137 公爵令嬢は友人達とお出かけする
今日は約束していたみんなとのお出かけ。
ロナウド、セシル様、リリーちゃんと、アンリさん、ウッディ君、ビクター君、それにレベッカちゃん。
三人にレベッカちゃんを紹介した。
「彼女がレベッカちゃん。
みんな、良くしてあげてね。」
「初めまして、って言って良いのかな?
食堂で私を見かけた事あるかもですけど、フランちゃんの友人で専属料理人のレベッカです。
皆さん、よろしくお願いします。」
満面の笑顔のレベッカちゃん。
今日をすごく楽しみにしてたもんね。
「アンリと申します。
いつも美味しい昼食を作ってくださって、ありがとうございます。」
ちょっと照れた様子のアンリさん。
最近表情というか雰囲気を読み取れるようになってきた。
「オレはウッディです。
フラン様から話を聞いてて、会えるのを楽しみにしてました。」
ウッディ君もレベッカちゃんに負けないくらい笑顔。
人見知りとか全然しないタイプなのかな?
「ボ……ボク……ビクターです……」
こちらは完全に人見知ってる。
普段以上に声が小さくて、会話が辿々しい。
「ロナウドだ」「セシルです」「リリーと申します」
うん、知ってる。
どこへ行きたいかみんなに聞いたら、
「「「「「「「フィアンマ男爵領」」」」」」」
いやいや、片道最低一日半かかるのに、だった一日の休日で行けるわけないでしょうが。
仕方がないので王都のブリキッド商会へ行く事にした。
ここのブリキッド商会は国内最大級で、大きな区画で大規模な出店をしている。
日本で言うところのデパート&商店街みたいなものだ。
まず店舗に入って最初に目についたのが、ドレスショップ。
女性物の衣装や宝石は勿論、男性用の普段着や礼服がズラリと並んでいる。
私が公爵領にいた頃にデザインしたドレスも売っていた。
十年前のデザインなのにまだ売れてるって事は、定番の衣装になっているって事かな?
一応レベッカちゃん以外は全員貴族なもんだから、あーだこーだとウィンドウショッピング。
お近づきの印に、とセシル様がアンリさんにペンダントをプレゼントしていた。
リリーちゃんはヤキモチを妬かないのかな、と思ってたけど、特にそんな様子はなかった。
「私には、フラン様が作ってくださった物が沢山ありますから。」
そんなもんなの?
「うーん、ここの衣装はかなり高級志向だ……」
そっか、ウッディ君はあんまり裕福ではなかったもんね。
高級な物に手を出すのは、かなり大変だ。
「そうなの?
だったら俺が買ったげよっか?」
「いやいや、ロナウド様にそんな事させられませんて!」
「いいよいいよ、俺結構自分で稼いでるんだぜ?」
そういや、私の手伝いやら何やらで結構懐あったかいんだったね。
「じ、じゃあ、このネクタイをもらっても良いですか?」
「随分遠慮したな。
まぁ、それで良いんなら。」
「ありがとうございます!
一生大事にします!!」
良かったね、ウッディ君。
「ボ、ボクは……?」
ビクターくん、君お金持ちのところの坊ちゃんでしょう?
次に向かったのは、スナックフード店。
唐揚げやハンバーガーセット、フライ系の食べ物は勿論、ポテチやポップコーン等お菓子だって充実している。
そういや、公爵領にいた頃は気晴らしによく揚げ物を作ってたわ。
コック達が胃もたれをしたのは良い思い出。
手作りピザ体験の出来るコーナーもある。
「久しぶりにピザ作って食べたいな。」
「懐かしいですね。
あの石窯はまだあるのですか?」
現役です。
あれだけ私を叱っておきながら、今じゃお母様が一番利用してるんだから、ただの叱られ損じゃない。
初めてピザを作るメンバーもいて、キャアキャア楽しそうに作っている。
あの頃と変わらずピーマン圧倒的不人気。
今やメジャーな食べ物になったピザだけど、種類がどんどん増えていって、スイーツピザも出てくるほど。
まあ、それもほぼ私の作ったレシピなんだけどね。
「自分で作るピザって、なんだか特別感がありますね。」
「美味しい!
母や妹に食べさせてあげたい!」
「ボ、ボク、毎日、いや、毎食、これでもいい……」
似たようなセリフをどこかで聞いたことがあるぞ?
食後の別腹にスイーツショップ。
チョコレートにアイスクリーム、お饅頭やスイートポテト等、甘いお菓子が盛り沢山。
さっき満腹になるまで食べたはずのみんなは、目をキラキラさせながらショーケースのお菓子を見つめている。
「せっかくここまできたのですから、チョコフォンデュでも食べませんか?」
何でリッカがしゃしゃり出るのさ!
最後に回ったのは本屋。
国内有数の在庫を持つ書店で、文具や絵画も売っている。
昔ロナウドにあげたガラスペンも、今や普通に流通する当たり前の文房具。
「オレ、ここのガラスペン買った事ある。
妹の十歳の誕生日にあげたんです。」
「最初のガラスペンは俺が持ってるんだぜ。」
「誕生日パーティーの時に渡した物ですよね。」
「誕生日プレゼントの事すっかり忘れてたフランが即興で作ったやつが、今やこれ程までに流行ってるなんてな。」
そ、そのエピソードは秘密にしておいてよ……
「あの時、レベッカさんはフランさんにブチ切れしてましたね。」
「セシル様!余計なこと言わないでよ!」
「この書籍の数々は、学校の図書館程もありますね。」
「フランちゃん、ここにはフィアンマ男爵領で作られた本もあるの?」
「そうよ。
と言うか、ここは一番のお得意様だから。」
「私は何度か来た事ありますが、あまりの量に圧倒されて、全てを読み切るだなんて出来ません。」
私は全部読んでるけどね。
……ビクター君、ひっそりと絵画買ってくるなよ。
学校に戻ってからは、レベッカちゃんのお手製料理。
手際のいいレベッカちゃんは、各々バラバラの注文内容だったのにあっという間に作り上げちゃった。
「それでいてこのクオリティなんだもんな、反則級だよ。」
「レベッカさんのご飯は、やはり美味しいですね。
今日一日一緒にいて、ワタシ、レベッカさんのファンになりました。」
「えへへ、そんな事言われると照れちゃう。」
「レベッカさんといいお三方といい、フラン様の周りには素敵な方々が沢山いて、その中にオレも混ざってると思うと、とっても誇らしいです。」
「今日、とっても……いい日だった。」
だよね、絵も買えたしね。
「また皆さんでお出かけしましょう。」
「そうですよ、私も今日とても楽しかったです。」
「俺たちすっかり仲良しだな。」
本当に、みんなと仲良くなれて、私も嬉しい。
「私も、皆さんとご一緒にいられて、とても心地よく過ごせました。」
だから何で自然にリッカが混ざってるんだよ!





