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◆AFTER ENDING

「こうしてあまね様は世界を救い、今日も天から私たちを見守ってくれています。……おしまい」


 孤児院の一角に集められた子供たちが、シスターの朗読を聞いてパチパチと拍手を打った。


「あまね様すごい!」

「クリス様がかっこよかった!」

「面白かったー!」

「ねぇシスター。リア様のお話もっと聞かせてー!」

「とーちゃんが生きてた頃、この国を作ったのは環様だって言ってたぞ!」


 やんややんや、と誰が一番すごいのかを話し始めた子供たちを見て、シスターは思わず頬を緩めた。1000年以上も前に実在したと言われる女神やその眷属たちは、孤児たちが笑顔で過ごせるだけのシステムを構築していた。


「さぁ、お昼までもう少し時間があるから、皆お外で遊んでらっしゃい」

「「「「「「はーい」」」」」」

「あまね様ごっこやろうぜ!」

「おれ、あおい様が良い! 冒険者に加護をくださる神様だもん!」

「じゃあ私はゆずき様! 美味しいもの食べれて、一生腹ペコにならないのはゆずき様のおかげだし!」

「ルル様やるー! わたしもいつかルル様みたいな立派な獣人になる!」


 部屋の中央に飾られた主神と、それらを支える乙女たちの石像に頭を下げてから外に飛び出していく子供たち。

 憧れと希望で胸をいっぱいにした後ろ姿を見て、シスターは微笑んだ。


 全員がいなくなったのを見て、改めて主神と乙女たちの石像に祈りを捧げた。

 外で、子供たちの元気な声が響くなか、真摯な思いを言葉にする。


「あまね様、守護乙女の皆様。子供たちが立派な大人になれるよう、加護をお願いします」


 


***


◆神話の時代に世界を救ったとされる神とその眷属に関する研究(抜粋)◆



マリ

 希望を司る乙女。

 資料が散逸しており、詳しいエピソードはほとんど伝えられていないが、知恵を司る乙女環の直筆資料にて「彼女が諦めずに何度も立ち向かったおかげで世界は救われた」と言及されている。信奉されすぎて身動きが取れなくなった後に、主神あまねが使った偽名ではないかという説が有力。


リア

 剣を司る乙女。

 勇気を司る乙女葵とともに冒険者や傭兵に信奉される。放浪者に加護を与える存在であり、各地を葵とともに冒険をしたという逸話が残されている。仲が良かったとされる葵との関係は不明瞭で、現在も研究が進められている。最有力とされているのは姉妹だが、双子や恋人とする説も存在している。

 また少数ではあるがクリスと同一視する説も唱えられている。


アルマ

 奉仕を司る乙女。

 救護院や孤児院の多くが信奉する。主神あまねを始めとした乙女たちを裏で支え続けた献身的なエピソードが残るが、裏方として支えた名前の残らない多くの人々を概念化した存在の可能性を指摘されている。


 勇気を司る乙女。

 冒険者や傭兵に信奉される。資料によって性別が異なるが、「冒険者や傭兵の多くが男であることから信奉しやすいよう女性化された」とする説や「冒険者や傭兵の多くが男であることから親しみやすいよう男性化された」とする説があり、研究が進んでいない。中には雌雄同体であったり、性別を自由に変えられたとする荒唐無稽な説も存在する。

 剣を司る乙女リアとの冒険を描いた物語が各地に散在しており、そちらの研究を専門とする者も多くいる。


 知恵を司る乙女。

 商人や幼い子を持つ家庭で信奉される。こちらは実在していた証拠が多くの国に保管されており、あまね真教国を興した人物の一人だと言われている。彼女が関係した書類やエピソードは群を抜いて多く、特に直筆の手紙や書類は当時を知るための特級資料として国が厳重に保管している。

 一方で、権威付けのためか、『天の御使いとして空から人々に話しかけた』『三日三晩寝ずに働き続けて国を興した』などエピソードには事実とは思えないものも散見される。また、政治的な争いに巻き込まれていたのか『可愛い女の子に涎を垂らしながら抱きついた』等、明らかに嘘だと分かるような冤罪も混じっているため、その他のエピソードに関しても真偽の精査が必要不可欠となる。

 主神あまねの本命であった説が一番濃厚な乙女。


柚希

 豊穣を司る乙女。

 料理人や孤児院では特に信奉されている。人を想ってつくった料理は人々を笑顔にし、健康をもたらすという。豊穣のシンボルとして胸囲が大きい石像が祀られることが多いが、研究者の中には「あまりにも非現実的なサイズ」と非難する声もある。

 また、なぜか鉄砲水や氾濫が多い川の治水や雨乞(あまご)いの祝詞にも名前が出てくるが、水とどういった関係があるのかは明らかになっていない。


ルル

 慈愛を司る乙女。

 獣人の多くに信奉されている。彼女の像や絵画には、足元に絡みつく悪魔の尾が描かれることが多く「悪魔が相手でも払いのけないほどの慈愛を持つ」ともいわれているが、実在しないはずの悪魔が描かれていることから実在の人物はないことを示唆している、とする説が根強く、獣人差別を撤廃するためにつくられた概念的な存在ではないか言われている。


クリス

 正義と勝利を司る乙女。

 騎士や貴族、王族に信奉される。不正を許さない刃は悪を断罪し、正義に勝利をもたらすという。各地の神殿に彼女が用いていたとされる武具が奉納されているが、その真贋は不明。

 石像や絵画では主神あまねとお揃いの腕輪をしているために知恵の乙女環の対抗として、主神あまねの本命の可能性が指摘されている。

 剣を司る乙女リアと同一視され、剣と勝利の乙女として扱われることもある。


あまね

 主神。

 八人の乙女と力を合わせて世界を滅ぼそうとした邪神を倒し、世界に祝福を授けたといわれる。

 あらゆる病を治し、けがを癒すとされ、誰もが信奉する最高神。

 多くの乙女を従えていたことから縁結びの神としての側面もあり、独身者や若いカップルからは特に絶大な人気を誇っている。




 なお、主神あまねも眷属たる乙女たちの幾人かも実在の人物であり、「晩年を過ごした土地」は世界各地にあるものの、彼女らを埋葬したはずの墳墓が見当たらないことや、年代的な整合性が取れないことから信憑性に欠けている。

 主神あまねが息を引き取ったとする土地だけでも69ヶ所存在しているので、その多くは権威付けや話題性確保のための嘘だとわかるだろう。

 人々を助け、世界を守り、歴史を紡いだ彼女たちはどこに消えたのか。

 晩年にどのような想いで人々を見守っていたのか。

 研究の更なる進展が期待されている。




「あ、コラ! また勝手に未来を見て! 魔力めっちゃ使うからダメって言ったじゃん! そもそも分岐が多くて可能性のひとつにしかならないからあんまり意味ないでしょ! もー、使った魔力を補填するまで寝かさないからな!? あ、ちょっ、違う! おれが攻める側だから服を脱がさなッひゃぁぁぁ!? あっ、コラ! 待っンンンッ!? んぅっ、だ、誰か助けてぇぇぇぇぇっ! 待って待って待って何で皆そんなに笑顔な——ひぃ、んッ……ひゃうっ!? 味方ぁ! おれの味方はいないのかぁ!?」

この度はTSロリサキュバスの健全配信活動!を最後までご笑覧いただきまことにありがとうございました。

あまねも超古代文明の技術を使ってアレを取り戻すことは諦めていないようですし、日常的な配信もきっと毎日がんばることでしょう。せっかく行けるようになった全国津々浦々の観光も終わっていません。また筆を執ることもあるかと思いますので、その時は応援お願いします。

まだまだ書ききれなかったことや書き足りないこともありますが、本作はこれにていったん終幕となります。

ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。

あまねたちの騒がしくも愉快な活躍を楽しんでいただけましたでしょうか。


楽しんでいただけていましたら評価感想等いただけると執筆の励みになりますのでよろしくお願いします。


また、新作も鋭意執筆中です!

新作投稿時には活動報告を書きますので、お気に入りユーザー登録等していだけると更新通知が届いて便利かと思いますのでぜひお願いします。


それではまた次の作品でお会いしましょう。

物語の外で、あまね達がずっと笑顔で、そしてみんなを笑顔にするような配信を続けていることを願って。


吉武 止少 拝

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