【番外編】王妃殿下は国王陛下に叱られる
一ヶ月間の罰が開けた私は、これでもかとポテチとコーラを堪能した。
改めてポテチとコーラの素晴らしさを実感した。
美味い。
あと、リリーちゃんとローズさんは二人でめっちゃ飲んだらしい。
いいなぁ、私お酒弱いから羨ましい。
魔法学校にいた時は二人とも何だかギスギスしてたけど、すっかり仲良しになって良かった。
さて、今日からまた時空魔法の実験が出来るんだけど、ぶっちゃけましょう。
めっっっちゃ楽しみ!
タイムトラベルってどんな感じなんだろう?
過去に行くことで現在にどれ程の影響が出るのか。
パラレルワールドは存在するのか。
未来がどんなことになってるのか。
どれも日本じゃ絶対体験できなかった事ばかりだもん、興味が湧くにも程がある。
でも、まずは二人が安定してタイムトラベルが出来るようになるまで、練習あるのみだね。
二人のことだから、来月くらいには完璧にマスター出来るんじゃなかろうか。
うーん、ドキドキするなぁ!
「「時空魔法は完成しましたよ」」
ん?
二人とも、今日まで時空魔法禁止してたよね?
「はい。
ですから、フラン様が先程時空魔法を解禁してから三日ほど練習して、ここに戻ってきました」
何その裏ワザ。
てか、二人とも三日間でマスターしたの!?
「時間を行き来してたのでハッキリと三日間とは言いきれませんが、体感で多分三日位だと思います」
何なん、この娘ら。
言葉通り次元が違う。
「それでご相談なんですけど、ロナウド陛下にはいつこの時空魔法を報告しますか?」
え、なんで報告する話になってるの?
「あの、えっとですね……ロナウド陛下に時空魔法の事知られることになるんです」
なぜ!?
「いや、その……来月の私達曰く、実験を見つかって怒られる前に正直に話しておいた方が無難だと言っていました」
ほほう、つまりどこかの時間軸で二人はタイムトラベルが見つかって怒られるんだな?
「「ごめんなさい」」
仕方ない、今ロナウドは会議中だから、終わったらソッコー話しとくから。
そろそろ会議が終わる頃だ。
待ち伏せしていたらロナウドが会議場から出てきた。
凄くイライラした様子だけど、何かあったのかな?
とりあえず捕獲!
ロナウドを空き部屋へ連れ込んだ。
「びっくりしたな、いきなりどうした?」
「ロナウド、とっても大事な話があるの」
「それは、俺が怒りそうな事?」
「そ、そんな事ないわ!」
「ふーん?」
「なんでそんなにイライラしてるの?」
「例のジジィ伯爵が無茶ばっか言って、全然会議が進まねぇんだよ!
予算も人材も限りがあるっての知らないのか、奴は!
俺が息子より年下だからって、舐めてきやがって!
さっさと後継がせて隠居しとけやクソ野郎!」
……ロナウドも大変だなぁ。
「よしよし、お疲れ様」
頭をなでなでしてあげた。
「……フラン」
しょぼくれた顔をしながら、ロナウドが私に抱きついてきた。
「はぁ、ダメだよなぁイライラしてちゃ。
これしきのこと、国王なら簡単にいなせないと。
情けねぇ……」
うーん、弱気だな。
まぁ、例のジジィ伯爵はあの先王陛下ですらずっと手を焼いてた程の曲者だったし、まだ国王五年目のロナウドがどうにか出来るような相手じゃないのかもな。
私も例のジジィ伯爵は苦手、と言うか嫌いだし。
「ロナウドはよく頑張ってるよ。
立派で素敵な国王陛下だよ」
背中をポンポンと叩く。
「……ちょっとこのまんま居させて」
ロナウドはヘコんだら甘えん坊になる。
そういうところが可愛いんだけど。
大事な話があったけど、もうちょっとこの時間を堪能しちゃおっかな……
「フラン様、ロナウド陛下!
ここですか!?」
ノックと同時に開かれた扉からリリーちゃんとローズさんが入ってきて、この時間強制終了。
「……フラン様、こんな時にロナウド陛下と抱き合ってるんですか?」
慌ててロナウドから離れたけど、ガッツリ見られた。
「急いでください、もうすぐ二人が来ます!」
スッ
「「「「あ」」」」
二人のリリーちゃんとローズさんの「あ」がシンクロした。
「「し、失礼しました!」」
タイムトラベルしてきた過去?のリリーちゃんとローズさんが部屋から出ていった。
……しーん
何よこの間は。
リリーちゃん時間止めてる?
「フラン、リリー、ローズ」
「「「は、はいぃ!?」」」
「これはどういう事かな?」
ロナウド、怖い怖い!!
私達三人はロナウドにコッテリ叱られた。
時空魔法の事を内緒にしてたってのもあるけど、多分甘えん坊状態のロナウドを見られた事の八つ当たりだと思う。
と言うか、途中から完全にそれだった。
全く、理不尽な怒り方だったよ。
リリーちゃんとローズさんが過去の二人に怒られる理由を教えなかったのは、私とロナウドが抱き合ってたのを邪魔したとは言えなかったからだと。
確かにそりゃ言いづらいわな。





