203 公爵令嬢は二度目の野外活動をする2
夜営の時間、各班担当の先生と生徒は一旦集合して、全体管理の三人と一緒に昼間の様子を確認しあった。
「特に問題は無いかな。
働かない奴らは都度ガチで叱りあげてるから、無理矢理でもどうにか動いてるし。
ただ、みんな動きに無駄が多い。」
「僕も大体同じ意見です。
一応、コツや問題点は都度指示してますが、やはり個人差が見られます。
そこをチームワークでどう乗り越えるかが問題点です。」
「こちらは行動には問題はありません。
しかし、体力のない方が多く、明日以降が少し不安ではあります。」
「じ、自分で野営したい……
見てて、ソワソワする……」
ビクター君、よく我慢出来ました。
「「フランドール嬢のおかげで、ご飯が豪勢だった。」」
ポスカ君とローズさんの班の担当の先生、生徒の感想を述べろよ。
他の班は、例年通りの感じだと。
個人で特に目立ってたのは、ぶっちぎりでポスカ君とローズさんなんだけど、レオとウッディ君の二人は雰囲気を盛り上げるのが上手くて、挫けそうになるチームメイトを励ましてたんだそうだ。
あのコンビ、ええやん。
例の彼は、一年生にもかかわらずリーダーシップがしっかりしていて、チーム全体を引っ張っている。
アンリさんは事前準備がかなり周到で、身の丈にあった道具や食材を効率よく活用していた。
伸び代でいえば、元一班ではアンリさんがトップ。
そんな感じで、色々と報告は進んでいった。
続いて見張りの確認。
全体の見張りを四つに分けて各三人ずつで行う。
私は、先生や四人に比べて睡眠時間が少なくても平気な上、寝床がテントよりしっかりしてるので、一回目と四回目の二回行う。
そう、今日も小屋を作って実験タイムだよ。
作るのは、魔法武器。
魔法研究専門機関でも実験的に作ってはいるんだけど、作った武器で中々実践させてくれない。
という訳で、ここで作って誰かに使ってもらっちゃおうっておもったのさ。
どうせ今の所私にしか作れないんだし、どんどん試してみよう!
まず作るのは、サーモグラフィーゴーグル。
どう説明しても、誰も私のようにサーモグラフィーを使えないから、いっその事作っちゃえばいっかってなったの。
これが作れれば、私のような敵感知が出来るようになるって訳。
何故魔法研究専門機関で作らなかったっていうと、うっかりサーモグラフィーの存在感を忘れてたんだよ。
一回目の見張りの前に、試しに一つ作ってみる。
うーん、上手くいったかな?
最初の見張り担当、リリーちゃんに、出来たてホヤホヤのゴーグルを渡してみた。
使い方は簡単。
魔力をゴーグルに流すだけ。
「わわっ!
真っ暗な中でフラン様が赤や黄色に見えます!」
やった!成功だ!
実験という事で、あまり遠距離まで見える仕様にしてなかったけど、これで少しは見張りの効率が良くなるかな?
ちょっと!
先生方とゴーグルの取り合いしないでよ!
てか、それで遊ぶな!
見張りの時間が終わったから、二番目のセシル様にゴーグルを渡す。
「成程!
これがフランさんの見ていた景色ですね。」
セシル様、ゴーグルを一回使っただけでサーモグラフィー習得。
やっぱり百聞は一見にしかずだね。
と言うより、流石すぎない?
続いては、燃える剣。
やっぱり、エフェクトのある武器って男心くすぐるよなぁ。
熱を帯びるだけの方が使いやすいんだろうけど、こういうのは炎が出てナンボだって。
早速ショートソードで作ってみた。
うん、よく燃えてる。
使い勝手はどうなんだろう?
私には重たくて使えないから、後でロナウドに渡してみよう。
しっかり寝た後、早めに交代に向かってロナウドの所へ向かう。
ご機嫌でゴーグルかけてた。
ロナウドに炎の剣をあげた。
ファイヤーソードにテンションMAXのロナウド。
今深夜だから、もっと大人しくね。
明日狩りで試してみるそうだ。
じゃあ私は二回目の見張りを始めますかな。
「ほぉ、フランドール嬢にはこんな感じで見えんのか!
こりゃ面白ぇ!」
ジョニー先生、今深夜だから、もっと大人しくね。
夜が明けて、朝になった。
もうくたびれている生徒もいれば、まだまだ余裕そうな人も。
今年はよっぽどじゃない限りリリーちゃんの治癒魔法はない。
だって、来年からはリリーちゃんいないでしょ?
さあ、自力でやってちょうだい。
朝ご飯は、携帯保存食を食べてる人が殆ど。
私も今日はそうなんだけど、ちょっと新しい物を持ってきてみた。
じゃんじゃらじゃんじゃんじゃーん!
プーローテーイーンーバーー!
地球にあるタンパク質メインのものじゃなくて、脂質や糖質、ビタミン、ミネラルのバランスを整えたもの。
所謂、カロリーをメイトするやつ。
元々、乾燥パンとかみたいな保存食はあるんだけど、栄養バランスや味は後回しってのが殆ど。
フルーツ味やココア味、ヨーグルト味等種類豊富で、色んな味が楽しめちゃう。
みんなの視線と一緒に、いただきマース。
んまんま。
この噛みごたえがある感じも、満腹中枢を満たしていいね。
今後、色んな魔法武器を作って売っていこうと思ってるし、冒険者向けに商品化してみようかな。
「あのゴーグルみたいなのを気安く店で売ろうとするな!」
ジョニー先生から激しく注意された。





