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宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第3章

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第104話 王都の町並み


 店を出ると、夜になっており、空はすっかり暗くなっていた。

 しかし、店の明かりや街灯が周囲を照らしているし、人もかなり多くなっていたのでかなり明るく感じる。


「本当に賑わってますねー」

「夜の街って感じがします」

「そうだな。それに良い盛り上がり方だ」


 周りの人の中には女子供や老人の姿も見える。

 治安が良い証拠であり、イラドの王都の繁華街では見たことがない光景だ。


「悪そうな人がいませんもんね。どうします? 二軒目にでも行きます? 先輩はあまり飲んでいなかったようですし、付き合いますよ?」


 うーん……


「いや、俺は静かな方が好きだ」


 騒がしいのはちょっと苦手なのだ。


「じゃあ、宿屋に帰りますか。3人で飲みましょうよ」

「そうするか。ちょっと付き合ってくれ」

「もちろんですよー」


 俺達は賑やかな道を歩いていくと、宿屋に戻り、風呂に入る。

 そして、ワインを注文し、部屋でゆっくりと楽しむと、この日は就寝した。


「ふわーあ……」


 翌朝、目が覚めると、上半身を起こし、身体を伸ばす。

 隣のベッドを見ると、すやすやと眠るエルシィと万歳の格好で気持ちよさそうにすかーっと眠るウェンディがいた。


「エルシィ、ウェンディ、起きろ。朝だぞ」


 声をかけると、2人が同時に目をうっすらと開ける。


「……今、何時ぃ?」


 エルシィは眠そうだ。


「9時だ。今日は観光に行くんだろ」

「そうでしたね……ふわーあ」


 エルシィが上半身を起こし、腕を伸ばす。

 ウェンディは布団がめくれてしまったのでさらに潜っていった。


「ホント、朝に弱い人形だな」

「私のふくらはぎを抱き枕にしていますね……ウェンディちゃーん、起きるよー」


 エルシィが布団をめくって声をかける。


「眠いでーす……」

「先にご飯を食べてきてもいい?」

「起きまーす……」


 食いしん坊天使が這うように布団から出てきた。


「着替えて朝飯に行くぞ」


 俺達は顔を洗い、着替えると、一階の食堂で朝食を食べる。

 メニューはパンにスクランブルエッグ、サラダというシンプルなものだったが、非常に美味しかったし、ウェンディはおかわりまでしていた。


 朝食を食べ終えると、一度部屋に戻り、準備をする。

 そして、1階に降りると、受付の店員に今日も泊まる旨を伝え、宿屋を出た。


「今日も良い天気ですねー。観光日和です」


 空は雲一つない晴天だ。


「そうだな。じゃあ、オフェリアのところに行ってみるか」

「そうですね」

「れっつごー」


 俺達は通りを歩いていく。

 やはり昨日と同様に人が多く、さすがは王都だなと思いつつも、やたら目の付くところにいる騎士がちょっと気になった。


「良いことなんだが、多いな……」

「騎士様ですか? 確かに多いですよね」

「そもそもなんですけど、騎士って何ですか?」


 ウェンディが聞いてくる。


「確か騎士爵って身分だったような……どうだったかな?」


 イラドにもそういう制度があったはずだ。

 もう廃れてしまったようだが。


「私も覚えてないなー。その辺りもオフェリアさんに聞いてみようよ」

「それもそうですね。せっかく案内してくれるわけですし」


 俺達は通りを歩いていくと、昨日と同じところで曲がり、フリオとオフェリアのアパートの前までやってきた。

 昨日も思ったが、俺達がイラドで住んでいたような普通のアパートだ。

 ぼろいって感じでもないが、新築ではないし、貴族が住むような家には見えなかった。


「オフェリアさーん?」


 エルシィがノックをしながら声をかける。

 すると、扉の向こうからガタゴトという音が聞こえてきた。


『ちょっとお待ちいただけますかー?』


 扉越しにオフェリアの声が聞こえてくる。


「はーい。ゆっくりでいいですよー」


 エルシィが返事をし、しばらく待っていると、扉が開き、昨日と同様に普通の町民の格好をしたオフェリアが出てきた。


「お待たせてしまってすみません。着替えていたのです」


 俺らと同じで遅くに起きたのかな?


「全然いいですよー。それよりも今日はありがとうございます」

「いえいえ。私もお出かけができて嬉しいです。何が見たいとかありますか?」

「えーっと、メインズ神殿は見たいですね。あとは……何があるんですかね?」


 エルシィが旅行雑誌を開きながら首を傾げる。


「ふふっ、では、メインズ神殿は確定として、私がおすすめを案内いたしましょう」


 オフェリアが上品に笑う。


「おねがーい」

「ええ。では、まず、中央の広場に行きましょうか……と、その前に王都のことを簡単に説明しましょう。この町は中央に広場があるのですが、そこを中心に十字を切るように東西南北の門に繋がっている大通りがあります。ちょうどそこの通りが東門へ向かう大通りですね」


 オフェリアが俺達が通ってきた通りを指差す。


「じゃあ、あれを西に進めば広場か?」

「そうなります。もし迷われたらとにかく大通りに出てください。それでなんとかなります」


 なるほどな。

 わかりやすい街並みのようだ。


「そうする」

「では、参りましょう。これからは歩きながら説明いたします。こちらへどうぞ」


 俺達はオフェリアに促され、この場を離れると、大通りに出た。


お読み頂き、ありがとうございます。

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