分析スキル
その日は地下15階に飛んで15階の迷路での各個撃破をやってみた。
ラスボスのタイタンの復活はないようだ、また魔物は倒した分同じように発生してるし、一定の範囲から出ないところも変わらなかった。
ミュールには少し荷が重いかと思ったけど、剣が変わったのがよかったのかスパスパ切っていく、しかも魔力を通したままだ。
俺達より剣の扱いが上手いようだ。
流石剣術のスキルホルダーってところか。
「ラララララー。」
今目の前でミュールが8連続突きで魔物を蹂躙中だ。
しかもオーガ。
あのオーガ相手にスパスパ剣を通せるとか凄すぎる。
「済みません、旦那様、8連続がやっとです。10連続だと少し腕が振れません。」
いやいや、そもそも突き専用の剣じゃないからねそれ。
刺突剣も購入した方がいいんだろうか?
ちなみに、この刺突技の習得でスキルポイントを300程使っている。
進化が凄い。
LV20到達も十分視野に入っている。
でその間、シャルは何をしてるかと言えば、魔法の習得。
シャル自身は完全に魔法習得を諦めてたみたいだけど、俺が説得して、呪文を一部教えて、俺のイメージ方法を教えて何とか習得できないかやっている。
勿論上級魔力ポーションを飲ませてスキルポイントは増やしている。
「ケンタ、何か感じる様な、感じない様な?」
「何で疑問形?」
「うーんさっき、ケンタに教えて貰った時には解ったのに、今はよくわからないって言うか、もう一度さっきみたいに教えて欲しいと言うか。」
「よし、じゃあ取り敢えずここいらの魔物は狩ったからしばらく休憩、ミュールこっちでしばらく休んでて。何か飲むか?」
「いえ、まだ大丈夫です。」
そう言いながら型の練習をしている。今度は二刀流と刺突技のコンポか。どこまで進化するんだろう。
「じゃあ、もう一度、口から魔力を渡すから、それを感じるんだよ。その魔力をお腹に入れて、全身に広げる感じ。シャルが普段鑑定している時に感じている人が持っているオーラを感じる感じだよ。オーラが自分のお腹から体の表面に広がる感じね。」
「解った、お願いケンタ。きついのを一発。」
一見するとふまじめな感じだが俺達は真剣だ。
シャルが俺とキスをすると何か伝わってくるのが感じられるっているのでそれを魔力感知に利用している。
魔法の発動にはイメージが大切だけど、それ以上に魔力の元魔素を集める、練る、そう言う感覚が必要みたいだ。
俺は無意識にやってたけど。
ともかく濃厚なやつをやって、シャルが真剣に自分の中の魔力に意識を集中する。
上手くいきそうだ。
「わかるかも、ケンタ。これが魔力?これを集める感じね。」
俺はシャルがイメージしやすいようにシャルの前に火球を出したままにする。
これも実は結構大変だったりする。
魔力操作で火球を固定コントロールしているんだよね。
と、シャルの前に小さな火球が出来る。
イメージを俺の火球と同じものを作ろうとする。
ゆらゆら揺れてるけど、これって火魔法と同時に魔法操作を発動しているんじゃないだろうか。
いきなり高等すぎるだろう。
しかしここでシャルの集中を切らす訳にはいかない。
「よしシャル、その火球をあっちの壁にぶつけるイメージだ。ぶつかって弾ける感じ。」
そう言って俺の火球を壁に向けて飛ばし弾けさせる。
今見たイメージをシャルがトレースして実行。
上手くいった。
威力は今一つだけど確かに弾けた。
「どう?取得で来てる?」
シャルが茫然としている。
その後だーっと涙を流して俺に抱きついてきた。
「えぐえぐ。できたよ、ケンタ。できた。」
「そうか、頑張ったな。何を習得したんだ?」
「えっとね、「魔力操作」と「火魔法」だって。」
なんと、魔力感知じゃなく、いきなり上位スキルの魔力操作か。
凄すぎるぞシャル。
「それで、スキル値はどれくらい消費してる?」
「えっと1500。」
「よしよし。じゃあもう一本飲んどこうか。まだ頑張れるか?次は水魔法か風魔法行っとく?」
「まだ習得できるの?」
「出来ると思うぞ。今と同じ要領だ。シャルは魔力操作っていう上位スキルをいきなり習得してるんだよ。凄すぎ、天才。流石、俺のシャル。」
「へへへ、まあ、それほどでもあるけど。じゃあもう少し頑張ってみる。」
上級魔力ポーションをぐびぐび飲む姿は24時間戦う戦士みたいだ。
同じように、今度は水球を目の前に出して、シャルを誘導する。
今度は一発で出来て、ジュバッと水球を壁に飛ばす。
「できた、できたよケンタ。水魔法。スキル値は500消費してる。」
よしよし、予定通りだな。
その後、風魔法は視覚化出来ず、土魔法はイメージが固定できずに断念。
取り敢えず、今日のとことは火魔法と水魔法の習熟を目指すことにした。
発動のスピート、コントロール、威力。
勿論最初は1つだけだ。魔物との対戦中、意識を集中させないといけないし、慣れない戦いは随分と精神的に疲れたようだ。
結局、今日はミュールがLV20になった時点で探索を終了して入り口に戻った。
疲れているけど、心地いい疲れみたいだ。足取りは軽い。
ギルド支部に行って、換金しながらミュールの冒険者ランクを上げて貰った、問題なくBになる。
「本日はA級素材の買い取りはございませんか?」
「何か必要な素材がありますか?」
「お持ちでしたら、オーガの革とオーガの角を売って頂けたらと。」
シャルに確認したら問題ないと言う合図だったので、両方を取り出して換金して貰った。担当者はホクホク顔だ。
まあ喜んでもらえるならよかった。
「みなさん装備の防具はレア装備ですか?私の鑑定では判別できません。まあケンタ様のパーティーですから当然でしょうが。」
「ええまあ、特注品です。その件は内密にお願いします。」
「勿論でございます。上にも報告しません。失礼しました。」
「すぐに釘を刺したので何か拙いと感じたのだろう。」
その後、家に戻りながら、武器屋によって杖関係の武器などを見てみた。
魔力増幅できるような物があればと思ったけどそう言うのはないみたいだ。
ただ多少魔法発動が早くなる感じらしい。
一度鍛冶屋の親父さんに相談してみるか。
家に戻って。シャルに聞いてみた。
「シャルは、この防具鑑定できるんだよね?こういうのってどんな風に見えるの?」
「どんな風にって、
名前 タイタンのベスト
用途 防具
って感じだよ。物の鑑定は大体こんな感じ、素材とかだと
名前 金貨
用途 貨幣
みたいな感じ。」
「とすると、買い取り素材のレア度とかは?」
「レア度はギルドに備え付けのマニュアルがあるんだよ。それを覚えてる訳。鑑定して名前と用途からレア度を決めて、実際に見て素材の状態を判断して買い取り金額が算出されるんだよ、何で?」
「いや、人を鑑定した場合に比べて鑑定項目が少ないと思って。例えば、同じ素材の場合毎回鑑定する?」
「えー同じ素材とかものなら鑑定しないよ。見て解るじゃん。見たことない素材なら鑑定するけど。」
「あのさシャル。退屈かもしれないけど、物に向けて鑑定スキルを意識して鑑定してもらえないかな?もしかしたらシャルの鑑定スキルの上位変換のヒントが得られるかもしれない。」
「ほんと、やるやる。ケンタの言うこと何でもやるよ。何を鑑定したらいいの?」
「いや、目に入るものなら何でもいいよ。一応、スキル値の変動はチェックしといて。」
「ああ、ミュールごめんね。食事の準備はじめててくれたんだ。食材何か出そうか?」
「じゃあ、私も夕飯の準備しながら鑑定する。食材庫だしといて。」
そう食材庫。
野菜とか、肉を分けて収納したボックスを作ったんだよね。
それを丸ごと出し入れすることにしている。
2人には浄化をかけておいた。
お風呂に入ってないけど少しはサッパリするかな。
俺はその間に魔法陣のお勉強。
今日、シャルが魔法スキルを習得したことでいろいろ解ったことがある、しかも魔力操作と言うスキルも習得している。
つまりスキルと言うのは先天的な物ではなく、後天的に習得可能と言うことだ。
それじゃあ、なんで俺にはスキルがつかないのか。
獲得固有スキルと言う項目に入っているからか?
だとしても不親切な気もするけど。
そもそもこの固有スキルというのは、この世界で俺だけなのか?
まだ持ってるやつがいるとか?
あと、魔法の習熟方法だな。
火魔法と水魔法はシャルにやった方法で、まあ最初のキスは別としてもイメージを固めさせるのには問題なさそうだ。
でも戦闘に一番役立つ風魔法と、回復魔法の光魔法。
この辺りの習得方法を確立しておきたいところだなぁ。
そう言えば、隠蔽スキルってスキルの隠蔽もできるのかな。
今後のことを考えると、シャルのスキル状態はやばいかもしれない。
何と言っても複数スキル持ちだし、バレたら俺以上に厄介事に巻き込まれるだろうな。
まてまて、スキルの習得が可能なら、鑑定スキルもどうにかすれば獲得できるんじゃないか?
イメージというか手本はシャルがいるんだし。
「ねえ、シャル・・・」
俺が声をかける前にシャルがキッチンから走ってきた。
ジャンプして俺の所に飛び込んできた。
うっぷ、まあ大丈夫、以前の俺なら今ので意識を失ってただろうけど、今の俺には無問題だぜ。
「どうした?」
「できたよ、出来た。ケンタ凄い、凄いよ。」
「何が出来たんだ?」
「スキル、分析ってスキルになってる。でね、物の鑑定項目が
名前 金貨
用途 貨幣
成分 金
名前 タイタンのキャロットスカート
用途 防具
防御力 450
成分 タイタンの革、ブラックタランチュアの糸
名前 ケンタ・アマミヤ
年齢 22歳
職業 A級冒険者
LV 32
生命値 960
スキル値 7760
攻撃力 430
防御力 480
スキル なし
って感じ。」
「なるほど、これは凄いね。凄すぎるよ、シャル。」
「だよね。凄いよね、私。」
「ちなみに消費スキル値は?」
「うん、随分使っちゃったけど、5000消費している。」
「ねえ、シャル。シャルのスキルが強化できたのは非常に嬉しい。でも同時に俺以上にシャルが厄介事に巻き込まれる可能性がある。」
「えっ?あっ、そうか。「分析」、「魔法操作」という上位スキル2つに、火魔法と水魔法という魔法スキルが2つ。確かに異常だよね。どうしよう、ケンタ。」
「うん、でね、この際、このスキルを隠蔽するスキルを習得するべきだと思う。それまでは、鑑定持ちの人の前に出ないようにするとか。」
「一応ね、人物鑑定は相手の目を見ないと出来ないんだよ。後マルク王国で鑑定持ちは私を含めて、本部にいる一人と支部にいる一人の2人だけ。もともと世界的にも鑑定持ちは少ないんだけどね。私とか支部にいる獣人族の人とか、獣人族が住むには獣人族のある大森林か王国内にある各部落ぐらいで、帝国やまして獣人を人と認めてない正教会教皇国では住んでいないと思う。それに王国連合の中でも、マルク王国は獣人族に比較的というかかなり優しいけど、普通は獣人族は虐げられてるんだよ。そう考えると、鑑定持ちの人って世界中でもかなり少ないし、ここみたいに鑑定持ちの人が集まっている国って少ないと思う。それでも隠蔽した方がいいのかな?」
「避けられる危険なら避けた方が賢明だと思うよ。魔力操作という上位スキルを習得できたんだし隠蔽スキルも習得できるよ。情報項目を隠すイメージを持てばいいんだよ。気配を消す感じ。例えば、今俺を鑑定してみて。」
「あれ?ケンタの鑑定が出来ない。あれ?」
「ねっ。魔物から気配を消す場合に自分の存在を消すでしょう。それと同じだよ。自分の存在を消せるんだったら情報だけも消せると思う。俺がやってみるね。」
「凄い凄い、どうやったの?ケンタの情報のうち生命値が見えなくなった。」
「うまくいった?隠すように意識しただけだよ。俺に出来るんだから、シャルにもできるよ。自分のスキルを全部隠す感じでいいと思う。」
「わかった頑張ってみる。」
「よし、じゃあ、取り敢えず、2本ぐらい飲んどいて。どれくらい消費するか分からないしね。」
「ありがとう。でもいままで相当使ってるよね。小さな王宮ぐらい建つぐらい。」
「まあそれでシャルの強化が出来るなら安いものだよ。」
「ありがと、ケンタ。」
その後しばらく抱きついた後、キッチンに向かって行った。




