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第百九話 孤児達が有能すぎる気がするから、もっと精進せねば

誤字・脱字あればご指摘おねがいします。

「翔魔さま~。おはようございます~」


 エスカイアさんの里帰りを見送り、ヒイラギ領の事務所に向かう途中、孤児院では子供たちの朝食の時間であった。


 晩餐質を改装した食堂では、クラウディアさんと孤児院職員で作った朝食を子供達が口いっぱいに詰めて、朝からワイワイガヤガヤと騒がしくご飯を食べている。孤児院発足時点では五〇人だったが、今や王都ギブソンから引き取った職員と孤児達を合わせると一五〇人近い数となっていた。


 下はゼロ歳児から上は成人直前の一五歳までおり、男女種族分け隔てなく、共同生活をおくっている。


「おう、おはよう。腹いっぱいに食えてるかい?」


「うん! クラウディアせんせーのおいしいごはんをいっぱい食べてるー」


 年少組の獣人の子が顔にパンくずを付けて、楽しそうな顔で返事をしてくれた。彼女はこの孤児院に来た当初はがりがりに痩せて、汚らしい衣服をまとい、何かに怯えるように周囲をキョロキョロと見て落ち着かなかった子だと記憶している。


 その子も年相応の体型になり、洗濯された綺麗な服を着て、腹いっぱいにご飯を食べられる生活を過ごすことで、元来持ち合わせていた明るく活発な性格が表に出てきていた。


「翔魔様はエスカイアさんのごはん食べてきたのー? 今日のお昼はわたしたちと一緒にクラウディアせんせーのごはん食べてくれる?」


「ああ、朝めしは食ってきた。昼はみんなと食べるから、午前中のお勉強は頑張るんだぞ」


「いやったぁああ!」


 孤児院では成人すれば、職を見つけて独立するように取り決めてあるため、読み書き計算に始まり、職業訓練や高等教育、更に望めば専門教育まで受けられる講師陣を用意してあげていたのである。


 現在は読み書き計算の基礎課程は職員及び年長の子たちが教え、職業訓練は鍛冶コースがグレイグの工房、調理コースはエスカイアさん、クラウディアさんが教えている。


 基礎課程の読み書き計算ができれば、エルクラストでは引く手あまたな就活が行えるし、技術者ともいえる鍛冶も腕さえ良ければ独り立ちできるほど稼げ、飯も同じように腕さえあれば食べていける職業であった。


 基本的に孤児として、苦労して生きてきた子たちは、ご飯を食べるために常に知恵を働かせてきた子たちであり、孤児院生活で衣食住が安定すると猛烈な知識吸収欲を発揮している。


 食うためには知恵が必要であり、そのためには知識が必要であると身を持って体験してきた子たちなので、ありとあらゆることに興味を持っているようだ。


 オレもそんな彼らを見ていたら、自分の子供の頃からの馬鹿さ加減に赤面しそうになる。なので、彼らが望む知識を与えられるよう、元貴族の屋敷であった孤児院は、日本やエルクラストから膨大な蔵書を集め、図書室として開放もしているし、トルーデさん、ヴィヨネットさんによる高等教育、専門教育のコースも設置していた。


 この二つのコースはハッキリ言って高度な教育過ぎて、一度だけオレも受講したが、内容にさっぱり追い付いていけず、断念するほどの高レベル講義であったのだ。


「翔魔様、今日は害獣討伐の授業していただけますよね?」


 年少組に囲まれていたオレに気が付いたオルタが話しかけてきた。


 この犬族のオルタも孤児であったが、知識収集欲が凄く、半年の間に急成長を果たし、王都ギブソンのイシュリーナ女王からは執事として政務の手助けをして欲しいとか、ミチアス帝国のアレクセイさんからは高級官史として採用したいとか、お誘いが来ている出頭人であった。


「ああ、勇者コース希望の者だけだがな。オルタは聖哉の科す試験に突破できたのかい?」


「はい! この間、ついに突破できました!」


「なら、今日は参加できるな。オルタの戦いに期待してるぞ」


「はい! 武芸も励みます」


 オルタの言っている勇者コースは、護身術担当講師の聖哉が科す試験を突破した、腕っぷしと度胸の据わった子たちを近隣の低LV害獣駆除に連れていくという、一見危ないコースなのだが、フルMAXのバフ掛けして臨むため、子供でも容易に完遂することができるのだ。


 この勇者コースは(株)総合派遣サービスのオレのチームにスカウトするべき人材の発掘も兼ねているが、本来の目的はヒイラギ領を守る人材の育成をするためであった。


 低LV帯とはいえ、住民からしてみれば、害獣は有害な生物であり、繁殖地である魔境から這い出してくるものもいるため、常駐の討伐戦力は欲しいところであるのだ。


 しかも、機構の研究部に所属しているヴィヨネットさんが、エルクラスト生まれの高ランク者に聞き取り調査をした結果として、高ランクの勇者適性が出ている者は、幼少期から何らかの形で害獣を討伐していた者たちが多く、成人までに討伐した害獣の数によって勇者適性が変化するのではないかと推論もあった。


 Aランク勇者適性があれば、一定LVの害獣までは狩れるので、この勇者コースで害獣を狩りまくった子供たちから誰か一人でもAランクが出てくれればとの思惑もあった。


「オレが常駐できればいいんだがな……」


「いえ、ヒイラギ領は僕らの家です。家は自分たちの力で守らないといけないんです。勇者コースの子たちもその気持ちをしっかりと持った子たちです」


「そう言ってもらえると助かる」


 高LVの害獣こそ近隣の魔境から一掃しているが、発生頻度の高い低LV害獣は駆除してもまたすぐに発生し、一定数まで増えると街に溢れるため、討伐が追いついていないのだ。


 本当なら、害獣は派遣勇者であるオレがすべて退治するべきであるが、日本とエルクラストを行き来している現状では即応できる態勢が取れず、ほぼイシュリーナの屋敷に入り浸っている聖哉と街に工房を構えるグエイグの二人が緊急事態には駆け付ける体制なので、低LV害獣から領地を守る自衛戦力の拡大は急務でもあった。


「とりあえず、朝ご飯終える頃には、こっちの朝礼も終わるだろうから、害獣討伐の参加者には庭で集合して待っておくように伝えておいてくれ」


「分かりました。翔魔様の到着をお待ちしています」


 オルタは弾むように自分の席に戻ると朝食をもの凄い勢いで食べ始めていった。その様子を見ながら、俺は事務所に向かい、朝礼に参加することにした。


新作もボチボチ更新してますので、お時間ありましたら下記リンクから読んで見てください。



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