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98 公爵令嬢はつわりを対策する

とってもおめでたいお知らせが届いた。


マリア様がご懐妊なされたそうだ。


この世界には電気がないからエコー検査なんてもちろん出来なくて、今まで男の子が女の子かは生まれてみないと分からなかった。


ところが、私のアドバイスでセシル様がエコー検査を開発。


お腹の赤ちゃんの様子を確認する事に成功してしまった。


すごいね、セシル様。


ちなみに、マリア様はまだ妊娠初期で、お腹の子の性別は今は分からないらしいんだけど。


赤ちゃんかぁ。


弟以来だから懐かしいなぁ。


と言うか、はやく赤ちゃん見たい!


超楽しみ!


あの二人の子供だから、どっちに似ても絶対可愛いし!


はぁ、私にも抱っこさせてもらえないかなぁ。


あ、ベビードレスを作らなきゃ!


他にもメリーゴーランドとかガラガラとか玩具を作ってあげよう!




公爵家へ寄った際に、マリア様の様子を伺いに行った。


どうも、調子が悪いらしい。


いわゆるつわり。


マリア様の場合、かなり重い吐きつわりらしく、食べ物どころか水分もろくに摂れてないらしい。


体重もすごく減ったらしい。


ちなみに、体重計は私がお父様に差し上げた物が量産されて、王都や公爵領に出回るようになったらしい。


児童や妊婦の体重管理に役立ってるんだとか。


話は戻って、悪阻といえばお袋も下の弟の時入院する程酷かった。


あの時は、何か食べ物を探すために色々調べ回ったなぁ。


結局、何も合うものがなくて、点滴で三ヶ月過ごしてた。


あんまり悪阻が酷すぎると、栄養失調で命に関わる事もあるらしい。


そういや俺も栄養失調で死んでたわ。


俺の場合、つわりとか全然関係ない完全な自業自得だけど。



悪阻を治癒魔法で治せるのかリリーちゃんに聞いて見た事あるんだけど、どうも病気じゃないからその時の体調不良を軽減するくらいしか出来ないらしい。


うーん、まぁ確かに、つわりの原因はお腹の赤ちゃんだもんなぁ。


どうにか対策させないと、本当に大変な事態になっちゃう。


せめて水分だけでも充分に補給出来る様にしないと。



「ご無沙汰しております、マリア様。

お身体の調子はいかがですか?」


「……見ての通りですわ……

何も喉を通りませんの……

これではお腹の赤ちゃんに、栄養を与える事が出来ませんわ……」


見るからにやつれ切って、元気のないマリア様。


いつもの覇気が全くなくなって、かなり弱気になっている。


こんなマリア様、初めて見た。


「あの、つわりには酸味の強いものがいいと聞いたことがあります。

柑橘系の果物や果実水もお口に合いませんでしたか?」


「……それは私も聞いたことがありましたわ。

試して見たけど、どれも気持ち悪くなって吐いてしまいますわ……」


うーん、話にきいてたとおり、かなり重症だ。


でも、吐くからといって何も口にしないと、本当に餓死してしまう。


そんなの、シャレになんない!


「マリア様、苦しいとは思いますが、飲み込める様でしたら果物だけでもお口になさって下さい。

嘔吐してしまっても、僅かに胃に残れば赤ちゃんの栄養になります。」


「……そうですのね……

分かりました、努力してみますわ……」


「大変ではありますが、色々な物をお口になさっていると、これなら食べられるという物が見つかるかもしれません。

私も色々と調べて参りますので、お腹の赤ちゃんのためにも、一緒に頑張って頂けませんか?」


「……そうですわね、お腹の子のために、私が頑張りませんと。」




まず急いで用意したのが、炭酸水。


この世界で妊娠中に炭酸水飲むって話を聞いたことがないから、みんな知らないのかな?


まぁ、市場に出回ってる炭酸水はほとんどジュースにされてるから、吐きつわりの人には味や匂いが駄目って人がいるのかも。


ちょっと強めの炭酸水に味付けは薄ぅーくレモン味。


早速マリア様に飲んでもらった。


「……不思議、いつもの吐き気がほとんどない……

なんだかこれなら飲めそうですわ。」


よかった!


何とかこれなら水分補給出来そう。


がぶ飲みしたら吐き気出るかもしれないから、ちびちび飲むように伝えておいた。


もうひとつ試しておきたい飲み物があった。


水に砂糖と塩とレモン汁をいれて、はい完成。


経口飲料水。


身体の中のイオンバランスを整えてくれる、超お手軽簡単スペシャルドリンク。


飲めるようならこれも飲んでもらおう。


「まぁ、これも飲みにくさがありませんわ。」


よしよし、これも上手くいった。


あ、ダメだったのかな、気持ち悪そうな表情してきた。


無理はしないでね。



飲み物は何とか用意出来た、次は食事。


お袋はご飯の炊ける匂いと湯気がダメだって言ってたな。


幸い今は夏だし、冷たい食べ物が食べやすい季節。


色々と用意してみよう。


まずはそうめん。


むーん、麺つゆに魚醤を使ったのがダメだったようだ。


早く醤油完成しないかな。


次に冷奴。


ポン酢と生姜で味付け。


お、今までで一番口にしやすいそうだ。


これなんかどうかな、アイスクリーム。


あー、後味のミルク感が気持ち悪かったかぁ。


氷ならいけるのね。


あ、あれとかどうだろう?


男爵領では


「うっ、な、なんだこれ!?

酸っぱすぎる!!」


「ダメだ、口の中からこれでもかとヨダレが出てくるのに、酸味がちっとも落ち着かねぇ!!」


と、ほとんどの人から大不評だったあれ。


そう、梅干し!


妊婦さんは酸っぱいもの食べたくなるって言ってたから、試しに持ってきてたんだよ!


食べてくれるかな?


「なんですの?この赤い実は。

すっ、酸っぱい!!

でも、嫌じゃないわ……

むしろ、クセになりそうな強烈な酸味!

こちら、まだまだあるかしら?」


おぉー、今日一良い反応!


この感じなら、梅干しジュースや梅干しゼリーなんかが食べられるかも。


……噂で聞いてたハンバーガーセットも一応試してみようか。


「な、なぜですの!?

こんなに匂いがキツくて油っこいのに、普通に食べられますわ!!」


マジかよォ。


食べられる物が見つかって良かったね。




つわりで苦しむ妊婦さんなんて何十年ぶり以来に見たけど、やっぱり大変そうだ。


妊娠、出産は命懸けってのも伊達じゃない。


こんなに苦しい思いをして(わたし)産んでくれたお袋(おかあさま)には感謝しかない。


……そんな尊い命を俺は無駄にしてしまったんだ、この世界では精一杯生きて天寿を全うしよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] まだかなー
[一言] 魔法院卒業あたりまでは頑張って欲しい
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