207 公爵令嬢は新生徒会を決める
狐狩りが終わり、第三期テストが迫った頃、新生徒会が決められる時期になった。
立候補でも可能だけど、基本的には先生や前期生徒会メンバーの推薦が殆ど。
生徒会に入りたくない人は場合によっては辞退も可。
ただし、優秀過ぎる人材は強制的に入れられる羽目になるそうな。
立候補、推薦の中で、生徒会長、副会長、書記、会計、庶務の五人が決められる。
さて、新生徒会はどうなるかな?
立候補者は五人。
例の少年、レオ、ポスカ君、その他二人。
推薦者は四人。
例の少年、レオ、ポスカ君、ローズさん。
例の少年、レオ、ポスカ君の三人は、やる気もあるし周りからも信頼されているので、文句なしで決定。
さて、残り三人が問題。
やる気はあるけど特に周りから認められてない二人と、特にやるつもりがない実力者、誰を選出するか。
現生徒会メンバーとしては、ローズさんの実力と行動力的に是非とも生徒会で活躍して欲しい。
例の少年達とも交流があるし、本人のやる気さえあれば速攻で生徒会入り決定だ。
その他二人は、成績は中の中、海事研修や野外活動での活躍は特になし、とやる気以外の取り柄が皆無とは言えないが今ひとつ頼りない。
恐らく、無事生徒会入りしても三人の影に埋もれて存在感は無くなるだろう。
という訳で、生徒会会議、始まります。
「まずはローズさんに生徒会入りの事で相談してみる事かしら。」
「ローズなら、フランがお願いすれば絶対断らないだろ。」
「私のお願いじゃなくて、ローズさんのやる気で生徒会をやってもらいたいの。
だから、私はお願いしに行かないわ。」
「リリーさんが適任ではないですか?
ローズさんと共に、フランさんの両腕と呼ばれている仲ではありませんか。」
「そうですね、では、私がローズさんへ報告致しましょう。
彼女ならきっとやってくれるはずです。」
「問題は次だ。
この二人、おめぇらはどっちを生徒会入りさせるつもりなんだ?」
「「「「全然決めてません。」」」」
「てかこの二人、生徒会入りするには華が無さすぎて、絶対に四人に埋もれちまうだろ。」
「まあ、仕事をこなしさえ出来るのなら僕は影に埋もれようが何でもいいです。
ただ、その仕事自体彼らに回って来るのでしょうか?」
「なんだか四人で全て解決出来てしまいそうですね。
」
「だからといって、ひと枠ある椅子にどちらも座らせない、という訳には行かないわ。
私達は立候補者が誰もいなかったから仕方なく四人だけれど、今回はそうじゃないもの。」
「「「「うーん……」」」」
「いっその事、二人に選挙してもらってみる?」
「「「選挙?」」」
「そう、一週間(十日間)選挙活動として自分のアピールして回って、最終日に最終演説をしてもらったら、残りの生徒にどちらか選んで貰うの。」
「投票期間に賄賂でのやり取りとかないでしょうか?」
「生徒会入りって、就職にかなりいい評価になるからな、有り得なくはないだろ。」
「ちゃんと禁止にして、ミニゴーレム庶務に見張ってもらうわ。
ただ、寮内でそれをされるとちょっと対応出来ないわね。」
「私はいっその事、バレなければ賄賂ありでもいいと思いますよ?
人に知られず怪しまれず活動が出来るってのはかなりの実力者だと思いますし。」
「中々面白ぇ考え方してんじゃねぇか。
確かにその通りだ。」
「じゃあそれで行きましょう。
選挙活動期間中の賄賂のやり取りは禁止で、学校内ではミニゴーレム庶務が、寮内ではロナウドとセシル様が見張りをして、その目をかいくぐれるなら取引可能って裏ルール付きで。」
次の日、リリーちゃんはローズさんの元へ向かい、生徒会入りの件を話した。
そして無事、生徒会入りが決定した。
「私は問題なく生徒会活動が出来ましたが、あなたにそれが可能ですか?」
これが決意を固めた一言だったそうだ。
何故挑発するし。
そして立候補二人の生徒会選挙活動が始まった。
予想通りと言っていい程、二人共生徒会の目をすり抜けての賄賂のやり取りが出来る実力はなく、健全な生徒会活動が一週間滞りなく行われ、最終日の演説も実に無難な内容なものだった。
そして生徒による投票の時、奇跡が起こった。
二人とも同票だったのだ。
生徒会メンバーを抜いて(合わせても)奇数になる人数なのに、無効票がかなりの数あり、更にそれが奇数だったために起こった出来事だ。
投票やり直し。
無記名だったものを名前をちゃんと書いてもらい、必ずどちらかに投票してもらうようにした。
まあその結果でも一票差という大接戦というか泥試合というか。
無事に生徒会入りできたモブ少年と例の少年、レオ、ポスカ君、ローズさんの役職決め。
新旧生徒会メンバーで話し合い。
まず、生徒会長は例の少年に満場一致で決定。
本人もそれを目指していたので、やる気充分。
例の少年のサポート役として、副会長はレオが就くことになった。
ここまでは順調に進んだ。
ここからが揉めた。
まず、モブ少年が庶務になってしまうと絶対仕事が回ってこないということで、書記か会計どちらかに就くことになった。
次に、ポスカ君とローズさんのどちらが庶務に就くかということになったのだけど、ここで意見が真っ二つ。
今年の庶務担当だったオリハルコンゴーレムが優秀で、庶務のハードルがガン上げしてしまったのだけど、二人共有能過ぎて前ゴーレム庶務の仕事を完璧以上に引き継げてしまいそうなのだ。
ありとあらゆる植物を操る事が出来、尚且つ自薦他薦にやる気満々のポスカ君派、影魔法を駆使し前ゴーレム庶務の以上の活躍が期待され、私以外には内緒だけど人の心を読めて操ることが出来るローズさん派。
本人達抜きの話し合いの結果、影魔法と重力魔法が使えるローズさんの方が便利そうだという事で、庶務はローズさんに決定。
案の定、モブ少年は話し合いに完全に置いてけぼられていた。
最後に、ポスカ君が書記と会計どっちをするんだ、という事になって、ここでも大揉め。
お金に携わる大事な仕事だからという意見と、お金関係の最終チェックは生徒会長と副会長がすれば問題ないからという意見。
モブ少年、本当に頼りにされてない。
結果、タイプライターを見事に使いこなすことが出来たポスカ君は、書記に決定。
という事で、残りの会計がモブ少年に割り振られた。
さあ、彼らの活躍は如何なものかな?
残り十話プラスαです。





