【番外編】王妃殿下は離乳食を作る
デアルトとクリスタを産んではや半年。
すっかり寝返りもできるようになって、支えてあげればお座りも出来るくらいになってきた。
そして、クリスタは下の歯が生えかけている。
いよいよ離乳食の始まりだ。
離乳食と言えば、俺の中ではドロドロに潰したお粥のイメージなんだけど、なんせこの世界にはお米はまだまだ高級品で市場に出回っている量も少ない。
なので、ヤークン侯爵領で作っているお米をポスカ君にいくらか工面してもらう事にした。
「フランちゃん先生久しぶりー!
二人とも随分大きくなったねぇ。」
相変わらずの『フランちゃん先生』呼び。
ポスカ君はエレメント魔法学校卒業後、三人の奥さんを娶っていて、今ではもうパパになっている。
それがまたポスカ君そっくりで可愛いのなんの。
「この子達だって、二人によく似て可愛いじゃん。
デア君の方がフランちゃん先生似だよね。」
そう、デアルトは私似で、クリスタがロナウド似、つまり、デアルトは私のお父様と瓜二つ、クリスタは先王妃殿下の生き写しなのだ。
そのせいもあってかなくてか、お父様はデアルトにデレッデレで、宰相の仕事を引退してから毎日と言っていいほど我が子に会いに来ている。
宰相辞めただけで王宮仕事はまだまだ現役なんだから、遊んでないで仕事しろよ。
閑話休題。
「お米って離乳食に使えるんだ、知らなかった。
分かった、デア君とクリスちゃんに沢山食べてもらおう。」
大量の米俵をもらった。
いやいや、ちゃんと買うから。
さて、じゃあ早速離乳食作りに取り掛かろうか。
さっと洗った米の水気をきり、鍋に入れて水を注ぎ、約18分(地球時間で約30分)おいて充分吸収させる。
ふたをして強火にかける。
沸騰したら火を弱め、吹きこぼれないようにふたを少しずらして、約30分(約50分)煮る。
火を止めてふたをし、6分(10分)ほど蒸らす。
これを、すり潰してペーストにすれば、離乳食の出来上がり。
離乳食初期のコツは、栄養面より食べることに慣れる事。
二人をバウンサーに座らせて、早速実食。
あ、デアルトは口を開けてくれない。
めちゃ嫌がってる。
クリスタはすごい勢いで食べてるよ。
本当に離乳食初めてか?
足りないのか、食べ終わったら泣き出すほどだ。
乳母、ちょっとクリスタよろしく。
さて、デアルトの方は『絶対食べない』を貫く方針か?
口がへの字で食いしばるほど食べたくないのかよ。
まぁ、今日はこんな感じでいっか。
先はまだまだ長いし、ずっとご飯食べない訳でもないだろうからね。
それからも離乳食を何度か繰り返してみたんだけど、デアルトは食べたがらないしクリスタは欲しがりすぎるし。
クリスタのあまりの食欲に、先王陛下と先王妃殿下が面白がっていくらでも食べさせちゃうから、ちょっと勘弁して欲しい。
双子でもこうも違うのか。
体重に差が出て来るのかと思ったけど、クリスタは沢山食べる分母乳を段々と飲まなくなってきた。
逆に、デアルトは離乳食を食べないから全然卒乳の気配なし。
仕方がないから、デアルトは離乳食を一時中断。
またしばらくしてからスプーンで母乳をあげてみたりしよう。
こうして離乳食を試したり止めたりして、デアルトも何とか食べてくれるようになった。
私は乳母や侍女が手伝ってくれてたからそれほどでもなかったんだけど、世の中のお母さん、特に双子のお母さんは大変だ。
離乳食が徐々に進んでいって、身体もどんどん大きくなってきた。
段々とずり這いが出来てきて、二人ともよく動き回る。
スカーレットがよく遊びに来て、お姉ちゃんしてくれる。
レティは現在、魔法の家庭教師を付けて魔法の練習をしてるんだけど、お兄様同様「炎よ出ろ」で一発成功したらしい。
成認式のお祝いにあげた風魔法のブーツも、既にもう使いこなして空を飛べるようになっているんだと。
流石お兄様の子だわ。
ただし、そのブーツを履いて空を飛びながら我が子を抱っこするのは止めてくれないかな?
いやいや、確かに高いけど、たかいたかいじゃないから。
え、それロナウドの真似してるの?
あの野郎、後でお仕置だ。





