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TS少女は幼女プレイをするようですよ(その6)

前話は慌てて書き直したせいで、話の展開が急だったりツギハギだったりとアラが気になったので、余裕ができたら少しだけ手直ししたいと思っています。

夜に一人でトイレに行く。

ああ、たしかに世界が狭い(・・・・・)小さな子供にとっては不安なものだ。


実際俺も子供の頃は、適当な口実をつけて渚をトイレ前まで呼び出し、扉一枚隔てた先に待たせた状態で用を足したこともある。

渚に至っては、ダイレクトに『怖いからトイレの前まで付いてきて』と頼んで来ることがままあった。


俺たちが仲違いするより遥か昔の、懐かしい記憶だ。


だけど、いくら大して性能のよくない脳内のハードディスクを検索しても、トイレの中まで(・・・)付いて来てくれ、なんて頼まれた記憶はない。


ならば、この展開はどうしたことか。


「い~や~。お兄ちゃんと一緒に入るの~!」

「ダメったらダメだ!」


これで相手が本物の子供なら、俺も『仕方ないな』と苦笑しながらも付き添っただろう。


だが、廊下に出た俺の手を引いて、目の前の個室の中に入ろうとするのが、(外見は)高校2年の少女となれば話は別だ。


体に中身が伴っていないながらも、食べさせ合いとか膝の上に座らせるとか、多少のことは大目にみてきた。


けど、排泄行為(トイレ)だけはキツい。

ある意味、一緒に風呂に入るより倫理的にアウトな気がする。


「じゃあいい! お兄ちゃんが一緒にきてくれないなら、このままおもらし(・・・・)するもん!」

「はあ? なんでそうなるんだよ! ……って、ちょ、ちょっと待て!」


キャミソール姿の少女が体をプルプルと震わせる姿に慌てた俺は、さっきとは逆に渚の手を取って個室へ連れ込む。


小さな子供に論理的な思考を求めるのは間違ってるかもしれないが、無理が通れば道理が引っ込むとはよく言ったものだ。


渚に失禁させるくらいなら、トイレの付き添いの方がまだマシってもんだよな。

……いやまあ、ドア・イン・ザ・フェイス的な考えをまだ引きずってるのは分かってるんだけどさ。


どっちも嫌だと拒めない自分の弱さが恨めしい。


「これが渚じゃなく他の連中だったら、ここまで面倒みないで途中で放り投げるんだけどな……はぁ~あ」

「え!? に、兄さ……お兄ちゃん、それホント!?」


何が琴線に触れたのか、俺につめよる渚。

少なくとも、俺がお前を特別扱いするのは当たりまえのことだろうに。


「ああ、本当本当。つうかそんなことより、漏らす前に早く出しちまえ」

「うん! ……えへへ~」

「そんなにご機嫌ならトイレも怖くないだろうし、一人で……」

「それはダメ!」


チッ、逃走失敗か。


「仕方ない。じゃあこっち向いてるから、さっさと済ませてくれ」


俺は便座前に陣取った渚に背を向け、入口側へと振り返る。


「あと、耳は塞いでおくから、終わったら肩でも叩いてくれ」

「なんでお兄ちゃんは耳をふさぐの?」

「何でって……音を聞かないために決まってるだろ」

「なんでおしっこの音が聞こえちゃダメなの?」

「そりゃあ……あー、何て言うか……」


ああもう。羞恥心まで薄くなってるのはホント厄介だな。

だんだん面倒臭くなってきた。


「分かった分かった。じゃあ耳を塞ぐのはやめるから、早く済ませてくれ」


ここから『なんで渚の方を見ないの?』なんてツッコミが派生されても困るから妥協しよう。

なーに。音なんて意識しなければそれで済むだろ。


……なんて考えてたさっきの俺を殴りたい。


「んしょ、んしょ」


背後から聞こえてくる衣擦れの音。


「よいしょっと」

「え?」


背後から飛んできたソレ(・・)を見て、俺はついつい間の抜けた声を出してしまう。


「ちょ……おま……何でショートパンツを放り投げてるんだよ!」


脊髄反射的に振り返らなかった自分自身に、心の中で喝采を贈りたい。


「えー。だって穿いてるものを全部脱がないとおしっこできないもん」

「立ちションするのにワザワザ全部脱がなくても……ああいや、何でもない」


自分基準だったり、渚が本来男だと思ってると、こういうことを失念しちまうんだよな。

女の子はホース(・・・)が無いから、立ったまま用を足せないんだった。


『立ったままできないことはないけど、ほぼ真下に垂れるし、狙いがつけれず難しいんだよ』

とは、一度そういう話になったときの渚の談だ。


加えて、座ってするときは下を全部脱ぎたくなるのは分かる。

俺自身、中学の頃まで大きいモノを出すときはそうだったからな。


こういうところで、俺と渚は全く似てなくても兄弟なんだなっていうのは感じるな。


「じゃあもう1枚脱いで、と……えいっ!」

「……ッ!?」


再び俺の足元へと放り投げられたピンク色の物体を見て、硬直してしまう。


パンツ。

あるいはランジェリー。


言わずもがな、女性の股間部に直接あてがわれる布地だ。


マトモに見るのは初めてだが、その小ささに驚いてしまう。

よくこれで大事なところが隠れるな。


――この布地が、さっきまで渚の大事なところを覆い隠していたんだよな。


そう思った瞬間、ムラッとした感覚が全身に走るが、惑わされないよう舌を噛んで耐える。


たった今まで渚が穿いていたこともあり、ホクホクいう擬音を立て、湯気を立ち昇らせているように見えるが、アレは俺の妄想でしかないはずだ。


裏返ったパンツの中央部――クロッチの部分が湿っている(・・・・・)ように見えるのも、単なる目の錯覚のはずだ。


いつだったか俺は、渚の下着なんてまったく興味が無いと断言した。

その言葉を翻しちゃいけない。


俺は、一度大人しくさせたゾウさんが再び鼻を伸ばそうとするのを、懸命にこらえていた。


唐突な展開やツギハギ文章にならないよう描写や流れをしっかり書くと、話の展開自体が遅くなる……。

話の展開を急ぐか、描写をしっかり書くかで色々悩んで、丁度いいバランスを探して試行錯誤しながら書いてます。


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