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記録60 検問所

藤村 鈴(ふじむら れい)

自衛隊第四師団所属


身長160㎝ 体重53㎏


性格は真面目できちんとやらないといけないことはする方。

スタイルは良い。

出身高校は石川県立鶴来高等学校。

身体能力は20代の一般平均男性の体力よりある。

百合が運転するワンボックスカーは能登有料道路の白尾料金所まで来ていた。

「ここは………?」一番後ろの席から勇輝が言う。

「能登有料道路。」百合が言う。

勇輝は乗っている人を見る。

「他は……?」勇輝が聞く。

「……………。」車内が無言になる。

「う~ん……」幸子が起きる。

「ようやく起きたのね。」百合が言う。

徐っ席の七奈美は服が濡れているのにか変わらず寝ていた。

「他のみんなは?」幸子が言う。

「…………。」またもや車内が無言になる。

「ごめんなさい。」幸子が言う。

「謝る必要は無いわ。」百合が言う。

「所で何処に向かってるんですか?」勇輝が聞く。

「一先ずは、このまま走って、通れるなら山側環状線から森本インターチェンジから北陸自動車道に行こうかなと思っているんだけどね。」百合が言う。

「道は分かるんですか。」勇輝が言う。

「バカにしてんの!?一本道じゃん!」百合が言う。

「すいません。」勇輝が言う。

幸子は外を眺めていた。

社内から見える風景は電気が消えて真っ暗な町から所々火の手が上がっている住宅街と道に乗り捨ててある放置車両のヘッドライトぐらいが見えた。

「あ………あれ。」いつの間にか起きていた七奈美が何かを指差す。

車内にいた全員がその方向を見る。

すると、一ヶ所だけ真っ赤に照らされている場所があった。

「あれってイオンモールかほくじゃないか?」勇輝が言う。

「そうだよ。」幸子が言う。

駐車場からも火の手が上がっており乗用車が燃えていることが分かった。

「酷い………」七奈美が言う。

「酷くても、人間は黒歴史で成長するものよ。」百合が言う。

「それってどういう事?」幸子が聞く。

すると、放置車両の影からゾンビが飛び出してくる。


ドン


車はゾンビを轢いた。

「人間はね、酷いことをして成長する。例えば戦争かな。今、各家庭に普及しているパソコンは戦争の時にミサイルの弾道を考えるために発明されたものなの。他にもGPS、電子レンジが良い例ね。」百合が言う。

「それでもこんなことはダメでしょ!」幸子が言う。

「下手したら、ゾンビの楽園完成かもな。」勇輝が言う。

「何でよ?」七奈美が聞く。

「バーカ、考えろよ。まだワクチンも開発されてないウィルスだ、世界にいるテロリスト共が黙ってないぜ。そうすると、石川県に不法侵入してきてサンプルを取る、後はどこでも良いけど、世界の中の主要都市にばら撒けば大陸を伝わって世界中に蔓延する。」勇輝が言う。

「だったら何よ。」七奈美が言う。

「早くこの県から逃げた方がいいかもなってこと。」勇輝が言う。

「まさか、消し去るんじゃ無いでしょうね。」幸子が言う。

「そのまさかだよ。」勇輝が言う。

「何でよ!そんな事したら感染してない人まで犠牲ーー」

「仕方ないでしょ!」百合が七奈美の言葉を遮る。

「地球の人口62億人の命と石川県の人口110万人じゃ比べ物にならないわ」百合が言う。

「どうして分かるんですか?」幸子が聞く。

「みんなとまだ合流してないときに、捨てられてた車の中を調べたら衛生電話があってね。それで警視庁に頼んで聞いたらこの有り様よ。」百合が言う。

「ゆーくんは?」幸子が聞く。

「ゲームとか、小説、漫画で……」勇輝が言う。

「…………。」車内が無言になる。


車は山側環状線を下りて、森本インターチェンジの料金所から北陸自動車道に乗る。

高速には放置車両が多いが、その殆どが事故車両ばかりで、ボンネットが血で染まっていたり、横転していたりが多かった。

しかし、道が広いのですんなりと進めている。

「もうすぐですね。」勇輝が言う。

「そうね。」百合が言う。

すると、突然車が止まる。

「どうかしたんですか?」幸子が聞く。

車が突然照らせられる。

「まぶしい!」七奈美が言う。

そして、大音量のスピーカーで声が聴こえる。


「代表者一人をこちらに渡して状況説明してから全員受け入れるから代表者一人!」


「そういう形式か……」勇輝が言う。

「ここって福井県との県境?」幸子が聞く。

「そう。」百合が言う。

「代表には勇輝くんが行って。」百合が言う。

「どうしてですか?」勇輝が聞く。

「私は合図があったら車を動かすし、ゾンビが襲いかかってきても大丈夫でしょ。」百合が言う。

「…………わかりました。」勇輝は少し考えてから言う。

勇輝は車から降りる。

車の周りには、放置車両が何台もあり、身体中に銃弾を喰らったゾンビも数対倒れている。

勇輝は両手を挙げながら県境の緊急検問所に近づく。

検問所の前には自衛隊員が一列に並んで立て膝をついて89式小銃を構えていた。

自衛隊員の列に近づくと一人の女性の自衛隊員が走ってくる。

「生存者の方ですね。」女性の自衛隊員が言う。

「はい。」勇輝が言う。

「私は藤村 鈴です。」鈴が言う。

「田中 勇輝です。」勇輝が言う。

「あちらの車の中には噛まれた方は居ませんか?」鈴が聞く。

「居ません。」勇輝が言う。

「もし、嘘をついていた場合は法的処置を取るので。」鈴が言う。

「大丈夫ですって。」勇輝が言う。

「それでは銃を持っていたら渡してください。これが最後の質問です。」鈴が言う。

「ありません。」勇輝が言う。

「それでは車をーーーー」

鈴が良いかけたとき、空が勇輝の後方で光った。

久しぶりに新キャラ書いたな。


もうすぐで最終回ですので最後まで読んでくださいね。

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