158 公爵令嬢は女子会をする
武闘会も無事に終わって、今日は女子だけでお出かけ。
私、リリーちゃん、レベッカちゃん、アンリさん、ミラ前副会長。
そしてリッカ、なぜシレッと混ざってるんだ!?
「フラン様に何かあってからでは遅いですから。」
何もないように離れて見守ってくれろよ。
今日は女子らしいお出かけという事で、衣装屋やジュエリーショップを回る予定。
衣装屋は、レベッカちゃんが最近また背が伸びて色々とサイズが合わなくなってきたらしい。
くそう、羨ましい限りだ!
「ワタシも最近、ちょっとサイズが合わなくなって……」
「私もだ、運動する時はサラシを巻いているのだが、普段用の物をワンサイズあげようかと思っている。」
「皆さんもそうだったんですね。
私もそうなんです。
思春期だと、皆さん成長していくんですね。」
「私は思春期は終わりましたが、まだまだ大きくなっていますよ。」
何故全員サイズアップしているのだ!?
リッカはもう色々と大人しくしてろよ!
「フラン様も、新しく新調なさったらどうですか?
最近はデザイン豊富で、慎ましくて可愛らしい物も多くございますよ。」
いいんだよ私は!
お手製の盛り上げタイプのやつを付けてるから!
という事で、まずはランジェリーショップ。
ゴージャスデザインの物や、繊細なレースを使ったもの、可愛らしい上下セットや全身コーディネートの物まで、数多く取り扱っている。
「これなら私でもサイズがピッタリですね。」
「ワタシはシンプルなこれがいいと思います。」
「ねえねえ、これなんかどぉ?
めっちゃ可愛くない?」
「おぉ、これはスポーツ用のものだ。
動いてもしっかりホールドしてくれるのか。」
「男性を魅了するなら、やはりこのようなデザインのものがいいですよ。」
「「「「きゃー、リッカさん大胆!」」」」
みんなは私を置いてけぼりにして、きゃあきゃあ言いながら物色している。
ちくしょう!ちくしょう!!
後で覚えてろよ!!
次に行ったのは、ブティック。
サイズが合わなくなった皆様の普段着や靴を調達したいんだそうな。
サイズ変化してないから、節約できる私。
あー良かったー、ぐすん。
「これ、フラン様に似合うと思わない?」
「ホント!超似合う!」
「なるほど、こういった装いもしてみたらどうかな?」
そう言って差し出したのは、フリフリの着いたブラウスとスカート。
だから!
こんなにもフリフリをつけてる15歳なんていないから!
子供扱いしないでよ!
自分達の衣装をさっさと決めて、私で着せ替え人形をするみんな。
どれもこれも可愛らしい服ばっかり。
もっと、スラッとキリッとした衣装が着たいんだよ!
「駄目ですよ、フラン様。
皆様がこれ程まで熱心に選んでくださった衣装を着ないなんて、失礼極まりないです。」
リッカこのやろう……!
結局、私はリッカのせいで大量のフリフリ衣装を自腹で買う羽目にってしまった。
ちょうどお昼時なので、ご飯を食べる事になった。
食後のデザートが食べ放題のスパゲッティ屋さん。
勿論、ブリギッド商会経営のもの。
醤油が出来た事で、和風味のスパゲッティが数種類追加。
バリエーションが更に増えたスパゲッティを選ぶのだけど、中々決まらない。
という訳で、シェアして食べようと言うことになった。
取り分けは勿論レベッカちゃん。
いや、リッカ仕事しろ。
会話の内容は、武闘会の反省会。
「ワタシ、今回結果を残せませんでした。
皆さんが強すぎて、見応えのない試合になってしまいました……」
「でも、アンリさん一回戦は突破したじゃない。
二試合も出来たなんて羨ましいわ。
私なんて、先生のせいで一回しか戦えなかったもの。」
「ああ、あれは前期生徒会で決めたことだ。」
「えぇ!?ミラ副会長酷い!」
「たった一回であれ程の試合が出来るんだから、全然問題ないだろう。
私なんて、二度も一回戦敗退だったのだからな……」
「副会長は運が悪かったんですよ。
相手の相性がどちらも良くなかったですし。」
「君に言われたくないよ。
私を殴りまくって、光魔法を一切使わなかっただなんて、屈辱極まりない!」
「いえ、ちょっと試してみたかっただけなんで……」
「私を実験台にするな!」
「でも、副会長とってもカッコ良かったです。
真剣な凛々しい表情と剣技がとても綺麗で、派手な爆破魔法とのギャップがとても美しいと思いました。」
「アンリ嬢……
君は良い奴だな。」
「「私達もそう思ってましたよ!」」
「君らのそれはお世辞にしか聴こえない。」
「まぁそれはそれで置いといて、リリーちゃんすごく強かったね。
名だたる上級生をコテンパンにしちゃうんだもん!」
「フランドール嬢……」
「べっ、別に、ミラ副会長の事を言ってるんじゃないんだからね!」
「確かにそうですが、ロナウド殿下もセシル様もとてもお強い方でしたから、直ぐに負けてしまいました……」
「なんであの時、雷壁に手を突っ込んだんですか?」
「いけるかなと思って。
でも、駄目でしたね。」
「あれは無茶にも程があるぞ。」
「皆さん良いですねぇ、私も魔法が使えたら、皆さんと一緒にバトル出来たかもしれないのに。」
「レベッカちゃんも魔法使えないだけで基礎スペックめちゃ高いよ。」
「そうですよ、料理と解剖を同一視出来るなんて、レベッカさんくらいです。」
「「料理と解剖を同一視……」」
「まぁ、レベッカさんも私には敵いませんが。」
リッカは黙ってて!
最後はお馴染み、ブロッサム商会王都支店。
アクセサリーやドレスのデザインをどんどん増やして、売れ行きはどんどん増えていくばかり。
貴族の淑女の皆様は、ありったけのドレスや宝石を全種類買ってしまうから、在庫はいつもカツカツ。
お針子や宝石職人を増やしたんだけど、いっつもてんてこ舞いだそうな。
絶好調、と言っていいのか?
皆さんはサイズアウトしたドレスの代わりを物色中。
今までのドレスは私にくれる、と言ってたけど、ブカブカで着れるわけないでしょうが!
生徒会の時にでも手直しして、また着れるようにしてあげよう。
「そう言えば、副会長の袴ドレス、とても美しかったです。
思わず見とれてしまいました。」
「リリー嬢、言い過ぎだ。
君だって、とても似合ってたよ?」
「袴姿にから傘と日本刀とか、絶対似合う。」
「ニホントウとはなんだ?」
痛い!肘打ちが強いよ、リッカ!
「この仮面、とっても綺麗ですね。
フラン様が行ったという仮面舞踏会、今度のワタシのパーティでやってみても良いですか?」
「もちろんよ!
きっと楽しいパーティになるわ!」
「自画自賛ですか?」
だから、リッカは黙ってなさいよ!
楽しい女子会はあっという間に終わってしまった。
女子会というのは、いつも私の心が傷つく場所だと、改めて確信した。





