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TS少女は幼女プレイをするようですよ(その4)

我が家――と言っても俺と渚の2人暮らしだが――では、後片付けは料理当番じゃない方が行う。

つまり今日は渚が料理を作ったから、後片付けは俺の仕事だ。


「あー。終わった終わった。さて、部屋にオカズ(・・・)を取りに行くか」


同居人がいる我が家において自家発電はなかなか難しい。

本来なら自分の部屋で勤しむべきなんだろうが、生憎俺の部屋は鍵がかからないうえ、何度注意しても渚のヤツがノックなしに入ってきやがるからだ。


ましてや今の渚なら、注意したところで『わかったー』と言いながら平然と部屋にやってくるだろう。

そんな訳で、やるときはトイレを使うのが俺のスタイルだ。


ゾウさんのエサ(・・・・・・・)は何を使うかなあ。兄一(けいいち)コレクションは壊滅しちまったし」


兄一コレクションと入れ替わりでDドライブを不法占拠している、渚のちょっとエッチな写真が頭によぎったが、速攻で却下する。


「アレを使っちまったら、渚のキラキラとして無垢な目に顔向けできないからなあ」

「お兄ちゃん、渚のこと呼んだ?」


部屋のノブに手をかけたタイミングで、自室から出てきた。


「え、ああ、い……や……」


言葉にどもったのは、渚の恰好に見入ってしまったからだ。


ともすれば下着とも言い切れるほど薄手の、白のキャミソール。

下半身は濃紺のショートパンツで、太ももの露出はかなりの際どさだ。


さらに動きやすい服装に合わせ、腰まで伸びる長い黒髪を束ねてポニーテールにしている。


渚は普段は清楚なイメージが先行するんだが、いまはアグレッシブで健康的な印象を受ける。


こうして見ると、女の子(・・・)っていうのは服装と髪型でガラリと印象が変わるもんだな。


本当に、こういうときはコイツが男だって忘れそうになるよな。

……いまは当の本人すら、自分の本当の性別を忘れてる訳だけどさ。


「どう、このお洋服可愛い?」

「あ、ああ、すごく可愛いと思うぞ」


相手が子供だと思うと、普段言わない本音も口に出してしまう。


「んふふ~。ありがとう、お兄ちゃん」

「こらこら、抱きつくな」


比較的冷静を保っているが、内心では心臓がバクバク鳴りっぱなしだ。

ひっつかれることに悪い気はしないが、色々体に悪いから(・・・・・・)勘弁してほしい。


「ところで渚。その手に持ったDVDは何だ?」

「わかんないけどお部屋の机の上にあったの」


中途半端に記憶を失う前の渚が所持していたということだろうか。


「えーと、『サスガノソラ』? 見たことないけどアニメっぽいな」

「ねえねえ、これ一緒に観よ?」

「あ、おいおい。分かったから手を引っ張るな」


……このときの俺は、アンパソマンやトラえもんを見たがる子供に付き合うくらいの軽い気持ちだった。

だけど、体の大きな(発達した)子供と一緒にアニメを見る行為が、あれほど大変だったなんて……。






俺たち……いやさ、俺の座るソファーの正面に置かれたテレビからはアニメの軽快なオープニングに、全身全霊を込めて集中しようとしていた。


何故なら……。


「なあ渚」

「なに、お兄ちゃん?」

「ソファーじゃなく、俺の膝の上に乗るのはやめてくれないか」

「嫌!」


コレが原因だ。


子供が甘えて大人の膝の上に乗ってくるのは、まあ分かる。

だけどそれを女子高生の体でやらないで欲しい。


重さに関してはまだいいんだ。

むしろ体重を預けられているにも関わらず、全然負担にならない。

今まで知らなかったが、女の子の体はこんなに軽いのかと、逆に驚いたくらいだ。


じゃあ何が問題かって?


まず見た目だ。

さっきは間接キ……もとい食べさせ合いで真正面から渚を見つめた訳だが、女性の背後というのは、また別の意味で目が()かれてしまう。


艶のある髪にしかできない、美しい光の環。

普段は髪の毛に隠れて見えないが、ポニーテールにしたことで浮かび上がったレアなうなじ(・・・)


さらに熱だ。

むき出しの肌が密着していることで直に感じる渚の体温。


そして匂い。

普段の渚から漂う薔薇のような香気と、密着して暑くなったことで少女がかいた汗の、ほんのり甘酸っぱい匂い。

この2つが混じり合って男を刺激するフェロモンのようになり、俺の鼻孔を侵し続けている。


そして最後に感触だ。

桃のように柔らかなお尻が丁度、俺の大事なところに乗っかるだけでもシャレにならないのに、落ち着きが無い渚がずり落ちないようにと、強制的に後ろからお腹に腕を回させられている。


男よりも高い位置にある細くくびれたウエストを抱きしめていると、否が応でも男と女の差というものを実感してしまう。


とまあ、どれか一つだけでも破壊力がかなりのモノなのに、これだけ重なれば数え役満もいいところ。


だから頭の中で素数を数えるかのようにアニメに集中することで、ひたすら渚から意識を背けてるって訳だ。


しかし、このアニメ結構面白いな。

田舎に移り住んだ双子の兄妹を中心に、様々な女の子が関わってくるラブコメなんだが、見ていて飽きがこない。


「面白いね、お兄ちゃん!」

「そうだな」


腕の中の渚もご満悦のようだが、そんなほのぼのとした雰囲気で楽しめたのは中盤までだった。


話が進むにつれ、劇中の双子の兄妹の仲もシャレにならないくらい進展していき……。


「ねえ、あのお兄ちゃんと妹ちゃんは、どうして裸でプロレスごっこ始めたの?」


そんなん俺が聞きてえよ!

何だよこのアニメは! 普通のラブコメかと思いきや、何で兄と妹のベッドシーンがあるんだよ!


(幼児退行する前の)渚のヤツ、なんてアニメ所持してやがんだよ!


今更ながら、今のネタはただでさえニッチなTSの中でも、かなりマニアックなネタに走ってる気がする。

だけど書きたいというサガから逃れられない……。


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