173 公爵令嬢は侯爵子息と語り合う。
今日も今日とて生徒会は暇で暇で仕方がない。
今日は本を読まずに、魔法の実験でもしようかな?と寮へ一旦戻ろうとしたところ、黒ヒロインのローズさんを見かけた。
「ローズさん、こんにちは!」
「こんにちは。」
「今日ね、ローズさんが好きそうな本を沢山家から持ってきてるの。
持ってきてあげるから、ちょっと待っててもらっていい?」
「はい。」
いきなり声掛けて、そこで待てと言われても、嫌な顔ひとつせず返事をしてくれたローズさん。
嫌な顔かそうでないのかは、完璧なポーカーフェイスによって真偽は不明だけど。
何度もケンに行き来してもらって持ってきてもらった本は、とても一人で持っていける量じゃなかった。
なので、錬金魔法で台車を作って、その上に大量の本を乗せてローズさんの元へ向かった。
「お待たせ、ローズさん。」
代車に乗せられた本の山を見たローズさんは、やっぱり完璧なポーカーフェイスだった。
「これ、全部ハッピーエンドの話なの。
これだけあれば、ローズさんが気に入ってくれる本があると思って。」
「……ありがとうございます。」
「量が量だから、台車ごと貸してあげる。
いつ返してくれてもいいから、じっくり堪能してね。」
「……はい。」
そう言って、台車を受け取ったローズさん。
楽しんでくれるかな?
「フランちゃん先生、どうしてローズさんに大量の本を渡してたの?」
あの様子を、ポスカ君が見ていたらしい。
「ローズさん、読書が好きらしいの。
だから、私のオススメの本を貸してあげたのよ。」
「へぇ、ローズさん読書するんだ。」
「ポスカ君はローズさんと話しないの?」
「うーん、話はした事あるんだけど、中々会話にならなくて。
一人でいる事が多いし、ぼーっとするのが好きなのかなって思ってたんだ。」
成程、ポスカ君でも会話にならないのか。
「でもすごいね、フランちゃん先生はローズさんの好きな事聞けただなんて。」
うーん、半分誘導尋問みたいな感じだったけど。
そう言えば、ポスカ君は最近ヤンキーのレオとあの少年と一緒にいる事が多いよね。
「うん、レオ君は明るくて元気で一緒にいると元気になれるよ。
カツアゲの件聞いた時、大笑いしちゃったし。
黄金の土下座兵とか、僕も見たかったなぁ。」
そんな事もあったね。
結局、鎧は解除したあと撤収したから、奴らには一欠片もあげなかったけど。
今じゃ奴らはスクールカーストの最下位ら辺にいるもんね。
もちろん、ポスカ君は頂点に君臨している。
「そうだ、今度班別で自由研究があるんだ。
フランちゃん先生のやったやつみたいなのやりたいなぁ。」
歴代制服の時のやつね。
ロナウドのやつも面白かったでしょ。
「あれはダメだよ、僕王族じゃないもん。」
丸パクリするつもりなのかよ。
そういえば、一年生で複合魔法使えるのってポスカ君だけだったよね。
他に魔法が上手かった人いるのかな?
「レオ君、水魔法がすごい上手でね、波を作ってその上に板を乗せて波乗りしてたよ。」
流石チャラ男、サーフィンしてるのがすぐ想像出来るわ。
「あとね、ローズさんの闇魔法もかっこいいんだよ。
影を操って獲物を仕留めたり、的を壊したり。」
闇魔法かぁ、光魔法と対になる感じが、シーズン2らしいよねぇ。
「でもね、闇魔法って操作方法が難しいのかな、全力で魔法使ってない気がするんだ。」
そう言えば、闇魔法って重力や人の心の闇までも操れるって文献に書いてあった。
人の心まで操れる人なんて、最後にいたのが100年以上昔の話だし、昨今そういう人がいるって聞いたことないから、ローズさんも多分違うんじゃなかろうか。
「それにしても、この学校はゴーレムが多いねぇ。
校舎の外にある巨大黄金兵も、校内のオリハルコンゴーレムも、全部フランちゃん先生が作ったんでしょ?すごいね!」
ええ、魔法実技の先生のゲンコツの数だけゴーレムがいるからね。
そういうポスカ君だって、桜を咲かせるのが随分とスムーズだったじゃない。
「魔法の練習いっぱいしたから。
でも、桜はフランちゃん先生の為にしか咲かせないよ。」
大きくなったけど、可愛いやつだなぁ。
魔法の練習はしてるみたいだけど、武器の練習はどうなんだろ?
「もちろん、武器だってバッチリだよ!」
ポスカ君が武器って、イメージ付かない……
一体何を使ってるんだろう?
「僕の武器はね、鞭だよ。」
む、鞭ぃ!?
「植物を操るのと何となく似てるんだよ。」
ああ、つるのムチ的なかんじ?
久しぶりにポスカ君と沢山お話して、一年間お互い何してたかを確認し合った。
私のやった事を伝えると、どれもこれも笑われた。
失礼だわ。
でも、色んな話が出来て楽しかった。
昔のように、また七人で楽しく遊びたいなぁ。
毎日更新を楽しみにして下さっている読者様にはご迷惑をお掛けしますが、1月1~5日までお正月休みを頂きます。
今年も閲覧頂き、ありがとうございました。
来年からも、よろしくお願いします。





