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TS少女は幼女プレイをするようですよ(その7)

「んうっ……」


ぴちょっ――と水滴が落ちる音がしてしばし。


狭い個室にちょろちょろと、まるでジョウロで水を撒くような音が響く。


はじめは小さく、次第に大きく。

その音が増すにつれ、俺の股間のゾウさんが再び元気を取り戻してくる。


恐らく今振り返れば、上半身キャミソールの黒髪和風美少女が下半身を丸出しにし、足を広げて液体(・・)を放出している姿を見ることができるだろう。


「フーッ、ハーッ。落ち着け、俺」


俺たちが今の渚の精神年齢と同じくらいだった頃は、連れションをしたことぐらいあるだろ。

アイツの股間にぶらんとした物(・・・・・・・)が付いているのを何回も見たろ。


姿形が変わっていても、俺の後ろにいるのが渚であることには違いない。

だからコレは単なる連れション。

男同士が同じトイレに入ってるだけだと思えば……思えば……思……思える訳ないだろ!


だってコイツ、メチャクチャ可愛いんだぞ。美人でいい匂いがするし!

おっぱいが付いてるし!

股間からアレが無くなってるし!


頭のてっぺんからつま先まで、体は正真正銘まごうことなき女の子じゃん!


ムリムリ。それと一緒にトイレに入るなんて今更ながら耐えられねーよ!!


一体今日だけで何度、理性の壁をカリガリと削られたと思ってんだよ。


もうゴールしてもいいよね? と心が悲鳴をあげてるがそもそもの話、俺は何で耐えてるんだっけ?


ここまで美味しい据え膳を用意された以上、食べちゃってもよくね?


次第に水音のボリュームが安定し、今度は逆に音が少しずつ小さくなっても未だ膨れ上がったままのゾウさんが、獣性を発揮してそう訴えてくる。


どうせいまの渚は、いかがわしいことの意味を理解できないだろうし、襲い掛かるっても乱暴にさえ扱わなければ、訳が分からずとも受け入れてくれる公算が高い。


――それほどまでに無垢故な誘惑に追い詰められ、ドス黒い欲望に身を任せてしまおうとした俺だったが、それをギリギリで踏みとどまらせたのもまた、渚の無垢さだった。


渚はいくら俺しか頼る者がいないからと言え、トイレに連れ込むくらいには俺のことを信頼している。

なればこそ何も分からない純粋な魂を、唾棄すべき男の欲望で蹂躙するのは心が痛む。


これが仮に渚の幼児退行が演技だったとしたら、俺は欲望に膝を屈し、喜々として渚の体を貪っただろう。

一連の接触がワザとだとしたら、いくら鈍い俺でも『誘ってんだろ』ってのが分かるからな。


でもそれは無い。絶対無い。


だってそうだろ。

いくら俺を誘惑する為の演技でも、理性と知性がある状態で俺をトイレに連れ込んで放尿に立ち会わせるなんて、よっぽど頭がイカれてなければできることじゃない。


少なくとも渚は、そこまで変態じゃないと俺は信じている。


――後にして振り返ってみれば……そう、それこそ俺と渚の間に女の子が生まれたくらい遠い未来から振り返ってみれば、俺と結ばれる為に女になった渚は、ある意味変態(誉め言葉)だよなと思ったんだが、このときはそこまで思い至らなかった訳で――


故に渚の幼児退行は演技でなく、俺は手を出す訳にはいかない。


そう証明完了するうちに、渚は体内に溜まっていた液体の排出を終えたようで、水音が止まっている。


「ふー、すっきりした。後はビデ(・・)ボタンを押して、と」


ビデは興味本位で使ったことがあるけど、象さんとケツ穴の中間、何もない部分に水が当たるだけで、最初は何の為にあるか分からなかったんだよな。


女性が用を足した後に使う機能だってことも、ついでに男と女じゃ生殖器の位置が違うってことも、知ったときは大層驚いたっけ。


こんなささいな事に至るまで、コイツの体が女だって意識してしまうのは、どうにかならないもんか。


さて、ビデの水音が止まった後は、カラカラとトイレットペーパーが転がるBGMに続き、何かを拭くような音色が聞こえてきたが、さすがにこれは何をしているか分かる。


男で言えば、ゾウさんの鼻をつまんで滴を飛ばす行為だからな。


「お兄ちゃん、おしっこおわったよー」

「おー、ちゃんとできたな。偉い偉い」


渚の方を向かないまま、足元に落ちていた下着とショートパンツを渚に渡す俺。

そのまま彼女が下を穿くのを待つ。


え?


俺がさっきから妙に大人しくて、冷静すぎやしないかって?


そりゃそうだ。だって渚のアレな音を聞いてるうちに、2回目の賢者モードに入っちまったからな。

いやいや、まさか1回目の後に間を置かず、しかも手を使わずにこうなるとは、我ながら驚きだよ。


そのおかげで事故(・・)を起こすことなく乗り切れたから結果オーライだけどさ。


後は何食わぬ顔で部屋に戻り、パンツを穿きかえればミッションコンプリート。

……と思っていたんだが。


連れ立ってトイレを出た渚が、俺に顔を近づけて鼻をひくつかせる。


「どうした?」

「お兄ちゃんの体からイカの臭いがするんだけど、気のせいかな~?」


ギクッ。

1回目は消臭剤で誤魔化したが、2回目の臭いまでは誤魔化せてなかったようだ。


「あ、ああ。ちょっと晩メシが物足りなかったからな。渚が着替えてる間に、追加でイカを焼いて食ったんだよ」

「も~。渚に言ってくれれば作ってあげたのに~」


明らかに子供騙しなウソだが、子供を騙すには十分だろ。


「そ、それより渚、ちゃんと小便済ませたんだよな? 何で内股でソワソワモジモジしてんだ?」

「わかんないの。お兄ちゃんのイカの臭いを嗅いでたら、アニメでプロレスごっこを見たときみたいに、体の内側がポカポカしてきて……」

「じゃ、じゃあ俺は風呂を沸かしてくるな!」


明らかなヤバさを感じた俺は、さっさと戦略的撤退を決め込み、自室へと退避した。


その後も予想通り風呂に乱入されたり同じ布団で寝たりと、渚がもとに戻るまでの2日間気が休まることはなかったが、最後まで一線を越えず耐え抜いた自分を誉めてやりたい。


入浴と同衾イベントについては、今回のエピソードで一気に吐きしても、エロネタが続けば食傷気味になるかな? と判断して別の機会に回しました。


そのエピソードを期待していた方には申し訳ありません。

また、話の展開も相変わらずの無軌道ぶりで重ねてお詫びいたします。


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