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宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第2章

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第088話 取り分?


「2人共、無事かっ!? なっ!? 何だ、この部屋は? ん? アラム……?」


 少佐が部屋に入ってくると、部屋を見渡し、死んでいるアラムを見て固まった。


「エルシィ、ちょっと離れろ」

「はい」


 エルシィが離れてくれたので立ち上がる。


「レスター殿、これは一体?」

「順を追って説明する。俺達は穴に落ちたんだ」

「それはカルロから聞いているから知っている。なんでもお前達の使い魔が助けを呼びに来たそうだ。それで我らが救出にやってきたのだ」


 もうちょっと早く来てくれたらな……

 いや、それは望みすぎか。


「穴で待機していると、横穴があり、その先に扉があった」

「うむ。この部屋だな。何かの隠し部屋のようだ。まあ、何かはそれだろうが……」


 少佐が床に散らばっている金貨を見る。


「ああ。実はこの部屋にはアラムが先にいたんだ。要はこの財宝を先に見つけたのはアラムなんだよ」

「わかった……アラムはこの財宝を自分のものにしようとして、お前達を襲ったわけか」


 察しがつくらしい。


「わかるか?」

「そうとしか考えられない。お前達はとてもではないが、強そうに見えないし、こんな狭い部屋で屈強なアラムに挑むとは思えない。どっちが襲ったかは明白だ。何よりも海賊と錬金術師では信用度が違う」


 まあ……ね。


「何とか2人で挟み撃ちに持ち込み、魔法で倒した」

「なるほどな……いや、わかった。しかし、そうなるとこの財宝は……うーむ……」


 少佐が腕を組んで考え込む。


「アラムが見つけたものだから軍のものか?」

「微妙な気がする……あ、いや、すまん。とにかく、お前達は上に上がってくれ。アラムの遺体と財宝はこちらで回収し、船に乗せておく。そちらは船の修理の方を進めてくれ」


 それもそうだな。

 今日中には帰りたいし。


「わかった」

「それとすまんが、上にいる兵を呼んでくれ」

「了解。エルシィ、行こう」

「はい」


 俺達は部屋を出ると、横道を進んだ。

 すると、俺達が落ちた場所には梯子がかけられていたので登っていく。

 そして、何とか上まで登りきると、5人の兵士と共にカルロとウェンディを抱えたニーナがいた。


「おい、大丈夫か?」

「ケガはないですか? ポーション、いります?」


 カルロとニーナが心配そうに聞いてくる。


「俺達は大丈夫だ」

「うん、大丈夫」


 ケガはない。


「レスター殿、エルシィ殿。無事で良かった。ところで、少佐は?」


 兵士の1人が聞いてくる。


「下の穴に横道があった。少佐はそこにいる。上に行って兵士を呼んできてくれと言われた」

「わかった。おい!」

「はっ!」


 兵士達は1人ずつ下に降りていく。


「俺達は修理の方だ。少佐に進めるように言われている」

「まあ、そうだな」


 俺達はこの場を離れると、船がある海岸まで戻る。

 砂浜ではすでに木材の加工が終わっていたので俺達は手分けをして、木の実をオイルに変えることにした。


「それにしても心配しましたよ。穴があるなんて聞いてないです。穴の底が見えなかったですけど、本当に大丈夫なんですか?」


 ニーナが聞いてくる。


「実は大丈夫じゃなかった……」


 オイルを作りながら2人に下であったことを話す。

 横道があったこと、その先に財宝と共にアラムがいたこと、殺されかけ、返り討ちにしたことを順々に説明した。


「マジか? 事件じゃねーか」

「海賊はやっぱり海賊か。信用ならないね」


 いや、ホントに。

 正直、あの部屋でアラムと相対した時、殺気がすごかった。

 最初から殺す気満々だったのだ。


「それでなんだが、この場合、あの財宝はどうなるんだ? やはり軍の物か?」


 一応、軍の関係者が見つけたものだからそうなると思う。


「いや、ここはすんなり引き下がったらダメなところだぜ?」

「そうですよ。軍の関係者が襲ってくるなんて大スキャンダルです。ここは交渉のしどころです」


 あー、まあ、そうか。


「交渉か……」


 エルシィを出したくはないな。


「ニーナ、行け」

「うん。レスター先輩、ここは私に任せてください。私は錬金術師ですが、商人でもあります」


 確かに商人だな。

 1人で買い付けとか行っているみたいだし、得意なのかもしれない。


「任せてもいいか?」

「はい。よし、ちょろまかされたら嫌なので早速、行ってきます」


 ニーナは持っていた木の実をカルロに渡すと、立ち上がり、走って森の中に入っていった。


「穴に落ちるなよー」


 カルロが笑いながら言うと、俺達は作業を再開した。

 そして、すぐにオイルもできあがったので木材と防腐剤、オイルを錬成し、船の部材が完成する。


「よし、後は俺に任せておけ。お前らは休んでな」


 カルロは部材を魔法のカバンに収納し、船の中に入っていった。


「疲れましたね……」

「そうだな……」


 主に穴の下であったことのせい。


「魔法を覚えてて良かったですよ。ウェンディちゃん、ありがとうね」

「いえいえ。しかし、財宝ですよ。すごいです」


 確かにあの金貨の山はすごかった。

 交渉は上手くいくのかね?


 俺達がその場で待っていると、すぐにカルロが戻ってきた。

 どうやら修理は無事に終わったようだ。

 それからさらに待っていると、ニーナと少佐と兵士達が戻ってくる。

 兵士達は布が被せられた担架を持っており、さらには木箱まで持っていた。


「どうだった?」


 カルロがニーナに聞く。


「とりあえず、レスター先輩達にも金貨の権利があるということは納得してもらった。分配はこれから」


 あ、もらえるんだ。


「そうかい。少佐、船の修理は終わったぜ」

「ご苦労だった。では、すぐに出航の準備に入るのでお前達は船室で待っていてくれ」

「はいよ」


 俺達は乗ってきた船に乗り込むと、船室で休むことにした。


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― 新着の感想 ―
この作品、何故職場の女性比率が高いのかについて、あらかじめ繰り返し説明されているのが良いよね。 男性の多くは魔法使いになって軍に入り前線務めだから、錬金術師は後方勤務で女性だらけっていう。
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