215 公爵令嬢は最後のテストを受ける
第四期テスト。
これが、私達二年生の学校で受ける最後のテストだ。
思えば、テストでは色々あったなぁ。
初めてのテスト、ジョニー先生の採点ミスのせいで順位がひとつ下がってしまった事。
座学に加え武術、魔法実技が成績の順位に反映されるようになってしまったせいで、一位が取れなくなった事。
学問や魔法、行事での成績は学校始まって以来の高評価なのに、授業態度のせいで総合成績四位になってしまった事。
遂には、魔法座学と魔法実技のテストを受けられなくなってしまった事。
……なんか、釈然としない思い出ばっかりだなぁ。
しかし、今回の採点方式は第四期テストの点数に加え二年間の活動内容の総合評価になる。
生徒会長として数々の学校の問題を解決したり、災害救助で村を救済し街を復興させたり、学校祭で募金という新たな慈善活動を行ったり、この国で私にしかできない魔導具生成を行ったり、この学校の生徒としてでは収まらないほどの偉業を数々と成し遂げたのだ。
これで、私が一位にならないで、誰が一位になるのさ!
まずは座学のテスト。
魔法座学はテストしなくてもいいと言われたけど、みんなと一緒に受けさせてもらった。
毎度おなじみ、全科目テストの裏に学校で習うことがない程難解な知識やトリビアをびっしり書き尽くした。
次に武術。
運動神経皆無の私だが、実は反射神経と瞬発力だけはバッチリ。
だから、武闘会でロナウド達の攻撃を避ける事が出来てたのだ。
まぁ、スタミナゼロなのでものの数秒でバテてしまうけど。
という訳で、先生にはそこをめいっぱいアピール。
もちろん、水泳も大得意ということを伝え忘れてはいない。
最後に魔法技術。
これも、私はテストがないのだけど、先生にお願いして受けさせてもらった。
誰もが驚くガッツリ系いくよ!
巨大黄金ゴーレムと同等の大きさの白金ゴーレムを召喚、テストの的を指でプチッ。
見よ、圧倒的パワー。
そして、極めつけに自己アピール。
私が在学中の二年間で行った業績を、ひとつ残らずレポートにして提出。
ものすごい枚数の紙になったけど、それだけ私がやった事が沢山あるってことだよね。
更には、先生方一人一人に二年間お世話になった感謝の手紙を書いて渡した。
手紙と一緒に、私が学校にいた思い出の品としてミニミニゴーレム元庶務のレプリカ(オリハルコン製)を渡しておいた。
これで、私の成績はトップ間違いない!
結果発表。
一位 リリー・ヤークン
……は?
二位 ロナウド・アースフィールド
……ふ?
三位 セシル・クアングルド
……ほ?
なぜ、私の名前がないの?
てか、デジャブ?
なんでよ!
これだけ全力を尽くして私がいかに優れているかを知らしめてるのに!
学校どころじゃなくて、国ですら私を認めているのに!
「去年と同じだって。
どんだけ注意をしても、授業態度を直さねぇんだからよ。」
またそれ!?
今年は去年ほど本の隠し読みしてないでしょ!?
「その分落書きが多かったけどな。
クオリティだけじゃなくて量もハンパじゃなかったじゃねぇか。」
あれは、ノートを分かりやすくするための挿絵やイラストだって。
「2ページにも及ぶ俺の肖像画もか?」
確かに描いたけど、それ国語のノートだったのになんで知ってんの!?
「んなもん、あんなガッツリ描いてあったら国語の先生だって見せてくるわ。」
くそっ、ノート提出した時にバレてたのか。
「あと、先生全員に賄賂送ってただろ。」
賄賂だなんて失礼な!
今までお世話になった感謝の気持ちを、言葉と物で伝えただけじゃないの!
「それを見返りに成績を上げてもらおうとしてる時点で賄賂なんだよ。」
なんだよもう!
じゃあ今から先生全員分のミニミニゴーレム元庶務を回収してやる!
「そこまではしなくてもいいだろ!
一回貰ったものは返さねぇぞ!」
ちくしょう!コノヤロウ!
「てか、まずおめぇは前も成績順に含まれてなかったろ?
今回もだよ。」
なん……だと……
じゃあ、今回の私の努力は全て水の泡だったって事なの?
「魔法座学も魔法実技もおまけで受けさせてただけで、配点なかったんだぞ?」
ウ……ウソだよな?な!?冗談なんだろ?……おい……なんとか言えよ!
仮にもし配点がなかったとしても、総合評価じゃあ私が一番だよね?
「だから、そこが授業態度に出てんだって。
真面目じゃない奴に点数なんてやらねぇだろ。」
……もう何も言えねぇ。
という訳で、私の努力も虚しく、今年度の卒業生の最終成績に私はランクインどころかスタートラインにも立たせてもらえていなかったのだった。
「特別枠だ」とかフォローいらないから!
一番じゃなきゃだめなんだから!





