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172 公爵令嬢は下町を楽しむ

記念すべき200話です。

読んでくださりありがとうございます。

 昼休み、生徒会のメンバーと元一班のメンバーに加えて、ポスカ君が加わり昼食を取った。


 元一班にとっては、新しいメンバー。


 「ポスカです、よろしくね。」


 ニコッ。


 相変わらずの甘えんぼスマイルに、三人とも弟が出来たかのような反応だ。


 合計八人でレベッカちゃんの作った麻婆豆腐とかに玉を食べていると、


 「おぅ会長、チーっス。」


 そう言ってヤンキーのレオがやって来た。


 「あれ、ポスカも一緒じゃん?

 俺も混ぜてくんね?」


 相変わらず、なんかチャラい。


 「えっと、みんなが良いなら構わないけど。」


 「俺は問題ないぜ。

 例の件色々聞きたいし。」


 「僕も構いませんよ。」


 「私はフラン様が一緒なら何でもいいです。」


 えー、元一班のみんなは?


 「「「だ、大丈夫です……」」」


 ちょっと怯えてる。


 まぁ、悪いやつじゃないから、少しづつ慣れてって。


 ていうか、席足りないけどどうするつもりなんだろ。


 あ、隣のテーブルから椅子取ってきた。


 そんでもって、私とロナウドの間に割り込む。


 「ちょ、なんでここに入ってくんだよ。」


 「今くらい別にいーっしょ王子サマ、普段は二人でラブラブしてんだから。」


 「「ラブッ!?」」


 と言いながら、結局レオは強引に私たちの間に割り込んできた。


 あの事件から、レオは悪い二人とつるむのは止めて、例の少年やポスカ君と仲良くなっていた。


 ポスカ君はどこ経由で?と思ったら、そう言えば二人とも例の少年を守ってた立場だったね。


 「やってる事は男らしいんだけどな、見た目と素行がチャラいんだよな。」


 「まぁ、言葉遣いは気になりますが、これが彼の個性なんですよ。」


 「フラン様は彼をいつの間にタラシこんだんですか?」


 タラシというなよ。


 まぁ、仲良くなったって言うなら、やっぱあの事件からよね。


 あの日以来、私を見つけてはいっつも声掛けてきてお喋りするんだけど、根が良い奴だから会話は楽しい。


 ただ、都度お茶やお出かけのお誘いをしてくるのは、軟派な野郎だと思った。


 ここが硬派なエリックとの違いだよね。


 「会長、明日の休みヒマ?

 ちょっと出かける用事あんだけど、一緒に来てくんね?」


 ほらまた始まった。


 「ちょ、お前何言ってんの!?」


 「なら、僕もついて行きたい!」


 「わりっスね、会長と二人きりで行きてんスよ。

 ポスカとはまた今度な。」


 「フランの婚約者は俺だ!

 二人きりとかダメにきまってんだろ!」


 「大丈夫ッスよ、別に取って食ったりしねーっスから。」


 えーっと、みんななぜ私が行く前提で話を進めているのかな?




 結局、生徒会のメンバーと一年生二人で出かける事になった。


 いつも以上にロナウドがムキになってるのがちょっと面白い。


 今日はレオが行きたいと言っていた、小物屋とアクセサリーショップに行くらしい。


 男でアクセサリーショップとか珍しいって思ってたけど、ピアスとか指輪とかのシルバーアクセサリーをジャラジャラつけてるから納得。


 先に向かったのは、小物屋。


 ブリギッド商会の管轄してない小さな個人経営のお店だった。


 「よぉ店長、元気してる?」


 「あらレオ坊っちゃん、今日は大勢連れてきたのね。」


 「店長、いい加減坊ちゃんてのやめてくんね?

 俺もうこんななりだぜ?」


 「坊ちゃんは坊ちゃんだよ。

 今日は何を買いに来たんだい?」


 「とりあえず物色してから決めんよ。」


 木製品や手編みのもの、小さなバスケットなど、どれも店長さんの手作りだそうだ。


 「意外。

 レオって侯爵家なのに、こんな所来てるんだ。」


 「俺、貴族ってなりじゃねーだろ?

 こういう所のが居心地いーんだよ。」


 狭いお店の中を、五人が占領する。


 すると、


 「これ、フラン様そっくりです。

 私これ買います。」


 そう言って、リリーちゃんがこけしの様な小さい人形を手に取った。


 それ、私に似てるか?


 「あ、それ探してたやつ。

 チッ、先に取られちまった。」


 レオが悔しそうにしている。


 「本当だ、フランそっくり。」


 「本当によく似てますね。」


 これ、こけしだぜ?




 間食に屋台の食べ物を物色した。


 「ここの串刺し肉食ってみ?

 マジウメーから。」


 そう言って手渡された串肉は、噛みごたえがあって塩加減がいい塩梅。


 「こういうのが好きなの?」


 「だな、貴族の堅苦しい料理作法とか必要ねーし、気楽に食べれるっしょ?」


 「ふふっ、そうね。」


 「フランの作った料理、全然貴族っぽくないけどな。」


 確かに。




 最後に、アクセサリーショップ。


 ここも個人経営の小さなお店。


 シルバーアクセサリーメインで、割と安価な物が取り扱われている。


 レオはここのアクセサリーを付けてるっぽい。


 「よぉ兄弟、例のやつ出来てっか?」


 「出来てっよ。

 ったく、こんなん初めて作っから、随分と手間どったぜ。」


 店の奥から、腕にタトゥーを入れたチャラそうな店員が出てきた。


 「特注だ、高くつくぜ?」


 「構わねーよ。

 今財布重てんだ。」


 そう言って、何やら小さな箱を受け取っていた。




 用事は済んだようで、学校へ帰ることに。


 学校へ着くなり、レオは私にあの小さな箱を渡してきた。


 「これ、やんよ。」


 「何これ?

 見てもいい?」


 そう言って中身を見ると、丁寧に彫刻された貴重な木の指輪が入っていた。


 「金属だったら、会長自分で作れちゃうっしょ?

 だから、木製の指輪にしたんだよ。」


 「う、嬉しいけど、こんなの受け取れないよ。」


 「いーんだよ、奴らに金返してもらったから、今金が余ってんの。

 こんくらい気にすんなって。」


 指につけると、たまたま薬指にサイズがピッタリだった。


 「これはわざと?」


 「んな訳ねーだろ、指細そうだから適当に小さいの作ってもらったんだって。

 想像よりは太かったんだな。」


 失礼しちゃうわ。


 まぁ、カーネル前生徒会長のようなイヤミじゃなくて、笑いながらの冗談だから嫌気はしないけど。


 「ありがとう、貰っておくわ。

 中指にはめられるように、ダイエットするから。」


 「んな事したら、余計ちっちゃくなんぜ?」


 「ならない!」


 そんなこんなで、下町の庶民っぽいお出かけを堪能して、私は割と満足していた。




 「僕だって、木のアクセサリーくらい作れるからね!」


 「俺だって作ってやるからな!」


 「僕だって負けませんよ。」


 「私も、欲しいものなら何でも作って差し上げます!」


 彼らの競争心に火がついた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 200話おめでとうございます! [一言] そしてみんなから木製のプレゼントが……( ˘ω˘ )
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