしてるし、そういうことを理解しているだろうけれど、柚希ちゃんは騙されてベッドに誘導された挙句、毒牙に掛かることになるところだったのだ。

 いやまぁおれの毒牙なんだけども。


「クリスやルルちゃんは色々事情があるから別だとしても、柚希ちゃんを騙したのはダメだ」

「はい」


 塩した青菜みたいな環ちゃんに説教を続けていると、思わぬところから救いの神が現れた。


「ウチは別に良かよ?」


 柚希ちゃん本人だ。

 彼女はあっけらかんというと、カラカラ笑いながら、


「たまきちゃんなうちと仲良うなりたかったっちゃんね? ウチも東京出てきて心細かったけん、嬉しか」


 恋愛小説の聖女かと錯覚するほどの光属性な発言に、おれは二の句が告げなかった。この子、ヘタな人と知り合ったら騙されてAVとかに出た挙句「せっかくだからこの世界でテッペン取るばい!」とか言いそうなプラス思考だよなぁ……。

 ぽんこつなんじゃなくておれには想像できないレベルのプラス思考で、そのうえメチャクチャおおらかなのかも知れなかった。


「やけん、もうはらかかんだっちゃ(おこらなくても)良かろうもん」

「ううっ、ゆずきざーん! ごめんなざーい!」

「ばってん、騙すとは良うなかけん、次からはきちんと話しんさいね!」

「うん」


 環ちゃんも反省してるみたいだし、これで終わりかなぁ。

 まさかここまで大事になるとは思わず、しかも己のトラウマ製作者たる兄と同様の行いをしていると言われれば、後悔メーターが天元突破するのもやむを得ないだろう。

 環ちゃんは頭が良いから、きっと同じ失敗はしないだろう。

 ぐすぐすと泣く環ちゃんを、柚希ちゃんがぎゅって抱きしめながら背中をさすっていた。おっぱいに顔がちょっと埋まってる感があるんだけど、そういうのを気にしないのもまた光属性なのかも知れない。

 いや、これに関してはぽんこつの可能性もあるけど。

 なにはともあれ、胸を撫でおろして、小さく呟く。


「一件落着かな」

ちがう(・・・)

「えっ」

「えっ」


 否定した声の主は、おれの髪をくるくるしながら暇そうにしていたクリスだ。


「私は怒っている」

「ええ」


 せっかく良い感じにまとまったのに、と思わずげんなりした声を出したら、おれまで睨まれたので静かにしておく。


「貴人が複数の女を囲うとき、家庭の采配や序列の調整は正妻の仕事」


 クリスはおれのあたまをかいぐりしながらも、紅の瞳で環ちゃんを見る。

 環ちゃんも、今回思わぬ形で大怪我することになったクリスの言なので、泣きながらもきちんと向き合って耳を傾けている。


「私の領域に足を踏み入れた。これは下剋上」

「ちがっ、そんなつもりじゃなくて」

「問答無用」


 しゅんっ、ととてつもない速度で動いたクリスが、環ちゃんを捕まえる。

 あっれぇー?

 今さっきまでおれのことを抱っこしてた癖にどういうことだよ。

 恐ろしく早い移動、おれじゃあ見逃しちゃうね! ってことか。ダメじゃんおれ。


「クリス、怪我させたらダメだぞ?!」

「大丈夫」


 クリスは引っ越しのときに使ったビニール紐を使ってせっせと環ちゃんを縛っていく。あれよあれよという間に環ちゃんの自由が消えた。


「私とあまねとの愛を見せつける」

「エッ」

「むがっ」

「嫌?」

「……全然嫌じゃないです」

「もががっ」


 環ちゃんをそっとベッドから降ろして正座させる。ちなみに両足も何ヵ所か縛ってあるので、正座以外に座れる方法はない。


「タマキが立場を理解したら、入れてあげる」

「エッ」

「むがっ!?」

「責める練習する。タマキで」

「エッ」

「もごごっ!?」


 練習がタマキちゃんってことは本番(・・)ではおれの尊厳がピンチな気がしたけど、詳しく確かめるまでもなくベッドへと引き込まれた。


 そして現在に至る。


 環ちゃんが悔しそうな、恥ずかしそうな微妙な顔でもごもご言っているのは非常にエモいですね。鬼畜ドS娘の半泣き顔が可愛いこと可愛いこと。

 さて、クリスにおれの気持ちが伝わるよう、丁寧かつ大胆にサービスするとしますか。

 いざ、パッション!

 と思ったところで寝室の扉がノックされた。

 現れたのは柚希ちゃん。


「罰ば受くるならうちも一緒に受くるよ。一緒なら苦しかことは半分に、楽しかことは二倍になるけんね」


 ウワッ、光属性っ!

 自分をハメてエロ落ちさせようとしてた相手に対する穢れのない発言に思わず(まぶ)しさを感じてしまう。まさに聖女。

 環ちゃんも「エッまじで? ……どーするんですかコレ」みたいな顔でクリスとおれを見ている。だからそういう表情がちょっと大悟に似てるんだってば。


「分かった。じゃあ、縛るね」

「ええよ」


 観客が二人に増えました。クリスは一切動じることなく縛り、環ちゃんの隣に正座させた。

 というかクリスも理性の限界だったらしく、柚希ちゃんを座らせるなりおれに襲い掛かってきたのだ。

 もちろん返り討ちにした後、間違いなく気持ちが伝わるくらい奉仕してあげました。

 うん、おれ優しい。

 その後、クリスに回復魔法をかけつつも環ちゃんと柚希ちゃんを巻き込んで超乱闘☆スプラッシュシスターズな感じになったのは言うまでもない。

 何がスプラッシュなのかは柚希ちゃんの名誉のためにも内緒にしておく。

 あと柚希ちゃんはそういう(・・・・)経験がまったくのゼロでした。メンタルが光属性で何事も挑戦、みたいな雰囲気だったこともあり、まったく理解してなかったくせして興味津々かつオールオッケー、そしてよわよわでした。

 まぁ聖女とかってさらっと負けて()とされる職業だもんね。薄い本とかだと。


「……と、都会はえずか(こわい)ところばい」

「クリスさん……止めるタイミングとか上手くないですか……? 我慢するのすっごい辛いです……」


 おれのみならず、クリスも大満足な結果だったことも記しておく。

 こうして色々な結束を深めたおれたちは、第二回配信も成功させたのであった。

「……(びくんびくん)」

「しまった。やりすぎた……」

「あまねさんが可愛すぎてつい……あ、クリスさん。回復魔法とかは?」

「勇者は回復魔法を使えん」

「エッ」

「攻撃魔法特化で、空間魔法への適正があり、なおかつ剣術も使える。それが勇者だ」

「思ってたのと、ちがうんですけど……ちなみに雷系の魔法とかは?」

「使える勇者もいるみたいだな。他国だが」

「……思ってたのと、ちがう……」

「……(びくんびくん)」

「あ、これにて第二章は終了だそうです」

「次回からは、第三章」

「……(びくんびくん)」

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◆別作品
「実は最強なFランク底辺職の死霊術師は今日もおっぱいに埋まる。」
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― 新着の感想 ―
[一言] 健全、、、健全かこれ?
[一言] 第二部完!!!!!!折り返しか……早いものだ…… 環ちゃんと柚希ちゃんを縛ったまま目の前で蕎麦を打ったんですね、分かります
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