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TS少女は幼女プレイをするようですよ(その5)

10/22 16:45

展開に矛盾があったので修正しました。

「お兄ちゃんってば鼻息荒い~。くすぐったいよぉ~」

「あ、す、すまん」


双子の弟――いまは妹になってるが――を膝の上で抱きかかえた状態で、双子の兄妹がプロレスごっこ(・・・・・・・)をしているアニメを見る。


これってどんな罰ゲームだよ!

さらにタチの悪さに拍車をかけているのが、一緒に観ている渚はプロレスごっこの意味を分かってないことだろう。


「ねえお兄ちゃん。渚のお尻に硬いモノが当たってるんだけど、これなーに?」

「あ、ああああ、当ててんだよ!」


やっちまったー!

しかも動揺のあまり、答えになってない答えを返すというオマケつきで。


けど、仕方ないじゃないか。

このシチュエーションで勃たない方がどうかしてる。


いくら自制をしようとしても、外部(女の子)からの刺激と|内部(アニメを見たことによる精神的興奮および動揺)からの刺激は抑えられない。


そういったモノに男の体は勝手に反応するようにできてるんだよ!


……と、とにかくだ。

一度起立(・・)した以上、何もせずに鎮めるのはほぼ不可能だろう。


「はぁ……はぁ……」

「な、渚! どうした!?」


いつの間にか、膝の上に乗せていた渚の様子がおかしくなっていた。

その口から洩れる吐息は切なく、ちらりとこちらを振り向いた瞳が妙に潤んでいる。


「お兄ちゃん。渚おかしいの……はぁ……あのお兄ちゃんと妹ちゃんのプロレスごっこを見てたら、お股がむずむずしてきちゃったの……んっ……」


まさか発情してやがるのか!?


幼児退行でプロレスごっこの意味を忘れていても、そして本質が男だとしても、渚の体は紛れもなく年頃の女性のものだ。


コイツの“女体”そのものが、アニメのシチュエーションや俺という“男の体”に反応して興奮しているんだろう。


……いやいや、そんな分析をしている暇はない。

こっちもこっちで手一杯なんだ。


スポンジのように柔らかいお尻の圧力を象さんが受け、体がどんどん火照りを帯びてくる。

その噴火(・・)を鎮めるために、差し出された生贄()を貪りたくなるが、そういう訳にもいかない。


こうなったら是非もなし。

渚本体に襲い掛からないために、俺に乗っかってる渚のお尻に象さんを擦りつけ、鼻水を出させる(・・・・・・・)ことでスッキリしよう。


そっちの方がプロレスごっこよりまだマシ……って、どっちもアウトだろ!


ドア・イン・ザ・フェイス。

一度無理難題を要求して断られたのち、小さな要求を通りやすくするという交渉事のテクニック。


いつの間にか俺は、自分で勝手にその思考へと陥っていたようだ。


と、すれば必要なのは戦略的撤退だ。

自覚のないままフェロモンを撒き散らしている渚と、兄妹でプロレスごっこをしているアニメの両方から距離を取って冷静になる必要がある。


「すまん、ちょっと兄ちゃんトイレに行ってくる」

「はぁ……ふぅ……え?」


渚な何か言うより早く、その軽い体をひょいっとどかせ、リビングから撤退する。


俺はリビングから居なくなった訳だから、ひとりぽつんと残された渚が『まさかあそこから持ちこたえるなんて……だけど逃がさないよ、兄さん』なんて妖艶に微笑んだ事なんて、知るよしもなかった。






――トイレに飛び込んで1分。


「あー、スッキリした。ここまで最速で出せるってことは、どれほど溜まってたんだって話だよな」


何をとはあえて言わないが、“ソレ”を便器に流した俺は、スプレータイプの消臭剤を振りまく。

当たり前だが換気扇もガンガン回しているので、匂うことは無いだろう。


「そう言えば渚のヤツ、大丈夫だろうな?」


一人になった渚が、知識は無くても体の疼きに導かれて一人遊びをしてないだろうかと不安になる。


もっともその不安は、トイレのドアを開けた先で、ふくれっ面の渚に待ち伏せされていたことで解消された訳だが。


「む~。お兄ちゃん、いきなり渚を置いていなくなるなんて酷いよ」

「ああ、悪い悪い。けどオシッコはしかたないから許してくれ」


そのオシッコが黄色じゃなかったことはさておき。


「ヤダ、許さない。お兄ちゃん渚の事なんてどうでもいいでしょ?」

「いや、そんな事無いぞ。俺はお前の事がちゃんと好きだぞ……っと」


手を洗わないまま渚の頭を撫でそうになったので、慌ててその手を引っ込める。

しかし、それがご機嫌斜めなお姫様のカンに触ったらしい。


「頭を撫でるのをやめるなんて、やっぱり渚のことどうでもいいんだ!」

「い、いや。そうじゃなく……その、まだ手を洗ってなかったんだよ」


そう言った俺の右手をとった渚は、自らの両手でぎゅっと握りしめる。


「お兄ちゃんがゾウさんを触ったおててでも、渚は平気だもん」

「やめろ! 臭いを嗅ごうとするな! 頬ずりしようとするな!! 舐めようとするな!!!」


むくれているだけだと思ったが、まだスイッチ(・・・・)が入ったままなんじゃないだろうな。


「とにかくまあ、悪気はなかったんだから勘弁してくれ。今度何か買ってやるからさ」

「ほんと!? じゃあ許してあげる~」


小さい子供は物で釣るに限るな。

さっきまで不貞腐れてたのがウソみたいに、にぱっと笑いやがった。


「さて。アニメはもういいだろうし、風呂に入って寝る準備……ハッ!?」


メチャクチャ嫌な予感がした。


体は大人、心は子供の渚。風呂。


……うん。この先の展開が安易に予想できるな。


遠い目をした俺だが、渚の発言はその斜め上を爆走するものだった。


「お風呂の前におしっこしたいな。お兄ちゃん、夜に一人でトイレに入るのは怖いから、一緒に入って」


当初は発情した(フリをした)渚が、兄一の亀さんにお尻を擦りつける展開でしたが、さすがにそこまで行くとヤバいだろと思って書き直しました。


でも次回の展開はもっとヤバい気がしてなりません。


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