196 公爵令嬢は二度目の学校祭をする2
学校祭二日目。
午前中は、毎年行われていた陸上競技の変わりに、新しい企画ステージが行われる。
その名も、不落城『NINJA』。
会場には、様々な仕掛けや障害物が設置されていて、学校内外から集まった体力自慢の前に立ちはだかっていた。
ステージから落下したり、制限時間以内にクリア出来なかったら、その場でリタイア。
最も早くステージをクリアする事が出来た者が、初代『忍頭』になるのだ。
今日一日学校祭を楽しむ予定の国王陛下は、特等席で既にワクテカしている。
さあ、忍頭を目指して、チャレンジスタート!
まずはグルグルバット30回。
それを終えたら、幅50センチの橋を渡ってもらう。
その最初のグルグルバット一本橋の時点で脱落者続出。
その人数のまぁ多いこと。
大体半分くらいがここで脱落していた。
フラフラとへっぴり腰で橋へ向かう挑戦者に、会場は大爆笑。
無事に橋を渡ることが出来たら、飛び石ゾーン。
半円球で着地のしにくい飛び石の中には、バネが仕掛けられているものもあって、着地した途端にグラグラ揺れる場所がいくつかある。
そのグラグラ石の上で踊るようにバランスを取る挑戦者を見て、観客はまた大笑い。
続いて、いくつものハンマーが待ち受ける丸太一本橋。
足場の悪いだけでなく、渡るタイミングも重要だ。
そして想定通り、ハンマーの洗礼を受ける挑戦者、湧き上がる会場。
次に待ち受けるはロープゾーン。
何本も吊るされたロープを選びながら渡ってもらうんだけど、いくつかハズレがあって、ハズレにはタップリのローションが塗られている。
ヒントの地図を出発地点に設置しているけど、これをきちんと理解していないとローションロープを掴み、ステージから落ちてしまう仕組みになっているのだ。
ステージも終盤、スケートボードに乗って斜面を下り、アウトラインにたどり着く前にジャンプして島へ無事着地出来れば、最後は将軍とのチャンバラ対決。
ゴーレム庶務将軍の頭の的を壊すことが出来れば、ステージクリア。
不落城と言うだけあって、クリアは難関。
制限時間もあるので、ミスをしないだけじゃなくてスピードも重要。
リタイアする人が続出する中、最初のクリアはお兄様。
分かってたんだよ、絶対参加すると思ってたんだよ。
クリア記念品の手裏剣を渡す。
かなり喜んでくれた。
そこからは、クリアする挑戦者がチラホラ出てきた。
気になる人が何人かいた。
ケン、出店の管理はどうしたの?
「今ちょうど暇になったので、挑戦してみました。」
最初のグルグルバットでリタイアしちゃってた。
エリック久しぶり、来てたんだね。
じゃなくて、ちゃんとチャンバラして!
「チャンバラ握ってただろ。」
チャンバラを握ってた拳で風船を割るなよ!
ちょっと、なんでロナウドとセシル様もやろうとしてるの?
「「練習と本番は別腹だろ?」」
そういう事を言ってるんじゃない!
君ら企画者でしょうが!
おいおい、国王陛下も参加なさるんですか?
「儂もやりたくなっちゃった。」
国王陛下お茶目かよ。
結果として、初代忍頭は国王陛下でした。
成績上位三人には、メダルの変わりに金銀銅の額当てをプレゼント。
国王陛下、額当てをして午後のプロレスも観戦予定ですか?
午後からは皆さんお待ちかね、『異種ゴーレムプロレス』。
参加者は、ジョニー先生、ロナウド王子、レオ、ポスカ君、カーネル前生徒会長、ローズさん、そして私。
使用ゴーレムは、泥人形、石ゴーレム、水人形、ウッドゴーレム、アイスゴーレム、影人形、ゴーレム庶務。
試合は全員参加型で、ゴーレム同士の格闘技。
ルールは簡単。
いかに派手な攻撃をして、派手に攻撃を受けるかを競い合う。
レフェリーは国王陛下。
「さぁ~、遂に始まりました、異種ゴーレムプロレス。
実況は、セシル・クアングルドがお送り致します。
今ゴングが鳴り、試合開始!
まずは全選手、見合っております。
どのゴーレムへ攻撃するか、どこから攻撃が来るか、様子を伺っている様子。
あーっと、ここで最初に動いたのは、ジョニー選手の泥人形!
因縁のフランドール選手率いるゴーレム庶務に向かって、攻撃!
世界で最も珍しいとされている金属、オリハルコンで出来たそのボディに右ストレート!
これはゴーレム庶務にも応えたか、胸を抑えて苦しそう。
かと思いきや、反撃のラリアーット!
激しく飛び散る泥飛沫。
そこへ、カーネル選手のアイスゴーレムがジャンピング・二ーパット!
思わず横転するゴーレム庶務。
そこへ、立て続けにポスカ選手のウッドゴーレムによるムーンサルトが決まったー!
ハイタッチで互いを称えるアイスゴーレムとウッドゴーレムに向かって、ローズ選手の影人形がダブルラリアットー!
氷と木の破片飛び散る中、その影人形の腰を後ろから掴んだロナウド選手の石ゴーレムのジャーマンスープレックスが入ったー!
しかーし起き上がった石ゴーレムに、レオ選手の水人形がローリング・ソバットー!
そこへ待ち構えていたのは、ゴーレムの頂点、ゴーレム庶務!
水人形へパイルドライバー!
更に影人形にもツームストン・パイルドライバー!」
参加者とセシル様にはプロレス技を一通り教えてはいたけど、セシル様の実況がプロのアナウンサーばりにすごい。
壊されては直して攻撃、を繰り返して、会場には土埃と一緒に観客の声援が湧き上がる。
激しい攻防、白熱する実況、燃え上がる国王陛下。
最後は、ゴーレム庶務が泥人形をムーンサルト・ボディプレスで潰して、試合終了。
ジャッジは、ゴーレム庶務に軍配が上がった。
本物のプロレスを知ってる私に敵う人はいない。
準備に当日にバタバタだった学校祭が終了。
明日は一日片付けになる。
「『NINJA』のセットの保管場所どうするんだ?」
そこまで考えてなかった。





