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宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第3章

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第094話 勉強になるな


 そのまままったりと過ごしていると、夕方になったので下に降り、夕食を食べる。

 メニューは貝などの魚介が入ったパスタセットであり、スープやサラダも付いていた。


「ふむふむ……良い出汁が出ていますし、にんにくとピリッとくる赤いやつが良いアクセントになってますね」


 多分、鷹の爪だな。

 ボンゴレに近いかもしれない。


「美味いな」

「ええ。美味しいです。こうやってたくさんの地に行って、色々なものが食べられるって良いですね」

「本当にな」


 イラドがあれだったからよりそう思う。


「食は大事です」


 ウェンディが嬉しそうに食べている。

 うん、いつものウェンディだ。


 俺達はその後も料理と共に追加注文したワインを楽しんだ。

 食後は部屋に戻り、エルシィ、俺の順番で風呂に入る。

 そして、風呂から上がり、ソファーに向かうと、エルシィが書き物をしていた。

 ウェンディはローテーブルの上に立ち、それを見ている。


「何を書いているんだ? 勉強か?」


 エルシィの隣に座りながら聞く。


「今日のパスタのメモです。せっかく色々な料理が食べられるんでメモしておこうと思って」


 エルシィのノートを見ると、絵付きで材料なんかが書いてある。

 内容はかなり細かく書いてあり、この辺は錬金術師の職業病だなって思った。


「へー……それは良いな」


 確かにその地域の味付けなんかもある。


「頑張ります!」

「レスターさんもせっかくですし、前世の料理でも書きませんか?」


 ウェンディが提案してきた。


「前世か……あまり料理はしてこなかったが、簡単なものならわかるか」


 大学を卒業後はずっと1人暮らしだった。

 外食やコンビニやスーパーで弁当や総菜を買うことが多かったものの、まったくしなかったわけではない。


「錬金術だと思って、やってみましょう」


 自分が食べたいだけだろうな。

 でもまあ、確かに良い機会かもしれない。

 夕方の話から考えてもいつまで覚えているかわからないしな。


「じゃあ、書いてみるか」

「先輩、一緒に作りましょうよー」


 一緒にか……

 まあ、俺もエルシィもイラドの人間だから味付けを一から勉強しないといけないからな。

 この旅はそれも兼ねているのだ。


「そうだな」


 ノートとペンを取り出すと、記憶を辿りながら前世の料理をエルシィと同じ感じで書いていく。


「エルシィさんもですけど、レスターさんも絵がお上手ですね」


 見学しているウェンディが感心する。

 正直、自分でもそこそこの絵が描けたと自負している。


「まあな。錬金術は錬成後のイメージも大事だし、そういう美的センスも大事になってくるからこれまでに培われたものだろう」


 見た目の美しさも大事になってくるのだ。

 歪なインゴットなんて誰も買わないし。


「そういうものですか」

「エルシィにセンスがなかったらお前も不細工だったぞ」


 ウェンディが乗り移っている天使ちゃん人形はエルシィが作ったものなのだ。


「まあ、絶対に先輩が作らない、買わないような人形にしましたからね」


 そうなのか……

 まあ、確かに誰かに贈るとかなら別だろうが、こういうのを買おうと思わないし、作ろうとも思わないな。

 ましてや、寝室に飾らない。


「エルシィさんも中々、独占欲が強いですもんね」


 そうか?


「そうでもないよ」

「えー、ロックオンじゃないですか」

「全然、全然。私はナンパされた方だから。ここ大事」


 ナンパじゃないんだがな……

 声をかけただけでナンパになるんだったら世の中、ナンパだらけだぞ。


「謎のプライドですね」

「大事なの。ねー?」


 え? 俺に振ってくるの?


「そうだな」


 まあ、なんでもいいや。

 エルシィがそれにこだわるなら否定するほどのことでもない。


 俺達はその後も料理の本を書き続け、いい時間となったので就寝した。


 翌日、少し遅めに起きた俺達は朝食を食べ、準備をすると、宿屋をチェックアウトし、冒険者ギルドに向かう。

 ギルドに入ると、数人の冒険者がいたものの、時刻がすでに10時を過ぎていることもあり、空いていた。

 まあ、極力、他の冒険者と遭遇したくないので敢えて時間をずらしているので当たり前だが。


 俺達は昨日と同じ左の方の受付に向かう。


「おはようございます。【海のひと時】はいかがでしたか?」


 昨日と同じ受付のおじさんが笑顔で挨拶をしてくる。


「おはよう。良い宿屋だったし、海鮮のパスタも美味かった」

「それは良かったです」

「ちょっと聞くが、やはり夏のシーズンになると、宿代も上がるのか?」

「はい。もう少ししたら予約でいっぱいになると思いますよ。この町の人間からすると、夏が稼ぎ時ですからね」


 やっぱりか。

 まあ、安い値段で良いところに泊まれたと思おう。


「紹介してもらって助かった。それで話を聞きたいんだが、大丈夫か?」

「ええ。もちろんです。ごらんのように他の冒険者の皆様は仕事に行かれたので暇ですし、いくらでも付き合いますよ」


 俺は暇な爺さんか?


「仕事っていうと、魔物退治か?」

「それもございます。他には港町ですので漁師の手伝いなんかも多いですね」


 ホント、何でも屋だな。


「船を作る仕事とかないのか? ターリーのエルディアから来たんだが、あそこは船の製造が盛んだった」

「あそこはそうでしょうね。しかし、この町は船の修繕くらいです。港があり、あちこちから外国船も来ますが、漁業がメインの町なんですよ」


 確かに漁船が多かった。


「エルディアは軍船もいっぱいあったが、ここはそうでもないのか? 王都が近いんだろ?」


 重要な拠点だと思う。


「エルディアは海だけでなく、大きな川も多いので歴史的に海軍が強いんですよ。このイパニーアはそこまで強くないです。ただ、畜産業が盛んで馬の生産もやっておりますので陸軍が強いですね。この町に住んでいる私からしたらちょっと嫌な話ですが、たとえ、敵にこの町を落とされても王都からここまでは大きな遮蔽物のない平原ですので騎兵を中心とした陸軍で簡単に取り戻せるんですよ」


 なるほどな。

 確かに町の人間としたら嫌だわ。


「歴史的にそういうのがあるのか?」

「昔はあったようですね。ですが、100年以上も前の話です。今、私が話したことも当然、他国も知っていますので同じように攻めることはありません」


 それもそうか。

 馬を船で運ぶわけにはいかないし、水兵が騎兵に勝てるわけがない。

 港町を落とせるのはメリットだが、その後に大敗北が待っているなら攻められない。


お読み頂き、ありがとうございます。

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