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161 公爵令嬢は冬の味覚を楽しむ

 すっかり寒くなった冬真っ盛り。


 こんな季節に食べたいものが、温かい料理。


 最近は昼食に、レベッカちゃんお手製の鍋料理を毎日味を変えて楽しんでいる。


 勿論、鍋ごと貰うのではなく小分けについであるけど、食べたら身体がぽっかぽか。


 食後に食べるベルギーワッフルも、熱々ふわふわでメープルシロップと相性抜群。


 和食の後のデザートっぽくはないけど、美味しいものは仕方がない。


 一緒に食べてる新生徒会メンバーや元一班の三人も、鍋とベルギーワッフルに満足している。


 「フラン様と一緒にいるだけで、人生得してます。」


 「あー、オレもそれは思いました。

 友達になれて、本当に感謝しかありません。」


 「ボ、ボクも、いい事いっぱいで、嬉しい。」


 嬉しいこと言ってくれるじゃないの。


 「俺はそれを十年前から経験してるんだぜ。」


 「「「羨ましい〜」」」


 おいロナウド、何を張り合ってる?


 でもそういえば、ロナウドと初めて出会ったのは十年前の冬に差し掛かった頃だったな。


 あの頃は、世間知らずでワガママなロナウドだったけど、今や立派に育ってしまって。


 私の自慢のパートナーになったんだよねぇ。


 「色んな意味で恥ずかしい事をベラベラと喋るなよ!」


 大丈夫だって、ここにいるみんなご存知だから。


 「誰にも言うなと言ってたのに、何故知られてる?」


 ロナウド私を睨まないで!


 犯人はセシル様なんだから!


 私にはしっかり口止めしてたけど、セシル様には言ってなかったでしょ?


 「子供の頃なんて、誰でもあるじゃないですか。

 思い出話のひとつですよ。」


 隠していた黒歴史を悪気もなくみんなにバラし、今も一向に悪びれる様子のないセシル様。


 その態度に対して、真っ赤になって黙ってしまったロナウド。


 こういう所がカワイイんだよね。




 寒い日は思考が回らない。


 という事で、生徒会室にコタツを用意した。


 これならいつでもぬくぬくタイム。


 「生徒会室に何てものを持ってきてんだよ。」


 そう言って私の頭をコツンとしながら、コタツに潜るジョニー先生。


 言ってる事とやってる事が違いませんか?


 小型の木炭ストーブに排気口を設置して、ストーブの上でやかんに注いだお湯を沸かして、それで熱々の緑茶を作り、ハリカン(ミカンもどき)と一緒に頂く。


 至福のひととき。


 あーダメだ、コタツは人を駄目にする。


 生徒会メンバー全員でゴロゴロしちゃった。


 寒いけど、コタツから出てちょっとひと仕事しよう。


 「コタツから出るんなら、お茶のおかわりちょうだい。」


 「僕もお願いします。」


 「ハリカンが無くなったので、補充して頂けませんか?」


 「俺の代わりにトイレ行ってくれ。」


 言われると思ってたよ、「ついでに」発言。


 てか、最後のは絶対無理でしょ。




 ぽっかぽかに温められた部屋から出たくない。


 でも、何もせずじーっとコタツで大人しくも出来ない私。


 いっそ気晴らしに料理でもしちゃおうかな。


 冬にピッタリのあったか料理。


 そう言えば、今年はもち麦という素晴らしい食材があった。


 では、冬の味覚を作っちゃおう!



 まず一つ目。


 小豆をあらい、たっぷりの水で中火にかける。


 鍋が沸いたら弱火にしてしばらく煮ると、徐々に煮汁の色が変わっていき、蓋をして18分(地球時間で30分)蒸らす。


 蒸らしが終わったら煮汁を捨てて、渋抜きをして汁気を切った小豆を鍋に戻し入れて、水を加える。


 鍋を中火にかけて、沸いたらアクをすくい取ったら、蓋をして更に36分(一時間)極弱火で火にかける。


 指で潰せる硬さになったら、火を止めて蓋をしたまま18分(30分)蒸らす。


 蒸らし終わった小豆と汁に砂糖と少量の塩を入れて火にかけて、味が整ったらぜんざいの完成。



 続いて二つ目。


 水気の多いこし餡をお湯で溶かして、味を整えたらお汁粉の完成。


 粒あん汁がぜんざいで、こし餡汁がお汁粉ってよく言われてるけど、厳密に言えば、あんこを水で溶いて汁を作るのか、水に小豆と砂糖を入れて煮て汁を作るのか、という区別の仕方が基本らしい。


 これらに、焼いたお餅を入れれば、ぜんざいとお汁粉の出来上がり。




 さぁ、暇を持て余している生徒会の諸君、冬のあったか甘味を召し上がれ。


 「餡子汁に餅か!

 絶対に美味いに決まってる!

 ほらみろ美味かった!」


 「トロリとしたホカホカの小豆汁と熱々の焼き餅のモチモチ食感が、程よい甘みとマッチして、なんとも言えない幸福感に包み込まれますね。」


 「温かさと優しい味で、体の芯までポカポカです。

 さすがフラン様です。」


 「ほぉ、なかなかやるじゃねぇか。

 こいつぁ俺も気に入ったぜ。」


 みんなに好評で何より。




 これ以降生徒会室では、コタツに入ってお茶とハリカンを食べながら、ストーブで焼いた餅でお汁粉やぜんざいを楽しむのが定番になった。


 だから、仕事しろって。

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