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書籍化記念 暑い夏の夜に③

「さーて、ここからがおれ的には本編! クリスと環ちゃんのコスプレだ!」

「実はこのエピソードに出てくるあまねさんが——」

「宣伝は良いから早く本編にいこうよ!」

「……主人公としてそれもどうなんですか……?」

「ほら、だってふたりのコスプレだもん! 見たいに決まってるでしょ!」

「さて、衣装も手に入ったことだしこれから何を着てもらうか選ぼうかな」


 ミュートを解除してから段ボールをごそごそし始めるが、マジですごい量のコスプレ衣装があった。


「ミニのチャイナ服……?」

「高校の制服ですね、コレ」

『その緑の奴、魔女っ娘アニメの衣装やね! 懐かしかー!』


 出てくる出てくる。

 エロゲのキャラクターが着ていた衣装も混じっていたが、それは武士の情けで黙っておいてやろう。


 まぁ環ちゃんも大悟と梓ちゃんのことをちょっと認めてる? 応援してる? っぽいからね。環ちゃんが怒りそうな情報をわざわざ伝えることはないもんね。


「これとか良いんじゃないですか?」

「まぁ、許容範囲」

『ふたりでお揃やね! ばり可愛か!』


 クリスと環ちゃんが選んだのはナースのコスプレセットだ。

 ナースといってもミニスカだし、胸元はハート型に開いているので癒し系というよりいやらし系である。色違いまでそろえてある辺り、大悟の本気が(うかが)える。


 おれが選んだわけじゃないけど、他の衣装もベッドの中で確認できるし、ナースでいこう。


***


 というわけで二人にはコスプレナースになってもらいました!


 ちなみにラブリー白ナースがクリスで、セクシー黒ナースが環ちゃんだ。


「眼福……! これは(いやら)されるわ……」

「……なんか言い間違えなかった?」

「色々間違ってますけど、合ってるんだと思いますよ」


 コメント欄も読めないほどの速度で流れているので、大盛況である。

 ふふん。  


 ドヤっていたら、二人に肩をがしっと掴まれた。


「せっかくだからあまねさんもコスプレしましょう」

「ヴェッ!? お、おれは勝った側だから——」

「ズルした。ペナルティ」

「えっ、でもルールは——」

「ルールはOKでも私たちの心情はOKじゃないんですよねー。ほら、盛り上げるため、ですよ」

「……はい。コスプレします」


 調子に乗りすぎた自覚はあるので、大人しくコスプレすることにする。

 良いもん。

 ラブリー白ナースとセクシー黒ナースを見れただけで精神的収支はプラスだもん。


 段ボールに手を伸ばそうとするが、止められた。


「あの衣装はあまねさんの体格には合いませんから、私たちに任せてください」

「エッ、ちょっ、ヴァァァァァァァァ!?!?!?」


 画面の外に連れ出されると、あっという間に服を剥かれた。

 慌てて前かがみになるけれど、下着まで含めて全部奪われたせいでこころもとない……じ、人権……!


「動かないで」

「さて、巻き巻きしましょう。ナースさんのお手当ですよお手当」


 クリスと環ちゃんの手には、包帯が握られている。


「ま、まさかとは思うけど——」

「大丈夫です。()()()()から」

「待って! 絶対大丈夫じゃないから!!」

「抵抗すると(ほど)けちゃうかもしれませんよ?」

「ヴぁぁぁぁぁ! 助けて! 誰か助けてぇ!!」


 おれの抵抗も空しく、包帯を巻かれていく。


「待って! 腕とかどうでもいいからまず胸を——」

「はい、見えないように手でガードしてくださいねー」

「カメラはダメ! カメラは本当にシャレにならないから!!」

「大丈夫。位置は完璧」


 おれが動けないのを良いことに、カメラをこっちに向けられてしまった。 

 本当にギリッギリを攻めていて、身じろぎするだけで見えてしまう角度である。


「環、そっちの脚お願い」

「はーい」


 左右の脚をクリスと環ちゃんに確保され、抵抗もできずに脚を開かされてしまう。

 カメラにはギリギリ映らないものの、ふたりには丸見え状態である。


 なぜか太腿を丁寧に包帯で巻き始めるけど、大切なところは全く隠れてない——あ、隠してくれた。

 ……そうですか、ひと巻きだけですか……。


「……さよなら……おれの尊厳……!」


 この配信が初めて再生回数が億を超えることになるのだが、おれのメンタルはそれどころじゃなかった。


 もう不正(ズル)はしません……ぐすん。


***


オマケ「とある宣伝のピロートーク」


(ビクンビクンッ)

「ふぅ……やっとあまねさんを倒せましたね」

「手ごわかった……良かったの?」

「ん? 何がですか?」

「衣装。大悟の」

「ああ、大丈夫です。梓ちゃん自身がもう少し進展させたいって悩んでたので」

「ふーん。意外」

「梓ちゃんの笑顔が一番ですけからね。……本当は私たち(こっち)に混ざってほしいですけど」

「駄目。これ以上増えたら、取り分が減る」

「取り分って……でもクリスさんは正妻ですし大丈夫ですよ」

「……不安」

「ほら、よーく思い出してください。あまねさんはクリスさんのために命を懸けてるんですよ? もうベタ惚れのぞっこんですよ?」

「……それはそうだけど」

「はい、そんなわけで『TSロリサキュバスの健全配信活動!』書籍版はあまねさんとクリスさんがメインのお話になっています!」

「流れるようなダイマ」

「しかもなんと! ラストレーターさんはあのたん旦さんなんです!」

「流れるようなメタ発言……でもすごい」

「しかもしかも、中表紙には今回の番外編にある、あまねさんのあられもない姿も載ってたりするんですよ!!」

「……18禁?」

「いえいえ、ちゃんと全年齢です。ほら、タイトルにも『健全』ってありますし」

「わざわざ主張しないといけないのね……」

「なんと書籍は全編書き下ろし! 初めて触れる人はもろちん、——じゃなかった、もちろん! WEB版を楽しんでくださった方も楽しめる内容になっています!」

「私とあまねの話……楽しんでくれたら嬉しい」


ヴーッ ヴー ッヴーッ


『ウチが出とらんのはなんでー!?』

『る、ルルも! ルルも早く読者さんに会いたい、です!』

『番外編の扱いも酷かー!!』


ツーッ ツーッ ツーッ 


「……今のは?」

「怨念というか、何というか……二人は二巻目に出る予定ですので、まずは一巻目を応援してくれると嬉しいです!」


ヴーッ ヴー ッヴーッ


『皆に会いたかけん、ちかっぱ(ぜったい)買ってほしかー!』

『予約も! 予約も始まってる、です!』


ツーッ ツーッ ツーッ 


「何か勢いすごいですね……」

「買って」

「クリスさんもド直球ですし……なにはともあれ、書籍版TSロリサキュバスは2024年10月30日発売です! ご予約は各書店かWEBから!」

「下部にリンクも載せとく」

「ぜひぜひよろしくお願いします!」

「ほら、あまねも」

「……ヴァッ!? えっ、何!?」

「宣伝ですよ宣伝!」

「アッ!? 何このSS形式! 前書きとか後書きのヤツじゃん!」

「いいからさっさと宣伝してください」

「え、いや、そもそもおれは何ですっぽんぽんなの!?」

「良いから。早く」

「エッ……てぃ、『TSロリサキュバスの健全配信活動!』10月30日発売! 100%書き下ろしでWEBとはまた違う配信の様子がみれるのでぜひ!」

「それ、さっき私が言いましたよ」

「えっ!? じゃあ、その……陰キャバスの皆ー! たん旦さんの超美麗イラストは必見! 神回確定だからお楽しみに!」


ヴーッ ヴー ッヴーッ


『先輩! メロンブックスさんで買うと特典リーフレットがつくッスよ! っていうか自分はちゃんと一巻目にも出てるのに何で電話枠なんスか!? ほら、ちゃんとイラストにも載ってるッス! もっと良い感じの扱いで——……』


ガチャッ ツーッ ツーッ ツーッ 

「このアルマめの解析によると、まだ続くそうです」

「いや、解析って言うか、普通に知ってるだけでは……?」

「次回更新は29日とのことですので、お間違えなきようお願いします」

「いや、あの……?」

「本編にも書籍版にも出番がなくとも、きちんと仕事をこなす有能ぶり……! これは環様に褒めていただけるに違いありません!」

「あー……うん。ソウダネ」

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