記録44 鈍感
今回はそれなりの長文です。
新たな登場人物なし。
「ちょっと待てよ………何でそうなるんだよ!」勇輝が言う。
「それには納得。」百合が言う。
「いや~、百合はちゃんと鍛えられていて運動神経も良いし、頭もそれなりに良い、勇輝くんは勉強の方は駄目だけども、戦闘や、武器の知識、それと無駄な知識も多いからかな。」千秋が言う。
「なんかイラッと来るんですが。」勇輝が言う。
「大丈夫。仲間になるんだったらここからちゃんと出してあげるし、それなりの働き場所も確保出来るから、未来が心配な二人にはぴったりでしょ。」千秋が言う。
「うっ………」百合と勇輝は言葉に詰まる。
(確かに私は今ただのフリーターだし、これから就職できるか分からない。しかもここからも無事に脱出出来るかも分からない………)百合が思う。
(………働いたら負けなような………)勇輝が思う。
「なぁ、幸子とかはどうなるんだ?」勇輝が聞く。
「安心して、仲間ならお願い事は聴いてあげれるから。」千秋が言う。
「俺はパス。」勇輝が即答する。
「良いのかな?」千秋が聞く。
「悪いけど、俺は金とか名誉に興味ないから。」勇輝が言う。
「それは残念ね。」千秋が言う。
「百合は?」千秋が聞く。
「………………。」百合は何かを考えている。
「なに迷ってるんですか!?」勇輝が言う。
チャキッ
白色のM1911(コルトガバメント)が勇輝に向けられる。
「これは自分で決めること、勇輝くんが口を出して良いことじゃないよ。」千秋が笑顔で言う。
「くっ…………」勇輝は口をつむぐ。
百合は必死に考えていた。
(もしも、ここで私が「いいえ。」と言えばここにいる私達はどうなるか分からない……殺される………実験台にされる……)
百合はついに結論を出した。
「私は………」百合が口を開く。
「私は仲間になる。」百合が言う。
その言葉が言われた瞬間千秋がニヤリと笑う。
「ようこそKANAMEへ。」千秋が言う。
「何でだよ!そこまでして名誉が欲しいのか!?見損なったぞ!」勇輝が言う。
百合はうつむいて何も喋らない。
「答えろよ!」勇輝は更に問う。
しかし、百合は喋らない。
「何か言いたいことある?」千秋が百合に聞く。
「勇輝くん達をKANAMEから追い出してください。」百合が言う。
「オッケー。」千秋が言う。
千秋は無線機を取り出すと指示を出した。
「五名様お帰りです。」千秋が言う。
すると、扉から男が3人出てくる。
勇輝を取り押さえる。
「なんだよお前ら!」勇輝が抵抗するが、大人相手ではどうすることも出来なかった。
牢屋に入れられている幸子達も同じようにして運び出されていた。
ポイ
ドサッ
「イッテー!」勇輝がKANAME金沢支社から投げ出される。
「田中!?」七奈美が驚く。
「………お前らもか………」勇輝が言う。
「篠崎さんは?」幸子が聞く。
「…………。」勇輝がうつむく。
「……そこら辺の民家にお邪魔しましょうか。」智美が言う。
勇輝達は近くの民家に入ることにした。
奇跡的に鍵が開いており、更にゾンビもいなかった。
勇輝達はリビングで話す。
「ゆーくん、全部話してね。」幸子が言う。
「言われなくても話す。」勇輝が言う。
勇輝はKANAME金沢支社で起こったことや、聞いたことを全て話した。
「そうだったの………」夏海が言う。
「でも、聞いてる限りじゃ、篠崎さんに落ち度は無いわね。」七奈美が言う。
「何でだよ。」勇輝が言う。
「どれだけ鈍感なんですか?」智美が言う。
「幸子、あんたの彼氏どんだけ鈍感なのよ。」夏海が言う。
「ご覧の通り。」幸子が言う。
「は?」勇輝が言う。
「だから、篠崎さんは私達を助けるために向こうに寝返ったの!」七奈美が言う。
「へ?」勇輝が言う。
~5分後~
「そういう事か。」勇輝が言う。
「どれだけ鈍感なんですか………」智美があきれる。
「そうと決まったら………!」勇輝が言う。
「待って。」幸子が言う。
「どうしたの?」夏海が言う。
「全員下の名前で呼ばない?」幸子が言う。
「別に反対ではないけど。」夏海が言う。
「私も。」七奈美が言う。
「私もです。」智美が言う。
「俺も。」勇輝が言う。
「決まりね。」幸子が言う。
「そして、百合さんを…!」勇輝が言う。
全員卯頷いた。
「それじゃあ、準備は10分以内で。」七奈美が言う。
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