145 公爵令嬢は不良と出会う
学校祭が終わり、いつもの日常に戻った。
最近放課後は、元一班のメンバーが魔法の訓練をしたいと言ってきて、それにロナウド、セシル様、リリーちゃんが付きっきりになってしまった。
私はなんにも協力出来ないから、一人で図書館へ。
大分慣れては来たけど、やっぱり図書館であの二人に会うのは面倒くさい。
「おや、また貴女ですか。」
来たよ、面倒くさいその一、カーネル生徒会長。
「今日もサボり用の本の物色ですか?」
「違います!
これから読もうと思ってる本を探してるんです!」
「今日はお連れの方はいらっしゃらないのですか?」
「みんな魔法の訓練してます。」
「それで、貴女は訓練しなくても魔法の扱いが上手だから、除け者にされたんですね?」
この野郎、言い方悪いけど、あながち間違ってないから何も言えねえ。
「少しは私にも猫被ってください!
その言い方は傷つきます!」
「ミラ副会長は私のこの喋り方を受け入れてくれましたが?」
二人はそこまで仲良くなってたのか!
「じゃあ、ミラ副会長とお喋りしてればいいじゃないですか。」
「生憎、今日彼女は剣術部の訓練の日でね。」
「カーネル生徒会長だって除け者にされてるじゃないですか。」
「私達はそういうのではありません。
お互いの距離を適切に保ってますから、プライベートな事を詮索するつもりなんて全くありません。」
だったら私にも適切な距離を取ってくれよォ!
何とかカーネル生徒会長から逃れた私の目の前に、大きな壁が立ち塞がった。
来た、面倒くさいその二、ジョニー先生。
「おいおい、図書館では静かにしろって教わらなかったのか?」
さっきの私の考えてた事ってまさかフラグだったのか!?
「その魔法陣はまだ授業で習ってねぇだろ。」
「予習ですよ。
私は元々、魔法陣や魔導具に興味がありましたから。」
「魔法陣も魔導具も、教師の許可なく発動しちゃダメだって知ってんだろ?」
「分かってますよ、そのくらい。
一人で実行するのは危険ですから、本を読むだけです!」
「じゃあ数学の時間にこっそり魔法陣の練習すんじゃねぇぞ?」
そう言ってコツンと頭を叩かれた。
子供扱いしないって言ってたのに!!
二人を掻い潜って本を借りた私は、木陰で本を読むことにした。
日差しがまだ強くて暑いので、木陰は気持ちいい場所だった。
葉の隙間から差し込む柔らかい光が、サラサラと音を鳴らして風で揺れる木の葉に合わせてキラキラと揺らいでる。
お行儀悪いけど木の根っこに座って、本をパラパラと読んでいたら、
「おい、そこ、邪魔なんだけど。」
そう言って私を睨む男性が現れた。
目の色は真っ青と言っていい程透き通った濃いブルーなのに、髪の毛は不自然なまでにくすんだ黒色。
整った顔ではあるんだけど、人を見下すような視線と態度。
な、何様のつもり!?
「私はここで本を読んでいるだけだわ。」
「いやそこ、俺の特等席。
そこ退けよ。」
この態度、腹が立つー!
「どこで見たって私の勝手でしょう?」
「お前一年だろ?
生意気なんだよ。」
あーもう、気分が悪くなった!
「もういいです、貴方とは関わりたくないので私がどこかへ移動します。」
そいつにプイッとそっぽを向けて、私は再び図書館へ。
何よ、アイツ!
カーネル生徒会長の言い方にもムカッとするけど、あいつに比べたらまだまだぬるかったわ!
本当は中庭で読書したかったんだけど、なんか熱々カップルがイチャイチャしててむさくるしかったから、居心地が悪い。
新しい本でも調達してこよ。
「ああ、彼ですか。
彼はエリック・アンダーソンと言って、先生でも手をつけられない不良です。
授業中に寝たり、授業をサボったり、先生や他の生徒に乱暴な口を聞いたり、と生徒会の我々も困るほどマナーのない奴です。」
図書館で再びであってしまったカーネル生徒会長にさっきの男の事を聞いた。
「どうしてあんなに態度が悪いかご存じですか?」
「あまり詳しくは知りませんが、魔力量がかなり低くて、周りからの扱いが良くなかったらしいです。」
たかが魔力量が低いからグレるなんて、信じられない!
私だって魔力量は低いのに!
てか、周りも周りだ。
魔力を持ってること自体がとても凄い事なのに、人より魔力量が少ないってだけで後ろ指さすだなんて!
その事だけは同情するけど、だからって他人に八つ当たりしていい訳ないでしょうが!
今度出会ったらガツンと言ってやる!!





