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179 公爵令嬢は魔女と遊ぶ2

 お昼の時間になったので、公園でお弁当を食べる事にした。


 もちろん、私特製お弁当。


 ピクニックといえばサンドイッチってイメージがあったから、メインは色んな種類のサンドイッチ。


 おかずは、フライドポテト、唐揚げ、プチトマト、卵焼きといった、よくあるお弁当の具材。


 芝生に大きな布を敷いて、レッツ昼食。


 「これは、レベッカさんのお手製ですか?」


 「今日のお弁当は私が作ったの。

 お味はいかが?」


 「レベッカさんもお料理お上手ですが、フラン様のお料理も美味しいですね。」


 「ローズさんはどう?」


 「美味しいです。」


 「良かった。

 そうだ、今度私の専属料理人を紹介してあげるわ。

 レベッカちゃんていって、私の友達でもあるんだけど、とても美味しいご飯を作れるのよ。」


 「そういえば、今日はレベッカさん居らしてないですね。」


 「うん、今日から三日ほど、医学会に呼ばれて講習をして廻るそうよ。」


 「まぁ、レベッカさん、そんなに高い地位にいらしてるのね。」


 「頭も凄くいいし、手先も器用だからね。」


 「……」


 「ローズさん、どうしたの?」


 「いえ……とても優秀なお方だなと。」


 「ええ、自慢の友達よ!」


 「フラン様を好きな気持ちは、レベッカさんに負けてませんよ!」


 「ワタシだって、フラン様を心底尊敬してます。」


 「へへへ、二人ともありがとう。」


 「……とても人気ですね。」


 「そうなんです!

 フラン様に関わる人みんな、フラン様のこと大好きになってしまうんです!

 ライバルがどんどん増えて、ちょっと寂しいです。」


 「リリーちゃん、私に友達が増えて、なんで寂しがるの?」


 「リリー様の言いたい事、わかる気がします。

 ワタシだけのフラン様じゃなくなってしまうのが、寂しいんですよね。」


 「二人とも、なんで私を独占しようとするのかしら?

 みんなで仲良くしましょうよ?」




 お昼ご飯を食べ終えた私達は、また王都内をブラブラと散策。


 特に買い物をするでもなく、展示場所に並んだ衣装を眺めてみたり、市場にあるアクセサリーを手に取ってみたり。


 相変わらず表情が変わらないローズさん。


 アンリさんも感情の起伏が少ない方だけど、最近はよく笑うようになったと思う。


 「ローズさん、楽しい?」


 不安になってちょっと聞いてみた。


 「はい、楽しいです。」


 良かった、楽しんでくれてるみたい。


 最後に立ち寄ったのは、お馴染みの王都一大きな本屋。


 ローズさんは読書が好きだから、何か気になる本が見つかるといいな。


 リリーちゃんはアクション系の話、アンリさんは推理小説が好きなんだって。


 リリーちゃん、意外。


 私は新しい魔法に関する本を探すけど、目新しいものは全然ない。


 なので、ローズさんが好きそうな本を物色中。


 ローズさんの好きなジャンルは特に決まりはなくて、ハッピーエンドなら何でもいいらしい。


 でも、私は知っている。


 ローズさんが特に好きな物語の内容を。


 いくらか手に取って速読で内容を確認。


 あぁ、これとかローズさん好きそうだなぁ。


 「いい本見つかった?」


 「はい、これです。」


 「確かに、これはいい話だわ。

 まだ熟読してないみたいだから内容は話さないけど、きっとローズさんも気に入ると思うわ。」

 

 「はい、楽しみです。」




 楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。


 日も暮れかけたので、そろそろ寮に戻ることにした。


 リリーちゃんとアンリさんと別れて、ローズさんと二人で話をした。


 「今日は私に付き合ってくれてありがとう。

 とても楽しかったわ。」


 「私もです。」


 「嬉しい!

 最近ローズさんと仲良くなってきたと思ってるんだけど、今日はより一層距離が近づけた気がするの。

 また、お出かけに誘ってもいい?」


 「はい、よろしくお願いします。」


 「そうだ、これ今日一日付き合ってくれたお礼。

 受け取ってくれる?」


 差し出したのは、さっき買った一冊の本。


 「……いえ、お礼だなんて。」


 「ローズさんて、ハッピーエンドのお話が好きでしょ?

 特に、主人公が多くの障害を乗り越えて幸せになる話。」


 ローズさんが好きだと言っていた物語は、主人公が周りから嫌われてたり、不幸な生い立ちをしてたりするものが多い。


 そこから、大切な人と出会って、成長し、最後は幸せになれる。


 まるで、私の人生そのもの。


 前世の俺を思い出して、慣れない常識に四苦八苦して、稀属性である火土属性持ちで、魔法がなかなか使えなくて。


 でも、今では違う。


 俺の知識と経験で、夢である『便利なものと美味しい食べ物でいっぱいにする』事か少しづつ叶っている。


 魔法だって努力して、どんどん上達していってる。


 なにより、大切な人達が沢山いる。


 これ程幸せで良いのか、不安になってしまう程。


 「もし、ローズさんが大きな壁にぶつかって、どうする事も出来なくなった時は、迷わず私を頼ってね。

 一人では越えられない壁も、二人でならきっと越えられるかもしれないもの。」


 そう言って、改めてローズさんに本を差し出す。


 「とは言っても、この言葉は私が挫けた時に大切な人から言われた受け売りなんだけどね。」


 そう言うと、ローズさんは本を受け取ってくれた。


 「……ありがとうございます。

 大切にします。」


 一瞬、少し強ばった表情を見せたローズさん。


 ポーカーフェイスが崩れた瞬間を、私は見逃さなかった。




 「今日は皆さんの邪魔をしませんでしたよ?

 しっかり感謝してくださいね?」


 リッカ、一般的な使用人はそれが常識なんだよ?

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