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閑話「今日は何の日? 11月15日編」

「あまねさんあまねさん」

「何ー?」

「前書き、始まってますよ?」

「ヴォッ?! ナンデ?! ナンデナンデ!?」

「双子ん芸人のごたー(みたい)

「待って。何で始まってるの、ホントに」

「番外編書きたくなったみたいですよ?」

「もおおおおお!? 何なのあの作者!!!」

「細かかことは気にせんで、楽しめばよかっちゃん」

「お、およみください、です!」

「んふふー、あっまねさーん!」

「およ、どうしたの環ちゃん」


 ごろにゃん、と擬音がつきそうな態度で環ちゃんがおれへとダイブしてきた。ちなみに今は昼。栃木の別荘にてみんなでお昼を食べて、今はソファでゴロゴロしてたところだ。クリスはルルちゃんを連れて釣りに行き、葵ちゃんとリアはお風呂だ。

 うん。風呂場には近づけないね。完全に危険地帯だからね。

 柚希ちゃんはバーベキューで余った食品を使って燻製を作っていた。大悟と梓ちゃんがイチャイチャデイキャンプをするために買ったものだけど、置いておく場所がないのでおれたちが預かっているのだ。

 一応、共用扱いで購入したので文句を言われることはないはず。


「ウインナーさんに、ちくわさん♪ 味付き玉子もどげんねっ、と」


 不思議な歌を歌いながら形の良いお尻を振っている姿はとてつもなく魔力が湧いてくる。いや、普通に洋服着てるけどね。夏らしい生成色のサマーニットに黒のショートパンツを合わせた姿はすっごく似合っている。シルエットもくっきり出てるしね!

 うむ、非常に良い(ディ・モールト・ベネ)ッ!

 そんなことを考えていると、俺にダイブした環ちゃんがおれのお腹へと顔をこすりつけてきた。


「んー、ぷにぷにで柔らかーい」

「ちょっと! 何かそれ、おれが太ってるみたいじゃない!?」

「いや、太ってないですけど、ぶっちゃけ筋肉ゼロじゃないですか?」


 ぐぅ!?


「そんなことないし!? バッキバキだし!」

「はーい、そうですねー」


 環ちゃんはえっちな手つきでおれの脇腹とかをさわさわしながらもことばを続けた。


「そういえば、今日って何の日か知ってます?」

「エッ!? このまま会話するの!?」

「当てられたらご褒美をあげますよー」

「あっ!? ちょっと! そんなとこ触られたら考えるのに集中できな――なんで止めるの!?」

「あまねちゃん……ばりばり矛盾しとーことに気付いとー?」


 燻製作ってる柚希ちゃんに苦笑されたけれど、しょうがないじゃん!?

 おれは悪くないっ!

 反論しようとしたけど、それで環ちゃんの手が戻ってくるわけでもないので考えてみる。


「何の日……誕生日、は誰のでもないし、祝日でもないしなぁ」

「勘で答えてみますー? 間違えたら罰ゲームありますけど」

「うぐっ……それじゃあギブアップ、します……」

「ばり残念そうやなぁ」


 環ちゃんの罰ゲームはホントの本気で辛いからノーセンキューなのだ。頭良いしアイデアもすごいのに、使い方が全部ぴんく方面なんだよなぁ。残念な天才ってまさにこういうタイプなのかも知れない。


「むむむ……残念ですが、答え合わせとしますか」

「でも、本当に何の日?」

「正解はー、七五三でした!」

「七五三!? 該当者ゼロなのに七五三って厳しくない!?」

「そうですねぇ……あまねさんの七五三は三年後ですしね」

「ヴァッ!?」

「ほら、だって生後……3ヶ月ちょっとですか?」

「うーん……確かにサキュバスになったのはゴールデンウィークくらいだからそんなもんかも?」


 思えばたった数ヶ月でおれの常識はとてつもなく塗り替わったよなぁ……。

 ちんちんは無くすし、異世界でサキュバスになっちゃうし。おまけに二回も死にかけて、アイドルグループも真っ青な可愛い娘たちに囲まれてるなんて、それまでのおれに言ったらエロゲのシナリオの話をされてるって勘違いしてただろうな。


「あーでも千歳飴(ちとせあめ)は好きだよ?」

「あれ美味しいですよね。銀歯取れますけど」


 二人でクスクス笑っていると、燻製器の火を消した柚希ちゃんが逆隣に座った。


「仲良うしとーと羨ましか。うちも混ぜて欲しかー」

「おお! 巨大な山脈ですよあまねさん! これは二人で攻略にかからないと!」

「我々調査隊は、未知の領域に足を踏み入れるのだ!」


 馬鹿なことを言いながら二人で柚希ちゃんに手を伸ばすと、猫パンチみたいな威力でぺちんと叩かれた。


「昼間からえっちなんな良うなか」

「アッ、ハイ」

「あと言いよーことがおじさんのごたー(みたい)

「うぐっ……!」

「あまねさんです。あまねさんの中の男の魂からおじさんっぽさが出てきたんですよきっと」

「あっ!? ズルい!?」

「おや? それともあまねさんはもう心まで女性になっちゃいましたか?」

「ぐぐぐっ……! 漢だし! 正樹さんとタイマン張れるレベルの漢だし!」

「ならあまねさんが原因ですね。私、女子ですし」


 納得いかない!

 すごく納得いかない!


「とりあえず燻製の味見だっ!」

「まだできんよ? 煙が落ち着く前に開くると臭うなるけん」


 ぐぬぬ。

 解せぬ。


「代わりに柚希さんを頂こうとおもったんですけども」


 解せる!

 それなら解せるよ!


「えっちなんな良うなか」

「ですねぇ。気温も高いですし、柚希さんも昼から脱水起こすと大変ですもんね」

「何言いよーと!? ウチ、そげんならんばい!?」

「げへへ。これは是非とも確認しないといけませんねぇ。ねぇあまねさん?」


 か、確認したい。

 めちゃんこ確認したいです!

 確認したいけどここは反撃すべきだろう。


「だが断るッ! 柚希ちゃん、どう!? おれと環ちゃん、どっちがおじさん!?」

「これは環ちゃんやねぇ」

「あまねさん!? 裏切る気ですかっ!?」

「別にー? だって自業自得だしー? ねー、柚希ちゃん!」

「ぐぬぬ……この決着は夜につけますからね! 我が軍の圧倒的な戦力を見せつけてやりますからね!」

「我が軍って……リアと葵ちゃんとアルマ?」

「ですです。言うならば環連合軍ですね」

「ふふーん。それを言うなら、おれにはクリスも柚希ちゃんもいるもんね!」


 今夜がおれたちの関ケ原だな!


 ……。

 …………。

 ………………。


 なんて気合を入れていたら、クリスはチーズであっさり買収され、ルルちゃんは環ちゃんの説得(・・)によって裏切らされていました。

 畜生……なんでおれが西軍なんだよ! 小早川(うらぎりもの)が多すぎるんだよぉ!

「…………」

「あまねおねえさま?」

「なんで」

「えっ」

「何でハロウィンを無視して七五三なの!? しかも実質関係なかったし!」

「はろ……何?」

「何をおっしゃってるのか、ちょっとわかりませんわ」

「なぞなぞ、です?」

「くそぉっ! 後書きの配役も異世界出身の人たちばっかりだしさぁ!」

「ご、ごめんなさい、です……」

「ちがうちがう! ルルちゃんには怒ってないよ!」

「怒ってない、です。ホント、です」

「あまね。何に怒ってるの?」

「作者! 作者だよ!」

「今更だ」

「今更です」

「いつも通り、です」

「……まぁそれはそうなんだけども」

「あ!?」

「およ? どうしたの?」

「こ、今週末? くらいにまた、閑話? をあっぷするみたい、です!」

「ルルちゃん、何か変な電波を受信してない?」

「駄目ですわ。きっと体によくありませんの」

「チーズだ。チーズで浄化しよう」

「出来ないよ!? クリスが食べたいだけでしょ!?」

「あら? チーズには微かですが浄化効果がありますのよ?」

「エッ……嘘だ! 二人とも嘘の顔で笑ってるもん!」

「……バレたか」

「バレましたわね。大人しく柚希おねえさまに夕飯のリクエストをしてきますわ」

「……と、取り繕いすらしなくなった……!」

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