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205.5 国王陛下は公爵令嬢に驚く

 新年を迎え二年生になったフランドールは、早速とんでもない行動を行った。


 自由研究で魔石について色々と研究をした結果、製造は不可能と言われていた複数回使用可能の人工魔石を作り上げてしまった。


 まず、魔石に魔法効果を付けられないという常識を覆すところから、実にフランドールらしいと思う。


 魔石の硬度を上げ、形を整えて魔法陣を描く。


 何度も何度も加工した上で魔法陣を描けば、上手く発動させるだけでなく再度使用可能になるというこの事実。


 加工の時点で魔法陣を記入しておけば、更に回数を上げられるという事まで発見している。


 過去の研究家でここまで工夫を凝らした者がいただろうか。


 そして、彼女にしかなし得ない至極の技。


 魔宝石の生成。


 複数人による複合魔法の際に実験していたそうだが、遂にやりとげてしまった。


 この、世界的にも歴史に名を刻みそうな発明を、学校の自由研究如きでやってしまった。


 これはもう、自由研究のレベルではない。


 急いで魔法研究専門機関へ推薦状を出した。


 この選択は、間違ってはないのだが非常に後悔をした。


 魔法研究専門機関に就職してしまったのだ。


 一年後には正式な研究員として迎えられると言われているが、そうなるとフランドールは絶対に魔法研究専門機関に引きこもってしまうだろう。


 それは寂しい!


 ちゃんと、王宮から出勤をさせるよう念押しをしておかねば。




 そういえば、夏頃に面白い玩具を見せてくれたな。


 線香花火という名前のそれは、火をつけてから消えるまでの短い時間、色々な姿の火花を見せてくれた。


 乱暴に扱うと直ぐになくなってしまうが、育てきった火花はなんとも華やかなものだ。


 その火はまるで、国を表すようだった。


 国民へ横暴になれば直ぐに破滅し、隣国との関係を壊せば直ぐに消えてしまう。


 しかし、国民を愛し尊び、隣国と協力し合えば、素晴らしく花開く。


 実に感慨深いものだ。




 国が壊れると言うと、災害だって切っ掛けの一つ。


 隣国へ近い北東の伯爵領が、大地震で完全崩壊してしまったのだ。


 現地の様子を確認する事は皆無、助けを求める声すら聞くことが出来ない非常事態。


 伝書鳥によって一日後に連絡を受けた時には、心臓がえぐり取られるような気持ちだった。


 馬車で片道二週間もかかるのに、その道すら崩壊されている。


 この時、フランドールが発明した気球があってどれ程救われたか。


 しかしその後エレメント魔法学校へ連絡をしてすぐ、フランドールは二人の生徒を連れて一日で現地へ行くと言ったではないか!


 しかも、その連れて行く二人というのが、聖女リリー・ヤークンと、闇の魔女と噂のローズ・シュヴァルツの二人。


 治癒魔法の使えるリリー嬢と、重力魔法の使えるローズ嬢、この二人を従えると言うのだ。


 藁をも掴む気持ちでフランドールに頼るしかなかった。


 向かって数時間で連絡があり、三人は埋もれてしまった村をあっという間に救助してくれたそうだ。


 更に直ぐに市街地へ到着し、生き埋めになった人達を片っ端から救助していったそうだ。


 ロナウドとセシルが現地に向かった時には、既に街の三割以上の人数が救助されていたらしく、その後もフランドールは皆が休んでいる間もただ一人救助に明け暮れていたという。


 ロナウドからその時の様子を聞いたが、まるで何かに取り憑かれたように、ただひたすら人を助ける事に没頭していたそうだ。


 その後、街のほとんどを救助したフランドールは、そのまま死んだように眠ってしまった。


 この知らせを聞いた時、ただひたすら願った。


 どうか、目を覚ましてくれ、と。


 その思いは三日後に届き、無事に目を覚ましてくれた。


 本当に良かった。


 ただ一言、それしか無かった。


 目を覚ましたフランドールは、最後の仕上げと言うかのように、伯爵領に新しい市街地を作り上げてしまった。


 あの小さな少女が、皆の力を借りながら街を救出し更に作り上げた街、賢者の街(フランドールシティ)


 魔石や魔宝石、大災害の救済にこれ程貢献したのだ、更には、闇属性持ち魔力者が毒魔法を扱えると言う新事実まで発表していて、陞爵と勲章だけでは足りない程の実績である事は間違いない。


 各大臣や父である宰相アーノルドも満場一致で納得の結果だ。


 話は少し変わって、この大災害をきっかけに、フランドールがロナウドと恋仲になったと聞いた。


 これは本当に嬉しかった。


 遂に二人が恋人同士か……


 ふっ、思わず笑顔になってしまう。




 この大災害の事実は学校祭にまで発展し、募金活動が行われた。


 そして、募金対象者に被災地の村の名産である石細工のボタンが配られていた。


 こうして集められた募金は、今後災害や疫病、飢饉等で被害を被った地域へ届けられるそうだ。


 これらの発案は、もちろんフランドール。


 寄付という貴族の活動を一般市民にまで取り入れるという発想、本当に慈悲深い。


 王妃として今後活動していくとしても、堂々と胸を張っていける行いだ。


 そんな学校祭、二日目儂は一日中参加した。


 午前中に行われた、不落城SHINOBI。


 さまざまなトラップが仕掛けられたアトラクションを、いかに素早く攻略するかというゲーム。


 見ていてとても楽しかった。


 そしてやってみたくなった。


 儂、優勝しちゃった。


 儂もまだまだ捨てたもんじゃないな。


 金の額当てが今回のメダル、かっこいいじゃないか。


 そして午後からの異種ゴーレムプロレス。


 プロレスが何か分からなかったが、昨年フランドールが行っていたアクロバットな戦い方だった。


 本当に面白かった。


 手に汗握る技の数々に、思わず掛け声をあげてしまった。


 来年以降はフランドールが卒業してしまっているが、無事にプロレスは行われるのだろうか。




 一番最近で言うと、学校の野外活動で魔導具を大量に作ってしまったことだろうか。


 魔法研究専門機関からのGOサインはまだ出てないはずなのだが、実験だと言って生徒や先生に色々と便利な武器や道具を作ったと言っていた。


 まず、魔導具と言うのは、年に数個作れれば上出来の最先端技術による最高級品だ。


 しかも、出来上がるものは魔石の属性に依るもので、その時希望とする道具を作ることはまず不可能だ。


 それなのに、これらのオーパーツ級の代物をポンポンと量産してしまうのがフランドールだ。


 実に恐ろしい。


 魔宝石を作った時に貰った治癒魔法の鉄粒は、現在儂の指輪へ加工されているが、儂だって炎が出る剣が欲しい!


 プリキュンの魔法のステッキもあるそうだ、全種類コンプリートしたい!


 なのに、献上されたのは魔法で光るランタンだと言うのだ。


 正直に言おう、普通のランプで良くないだろうか?

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[一言] 王様やっぱりwww
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