156 公爵令嬢は武闘会をする1
第三期テストがついに来た。
どうせ今回も前回と同じ成績なんだろうと高を括っていたら、なんとロナウドが座学同率一位に割り込んできた。
しかも、元一班の三人が総合的に成績を上げてきたせいで、私はついに班長の座を奪われてしまった。
めっちゃくちゃ悔しいけど、運動神経だけはどうにもならない。
せめて水泳の項目があれば違ったのに……
という訳で、今回はロナウドと同じ一班。
チート過ぎると言われても、成績順のせいだから仕方ないね。
因みに、ウッディ君はセシル様とまた一緒。
二人の絆どんだけ強いかよ。
第四期のメインイベントは、学校内武闘会。
そう、戦うのだよ。
で、これは個人戦とチーム戦の二種類ある。
個人戦は、素手部門、武器部門、魔法部門の三種類。
チーム戦は、陣取り。
素手部門は、武器なしの取っ組み合い。
殴る、蹴る、寝技等、武器を持っていなければ何でもあり。
武器なしと言うだけあって、身体検査あり。
靴底やつま先に鉄板とか入れられたり、こっそり防具を着込んだりしないように、という事らしい。
武器部門は、その名の通り武器を使って戦う。
用いる武器種は何でも良くて、危険の少ない木製の物が使われる。
そして魔法部門は、魔法を使ってドンパチ。
魔法さえ使っていれば、素手だろうが武器使用だろうが何でもあり。
個人戦で一番派手な部門だ。
団体戦は、相手の陣地にある旗を奪い合う競技。
人数は二対二。
どの競技かいずれかに必ず一回は参加しないといけない。
トーナメント戦で、トータル順位の高い班が優勝となる。
そしてこの学校内武闘会、参観日が兼ねられている。
そう、うちの両親がまた来るんだよ!
だから、両親揃って来るんじゃないよ!
二人とも仕事パンパンで忙しいでしょ!
「「フランの戦う姿を見届けたい(無茶をしないか監視しないといけない)」」
おい、心の声がダダ漏れだ。
無茶なんてしない、実力の範囲内でボッコボコにしてやるだけだよ。
そして、今回は騎士団や魔導師団のスカウトもあるらしい。
つまり、お兄様も来るんだよ。
家族総出で来るとか、恥ずかしいの極みだよ!
人選は、個人戦は各種代表一人で一人一種目まで、四人班は一人見学、二人班は一人が二種目参加。
団体戦は、個人戦に出られなかった人を含む二人。
私達一班はかなり有利。
なんたって、チート野郎が二人もいるからね。
ロナウドが武器部門、私が魔法部門、素手部門は男子生徒その一に決まった。
気になることがひとつ。
私、何でシード枠?
一回しか戦えないじゃない。
「いや、それくらいハンデ与えないと、絶対上位にくいこむでしょう?」
つまり、0か十かの極端な結果になってしまうんだね?
「あと、ゴーレム禁止ですからね。」
ちょっと先生!なんでそこまで縛りが多いの!?
「フランならこの程度で負ける訳ないよな?」
変なプレッシャーかけないでよ!
そして始まった学校内武闘会当日。
観客の父母祖父母、その他親戚一同大勢の人が駆け寄ってきた。
もしかしたら両親来てるのうちだけじゃないかも。
てか、また国王陛下来てんじゃん。
いくらロナウドの親だからといって、場をわきまえようよ。
最初は素手部門。
ここはあんまり期待してなかったけど、一回戦は突破してた。
普通に褒めてあげよう、男子生徒その一。
素手部門二位は、なんとなんとウッディ君。
トーナメントでかなり運が良かったらしく、決勝まで割と楽勝だったらしい。
やっぱり、運も実力のうちだね。
「武器を買うお金がなかったから、素手バトルを頑張ってたんです。」
なるほど。
悲しい事実さえ武器にするんだね。
因みにだけど、一位はエリック。
「喧嘩なんざ日常茶飯事だったし」
流石は不良、としか言いようがない。
続きまして、武器部門。
ここでは、ロナウド、アンリさん、ビクター君が出場。
セシル様が出なかったのがちょっと意外だった。
「セシル様の魔法は、三班でも断トツだからね。」
なるほど、一理ある。
つまり、私はセシル様と戦う事になるのかな?
うへぇ、相性悪い。
言わずもがな、ロナウドは順調にトーナメントを突破していく。
そして、最近の活躍ぶりから分かってたけど、全然予想外でも何でもなくビクター君もどんどん勝ち抜いていく。
ビクター君、片手剣と小盾なんだけど、あの人の筋力どうなってんだ?
片手剣がショートソードくらいあるし、小盾が小じゃない。
そして決勝。
素早さのロナウド対パワーのビクター君。
見応えのある攻防戦に、周りも段々と盛り上がっていく。
そしてついに決着。
辛勝でロナウドに軍配が上がった。
「ビクターがこんなに強いなんて、何となく分かってたけど改めて実感したよ。」
「で、でも、ボク、ロナウド様に、負けてるから……」
いやいや、ロナウドといい勝負出来る人って、私セシル様くらいしか知らないからね?
「いやぁ、これ程見応えのある武器部門は久しぶりだねぇ。」
学校長も満足気だった。
後半へ続く





