187 公爵令嬢は先輩たちと交流する2
休憩が終わって、再び御三方に指導してもらう。
エリックが武術、ミラ前副会長が武器術、カーネル前生徒会長が魔法技術を主に担当。
元生徒会二人は魔法も武器術も上手いので、一応両方兼ねて教えている。
エリックの周りには、ウッディ君を筆頭に男子生徒が集まっている。
元イジメっ子の一年生二人と先駆け二人組もここにいた。
「腐った根性叩き直してやる」らしく、無理矢理連れてきたんだと。
「エリック師匠の一番弟子って事は、ウッディパイセンがアニキっすね!」
ウッディ君はパイセンからアニキに昇格した。
元々喧嘩は苦手だと言っていたレオだけど、エリックから格闘技のいろはを教えてもらうにつれて、段々と様になってきている。
「お前センスあるな。
訓練してればすぐ強くなる。」
「アザーーっす!
エリック師匠に褒められるとか、マジアガる!」
争い事自体が嫌いだから格闘技も食わず嫌いだったみたいで、才能自体はいい線いってるらしい。
「ウッディ、お前がレオを鍛えてやれ。
レオ、毎日相手してもらいな。」
「「ウッス!!」」
不良とファミコンとパリピという異種混合三人組の完成。
めちゃ濃ゆい。
「「「「エリックの兄貴、俺たちにも是非手合わせをを!」」」」
「お前らは基礎がなってねえ!
身体作ってから出直せ!」
「「「「ぐはぁ!!」」」」
エリック無双始まった。
ミラ前副会長には、主に女子生徒が集まっている。
口調は完全に素になっちゃったけど、人前では相変わらず猫を被るのが上手いから、休憩時間の私達のやり取りを詳しく知らない女性陣は、文武両道、才色兼備、大和撫子のミラ前副会長の剣技や魔法、立ち振る舞い、何に対してもウットリ。
なんか宝塚っぽい。
女性で剣を使う人はそもそも少ないんだけど、ミラ前副会長の影響か二年生には剣が主武器の人も結構いる。
「リリー嬢、手合わせ願う。」
「こちらこそよろしくお願い致します。」
刀使いのミラ前副会長VSサーベル使いのリリーちゃん。
魔法剣士の美少女対決。
コレには、女子生徒だけでなく男子生徒の視線すら集める。
爆破魔法を使いこなし変幻自在に攻撃をするミラ前副会長に対して、光の速さで防御や回避を繰り返すリリーちゃん。
攻防変わり、治癒魔法のゴリ押しで攻撃するリリーちゃんを、火、水、爆破とあらゆる魔法でいなすミラ前副会長。
激しい激闘の末、相手の武器を奪い勝ったのはミラ前副会長。
湧き上がる観客からの拍手。
「以前の屈辱を返すことが出来た!」
そう言って気絶。
したミラ前副会長を光の速さで治癒するリリーちゃん。
流石は女性騎士団、武器の腕はミラ前副会長の方が圧倒していた
でも、剣と魔法の戦いとして、かなりいい勝負だった。
「リリー様が負けた。」
こらこら、ちょっと嬉しそうな空気を出すんじゃないよ、ローズさん。
カーネル前生徒会長の周りには、男女問わず人が集まっていた。
みんなの憧れ、近衛騎士団の指導ともなれば、性別の壁なんて関係ない。
一人一人を丁寧に指導していくカーネル前生徒会長の姿は、笑顔と優しさで溢れている。
その優しさのほんのひとつまみくらい、私にも振りまいてくれよ。
カーネル前生徒会長は主武器は弓。
対近距離戦用に剣も使える。
但し、遠近両用なのは何もカーネル前生徒会長だけとは限らない。
ロナウドやセシル様だって剣と弓が使えるし、ビクター君に至っては武器種がかなり豊富。
という訳で、魔法実技の試験で使われている例の的を使って訓練。
この的、実は魔導具で、的が破壊されたら新しい的が自動でほぼ無限に出てくる。
魔導具本体を壊すと爵位取り消しになる程の代物らしいので、私は的のみをいつもボロクソにやっつけている。
まずは近距離武器から。
カーネル前生徒会長、ロナウド、セシル様は剣で的を見事一刀両断。
ビクター君も斧で的をめった切り。
更に、ビクター君は先週から使い始めたばかりのモーニングスターを使って、的を木っ端微塵。
武器適性ありすぎでしょ。
ちなみにこの的、私はバンバカ壊してるけど、ある一定量の力がないとヒビすら入らない。
もちろん、強度の加減は調節出来るけど、今やってるのは硬度最強だから、他の人たちは全力を出しても傷を付けるのがやっと。
続いて遠距離武器。
カーネル前生徒会長、ロナウド、セシル様は弓で的を貫通。
弓で貫通させられる人はほとんど居なくて、良くて的に刺さる程度。
そんな中、スリングショットのビクター君はソフトボール大の鉄球を的に当てて、的を粉砕。
もう、なんでもありだな。
最後は魔法攻撃。
魔法が苦手なビクター君はここで脱落。
私が選手交代。
実は魔法が一番傷を付けにくいこの的、壊すコツはやっぱり威力。
一箇所にパワーを集中して当てれば割と誰でも壊せるんだけど、そこで魔法の上手い下手の差が出ちゃう。
魔力のコントロールが出来ない人は、針の穴に糸を通すほどの繊細な操作が出来ずに、的にベチャァっとぶつけてしまう。
だがしかし、そんな事私には一切関係ない。
いでよオリハルコンゴーレム庶務。
右手に持ったアダマンタイトの塊を的に思い切りぶつけてやれ!
ぱぁん!
的が破裂した。
「フラン、訓練にゴーレム庶務連れてくるとか、反則だろ。」
「「「え、現生徒会庶務ってゴーレムなの!?」」」
講師の時間が終わって、御三方は学校から自分の持ち場へ帰って行った。
三人とも、卒業してから凄く成長していた。
多くの事を教わった。
短い時間だけど、多くのものを貰った気がする。
そして、余計なものも置いていった。
『太刀および脇差の注文書』
ミラ前副会長ー!?





